松田 哲氏 「ドル円ユーロタクティクス」

2009年06月 の記事

第261回 ドル/円

ドル/円が動き出しそうなので、前回に引き続き、ドル/円をテーマにします。

ドル/円のチャートで、過去の高値、
■2007年6月の124円台
■2008年8月の110円台
を結んだ線が、現在のレジスタンス・ライン(上値の抵抗線)になります。

このレジスタンス・ラインの平行線(パラレル・ライン)を、過去の安値
■2008年3月の95円台
に合わせると、自然に、
■2008年12月の安値の87円台
に、一致します。

つまり、2007年ころからのドル/円の値動きは、上記の2本の平行線の中に、すっぽりと収まってしまうことになります。

このことから、ドル/円は、2007年ころからレジスタンス・ラインに従って、一定のスピードで下落したことを示しています。

テレビや新聞などのマスコミ報道では、『急激な円高』などの表現が使われます(使われました)が、その表現は誤り(間違い)で、『ドル安円高は一定のスピードで進んだ(進んでいる)』と言えます。

言い換えると、次のようになります。
『2007年ころからのドル/円は、上記のレジスタンスの傾きで、一定のスピードで下落している』
『現時点(2009年6月)でも、「一定のスピードで下落している」その範囲内にある』

昨年末(2008年12月)と今年の初め(2009年1月)に2回、[87.00-10]レベルを付けてから、[101.40-45]レベルまでリバウンド(反発上昇)していますが、現在までの値動きでは、トレンドに変化はなく、『ドル安円高トレンド』のままです。

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昨年暮れ頃から、今年(2009年)の2月頃までのドル/円は、上限94円台ミドル程度、下限87円程度の「ボックス相場」を形成した。

その後、その「ボックス」を上昇シフトして、改めて、上限101.50程度、下限93.50程度の「ボックス相場」を形成している。

現時点(2009年6月下旬)でも、ドル/円は、上限101.50程度、下限93.50程度の「ボックス相場」が続いている。

かつ、「ボックス相場」が上方シフトする際に形成したサポート・ラインを、すでに下に割り込んだので、その時点で、「売りのシグナル」が点灯した。
その「売りシグナル」は、現在(2009年6月下旬)も持続している。

現在の「ボックス相場」の下限93.50程度を、下に割り込む場合は、「ヘッド&ショルダー」の変形が完成する。

上記ボックスの上限と下限の値幅分は、約8円。
(101.50-93.50=8.00)

「ヘッド&ショルダー」の変形が完成する場合は、下限から、その値幅分(=約8円)、下落したところがターゲットになる。

だから、「ボックス相場」の下限93.50程度を、下に割り込む場合は、ターゲットは、85円台ミドル程度になる。
(93.50-8.00=85.50)

ただし、93.50を明瞭に割り込むまでは、上限101.50程度、下限93.50程度の「ボックス相場」が続いている状態だ。

だから、94円台前半から93円台後半あたりは、「ボックス相場」の下限近辺であり、テクニカル(チャート分析)では「買い」のゾーン。

93.50を明瞭に割り込む場合は、「売りのシグナル」となる。

(2009年06月28日東京時間23:10記述)

第260回 今週のドル/円

今週になって、6月22日(月)のドル/円は、96円台前半から95円台後半での小動きに推移していたが、ニューヨーク株式市場では、ダウ平均が200ドル安となり、米株安を理由に、ドル/円の上値が重かった。

ニューヨーク市場がクローズ後のシドニー市場で、東京市場が始まる前に、(=東京市場のオープンする朝9時前に、)[95.40-50]水準にあったストップ・ロス(=ドル売り円買い注文)を付けた。

それまでの(直近の)安値は、95.50だったので、安値を更新した辺りに、すなわち、[95.40-50]水準に、ストップ・ロス(損切りのドル売り円買い注文)が集中していたようだ。
安値更新にストップ・ロスが集中するのは、当然のこととして、理解いただけるだろう。


俯瞰してみれば、(もう少し、大きな目で見ると、)ドル/円は、上限101.50程度、下限93.50程度の「ボックス相場」が続いている。

下限93.50程度を、下に割り込む場合は、「ヘッド&ショルダー」の変形が完成する。

上記ボックスの上限と下限の値幅分は、約8円。
(101.50-93.50=8.00)

「ヘッド&ショルダー」の変形が完成する場合は、下限から、その値幅分(=約8円)、下落したところがターゲットになる。

だから、「ボックス相場」の下限93.50程度を、下に割り込む場合は、ターゲットは、85円台ミドル程度になる。
(93.50-8.00=85.50)

ただし、93.50を明瞭に割り込むまでは、上限101.50程度、下限93.50程度の「ボックス相場」が続いている状態だ。

だから、94円台前半から93円台後半あたりは、「ボックス相場」の下限近辺であり、テクニカル(チャート分析)では「買い」のゾーン。

93.50を明瞭に割り込む場合は、「売りのシグナル」となる。


個人的には、上記ボックスを下に抜けるパターンを期待しているが、思惑を持たずに対応するのならば、94円台前半から93円台後半あたりで、「いったんのドル/円買い戻し」。

93.50を割り込んだならば、[93.20-40]程度で、改めて、新たなショート・ポジション(ドル/円の売り持ち)を作る。
そういった戦術がセオリーだろう。

昨日(6月24日)のFOMCにも触れておこう。
昨日(6月24日)のニューヨーク市場は、FOMCの発表絡みで、その発表直後に大きく乱高下した。
その声明文に多少の変化があったので、マーケットは反応したのだろうが、結局のところ、ドルの短期金利は、「0ないしは0.25%」のまま、据え置かれた。

個人的には、米国経済は悪いままであり、なんら特段の変化は無い、と考える。
FOMCのメンバーが、多少の変化を認識した程度で、(だから、声明文に多少の変化があった)まだ、具体的にドルの短期金利をいじれる状況にない。

第259回 BRICs各国の米ドル離れが加速

FX取引に影響を与えそうな重要な会議が2009年6月16日、ロシア・エカテリンブルクで開催されました。
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)4カ国による初の公式首脳会議です。

この首脳会議でロシアのメドベージェフ大統領は準備通貨に関する問題を議題として取り上げました。
共同声明には盛り込まれていないために、詳細な合意内容はわかりませんが、要するに「米ドルに対して不信任を突きつけた」ということでしょう。

今回のBRICs会議に限らず、誰もが現在の基軸通貨制度、準備通貨制度に問題があることに気がついています。
しかしこの問題を突き詰めていくと「国富を何で蓄える」のかという根源的な問題にたどりついてしまい、明快な答えが出せないのです。

基軸通貨は英ポンドから米ドルへ

簡単に通貨の歴史を振り返ってみましょう。
昔は世界共通の通貨は金(ゴールド)でしたが、重くてかさばり、決済に利用するには不便でした。世界各国は共通して利用できる基軸通貨を求めていました。

最初の基軸通貨は英ポンドでした。産業革命によって覇権国家となった英国は、世界中から得た富を金で備蓄して金本位制度を採用、英ポンドを金と交換できる兌換券としたことで信認を得たのです。

その後、没落した英国に代わって米国が覇権国家となり、為替相場の安定を図るために1945年に発効したブレトン・ウッズ協定により、米ドルが基軸通貨の地位を得ました。
その信用の裏には、やはり金本位制度がありました。

しかし1971年にニクソン・ショックによって米国は米ドルと金の交換を停止してブレトン・ウッズ協定は崩壊、1973年に変動相場制に移行したのです。
米国も発行量が膨らんだ通貨を裏付ける金を保有できなかったのです。

ドルの潜在的な不信任はドル安材料

現在、国富を備蓄する方法としては米ドル、金、IMF(国際通貨基金)によって創られた国際準備資産であるSDR(特別引出権)があります。
しかしどれも完全ではなく、各国はそれらで国富を備蓄することに漠然とした不安を抱いています。
あまり指摘されていませんが、現在の金価格の上昇、原油価格の上昇は、(潜在的なインフレ懸念もありますが)その不安心理の表れと解釈できます。

以上のことを踏まえてFX取引では、
(1)「ドルの潜在的な不信任」はドル売り材料。
(2)「金や原油などのモノの価格の上昇」はインフレ懸念を強める。
 という二つのことを考慮して作戦を立ててください。

第258回 金融庁が今夏に導入を予定しているFX規制とは?

金融庁はこの夏をメドにFX取引に対して新たな規制を実施しようとしています。
自由な市場に過度の規制をかけることは好ましいことではありませんが、今回の規制の内容を見る限りは概ね妥当と評価できるでしょう。

レバレッジは25倍までにとどめる

多くの投資家が気にしている規制はレバレッジ規制でしょう。
金融庁は高レバレッジのFX取引について、
(1)顧客保護(ロスカット・ルールが十分に機能せず、顧客が不測の損害を被るおそれ)
(2)業者のリスク管理(顧客の損失が証拠金を上回ることにより、業者の財務の健全性に影響が出るおそれ)
(3)過当投機
の観点から問題があると考えています。

そこで今夏(予定)にレバレッジ規制に関する内閣府令を公布して1年の準備期間を経て規制を実施する計画です。
ただその時点ではレバレッジを50倍(想定元本の2%以上の証拠金の預託)にとどめ、公布から2年後に25倍(想定元本の4%以上の証拠金の預託)とすることを目指しています。

現在提供されている200倍、400倍という水準から見れば25倍は低いように映るかも知れませんが、FXを投資の範囲にとどめておくためには妥当な数字でしょう。

ロスカット・ルールを遵守する

金融庁は「FX取引に係るロスカット・ルールの整備・遵守を義務付けること」も求めています。
相場が極端に変動すると、ロスカットが間に合わずに預けた証拠金以上の損失が生じることがあります。
これはプロの世界ではやむを得ないこと認められていますが、金融庁は個人投資家保護の観点から認められないと考えているのでしょう。
そこで「整備・遵守を義務付け」ようとしているのです。

しかしそのためにはレバレッジ規制が必要になります。
高レバレッジの時ほどロスカットが間に合わない状態が生じやすくなるためで、レバレッジ25倍規制と整合性がとれています。

投資家に不利な事項も説明する

「スプレッド(売値と買値の値幅)または手数料が特に低い取引での留意事項の明示」についても投資家保護を目的としています。
諸々の費用が必要になることを明確にせずに手数料ゼロ、狭いスプレッドだけをPRして投資家を呼び込んでいる業者、狭いスプレッドを売りにしながら実際には頻繁にスリップページが起こって予想外の値段で約定させている業者が存在すると金融庁は見ています。
そこで投資家に不利になる留意事項をはっきりと説明しなさいということです。

外国為替市場の取引値段は地合によって変わるもの。
市場が静かな時は96円20銭(Bid:買値)-21銭(Offer:売値)のようにスプレッドが狭くても、荒れてくると「20銭-30銭」というように広がるのが当たり前です。
そのため一概に「20-21」が良い値段で、「20-30」が悪い値段と決めつけることはできないし、またスプレッドを固定することもできません。
もし本当に固定しているのならどこかに無理が生じていると考えるべきでしょう。
投資家のほうも業者の言い分を鵜呑みにせずに常識で判断すべきです。

投資家の資金は分別管理する

「FX取引の区分管理の方法を金銭信託に一本化」は、投資家が預けている資金を信託して自社の資金と分別管理せよということです。
業者としては信託にかかる新たなコストを負担しなければなりませんが、このような投資家の資金保護の仕組みは他の業界では行われていること。
FXを投資商品としてより広く普及させるためには必要な措置と言えるでしょう。

第257回 米国長期金利の上昇は、ドル買い材料ではない

米国最大手自動車企業『GMの破綻倒産』も、「ドル売り材料」にならなかった。
その前の、『クライスラーの破綻倒産』も、「ドル売り材料」にならなかった。

6月5日(金)に発表された「米国失業率(米国雇用統計)」が、「ドル売りのきっかけ」になる可能性も、十分にあり得る、と注意を払っていたが、そうはならなかった。

6月5日(金)の「米国失業率(米国雇用統計)」は、内容としては、ドル売りでも、ドル買いでもなく、ニュートラル(売り材料、買い材料が、相互に否定し合って、プラスマイナスゼロ)と考えます。

米国失業率は、事前予想が[9.2%]、実際に発表された数値は、[9.4%]。大幅な悪化となった。(前回の失業率は、[8.9%])

ところが、NFP(非農業部門雇用者数)は、事前予想が[マイナス52万人]に対して、実際が[マイナス34.5万人]。
事前予想よりも、大幅に良かった。(マイナスが少なかった)

それで、マーケットは「ドル買い円売り」に反応した。

しかし、個人的には、変な反応だ、と奇異に感じている。
私は、この数値を、ニュートラル(=ドル/円で、売りでも買いでもない)と判断する。

しかし、マーケットが「ドル買い円売り」に動いたことも事実だ。
だから、予想外の値動きになった、と考えている。


次の材料が、何になるのか、現時点では、判断できませんが、米国債の金利(長期金利)が上昇していることが、気にかかります。
米国債の金利(長期金利)は、ドルの長期金利と言い換えることができます。

「ドルの長期金利の上昇」を、単純に、「ドル買い材料」に考える市場参加者が多いのですが、実は、「ドルの長期金利の上昇」は、イコール「米国債の下落」であり、それは、米国に対する信認がゆらいでいることでもあります。

その様に考えると、「ドルの長期金利の上昇」は、「ドル売り材料」となります。

そう言うと、「ドルの長期金利の上昇」は、『「ドル買い材料」なのか、「ドル売り材料」なのか、はっきりしてくれ!』といった意見、反論が、必ず、出ますが、マーケット(金融市場)のコンセンサス(セオリー)を知る(勉強する)しか、対応方法がありません。

米国債(特に、長期債)が、暴落するようならば、ドルの長期金利は上昇しますが、その場合は、為替の「ドル売り材料」となる可能性が高い、と考えています。

金利に関しては、どこかで、改めて、解説したい、と考えています。

(2009年06月15日東京時間07:45記述)

第256回 初心者に適したレバレッジは何倍まで?

最近、金融庁の新たな規制で話題になったレバレッジを取り上げます。

初心者に適したレバレッジは何倍まで?

FXの魅力のひとつがレバレッジです。
レバレッジをかけることで、少額の資金でも大きな取引ができ、読みが当たれば大きな利益が得られる可能性があります。

ここまでは理解していても、大きな取引をして大きな利益を狙うということは大きなリスクを背負うことに気がついていない投資家が多いようです。
知識として「ハイリスク・ハイリターン」という言葉を知っていても、ハイリスクの怖さ、レバレッジの怖さが「体で分かっていない」という表現が正しいのかも知れません。

レバレッジは「どうしたいのか」で決まる

では「初心者に最適なレバレッジは何倍でしょう?」
よく質問されるのですが初心者用レバレッジは△倍まで、上級者用レバレッジは△倍以上というような基準は存在しません。

何倍のレバレッジが最適なのかは、投資家が大きなリスクを取ってでも大きな利益を狙いたいのか、堅実に増やしていきたいのか、つまり「どうしたいのか」によって決まります。

例えば投資資金の100万円を銀行に1年間預けても1万円の利息ももらえないからFXを始めたい。
5万円の利益が得られれば十分というのなら、レバレッジを1倍にしてコツコツと利益を積み上げていけばいいでしょう。
仮に失敗しても致命的な損失を被ることはまずないでしょう。
レバレッジには「使わない」という選択肢もあるのです。

でも100万円の元手を1年間で2倍にしたい、3倍にしたいというのであればレバレッジに頼るしかありません。
でもそこには全額を失うかも知れないというリスクも存在します。

FXをギャンブルにしない

100万円失うとショックが大きいけれど1万円ならガマンできる。
だから1万円に思いっきり大きなレバレッジを掛けて一攫千金を狙う。
負けてもレバレッジの勉強になる――そんなふうにFXを一か八かのギャンブルとして捉えている投資家もいますが、この考え方には賛成できません。
1万円に高い倍率をかけて勝負すると1度や2度勝てても最後には必ず負けるし、レバレッジの勉強にもなりません。
必ず負ける取引はするべきではありません。

10万円の資金しかないから、最初のうちは高いレバレッジを掛けて短期間で資金を増やし、徐々にレバレッジを下げていく――この考え方にも賛成できません。
最初の段階で10万円を失う可能性も十分にあります。
「10万円の資金しかない」というのなら、そのお金は大切にして、他の安全性の高い金融商品で増やしたほうがいいと思います。

FXは投機ではなく投資です。
100万円、200万円のまとまった資金を用意して投資のスタイルで臨むべきです。

「適正なレバレッジは何倍か?」

あえて答えるのなら最大でも10倍。
通常は3倍から5倍もかければ十分でしょう。
プロの世界では何十倍、何百倍のレバレッジをかけた取引が当たり前というイメージがあるかもしれませんが、通常は5倍程度で取引をして、勝負どころで10倍程度に上げる、その程度でしょう。

ちなみに、資金量が豊富な機関投資家などのプロのファンド・マネジャーの場合、レバレッジを使う必要がありません。巨額の資金(少なくとも1000億円単位)の運用をする場合は、レバレッジの概念はいらないのです。

第255回 スワップポイント

スワップポイントは通貨間の金利差

スワップポイントは通貨同士の金利差のこと。
金利差は単純に高金利通貨の金利から低金利通貨の金利を差し引いたものではなく、少し複雑な計算式に基づいて算出します。
金利差が大きくなればスワップポイントも大きくなり、金利差が小さくなればスワップポイントも小さくなります。
スワップポイントを便宜上スワップ金利と表現することもありますが、本来は、正しい言葉ではありません。

主要通貨の金利低下により金利差も消滅

ここでは日本円と外貨の通貨ペアを例に解説します。
かつて円の金利と、米ドルなど外貨の金利との間に大きな差があった時期は、円を外貨を転換して外貨を保有すればスワップポイントが得られました。
しかし今は米ドル、ユーロ、英ポンドなど世界の主要通貨の金利が低下して円金利との差がほとんど無くなったため、スワップポイントを目的とした取引は事実上成り立たなくなっています。

新興国の高金利は高リスクを反映

では、現在も高金利の新興国通貨はスワップポイントを目的とした取引に向かないのでしょうか?
金利はその国のインフレ水準を表しています。
金利が高いほどインフレ率も高く、インフレ率の高い通貨はいずれ暴落します。

ここ2、3年の間にオーストラリアドル(豪ドル)やニュージーランドドル(NZドル)、南アフリカランドのような高金利通貨は暴落しました。
例えば豪ドル/円の為替相場は2007年の100円台から2008年の55円台へ、NZドル/円は同じく95円台から45円台へ、わずか1年間で半分になりました。
そのため豪ドルやNZドルを買って高いスワップポイントを得たとしても、円に戻した時に為替差損が生じて収支は赤字になったはずです。

スワップポイントはおまけと割り切る

当分の間、主要国通貨間で大きな金利差が生じることはないでしょうが、仮に金利差が生じたとしても、スワップポイントにこだわった取引はおすすめできません。
スワップポイントは「おまけ」みたいなもので、スワップポイント狙いでポジションを立てることはFX取引の本道とは言えません。
また高金利通貨を売ればスワップポイントを支払わなければなりませんが、それはコストと割り切るべきで、スワップポイントを支払うのがイヤだからポジションを立てないというのも本末転倒といえるでしょう。

第254回 相場は、『誰にとっても』難しい

本当に、不思議なもので、相場は、『誰にとっても』難しいものです・・・。

ブルとベアしかいない、二者択一なのに、
---「休むも相場」を含めて、三者三様でも良いのですが・・・---
誰にとっても、上手く行かない・・・。

いったい誰が、上手く行っているのだろう?
誰しもが、そう思うものです。

それは、「方向性」だけでなく、
---相場が上がるのか?下がるのか?だけでなく、---
その「振幅(値幅)」がどれ程であるか?
---どれ位上がるのか?どれ位下がるのか?---
という問題があるからなのでしょう・・・。

個人的には、この「振幅(値幅)」に関しては、平素は考えないようにしています。
---それは、難しいので、残念ですが、個人的には、最初からあきらめています・・・。---

また、「タイミング(時間)」の問題もあります。
---「いつ」から、動き出すのか?
  そして、「いつ」終わるのか?---

---これも、難しいので、残念ながら、個人的には、最初からあきらめています・・・。---


だから、「トレンド」で戦うつもりでいます。

---しかし、「程々の」振幅で、「程々の」タイミングで来られると、全くもって、難しいものです。---

ただ、あきらめなければ、「方向性」で戦うことが、「王道」です。
最終的には、そこに戻ってきますから。

そうは言っても、難しい相場は嫌なものですよネ・・・。
致命傷を負わなければ、最終的には勝てるはずですので、頑張りましょう!!

第253回 指標は「4つ」あれば十分

本日(6月1日)は、GMの処理で、話題は持ち切りになるでしょう。
それでも、この件に関しては、本日(6月1日)のニューヨーク市場の時間帯に実施されるオバマ大統領の声明の内容を聞かなければ、最終的には判断できないことです。

無論、オバマ大統領の声明の内容は、『今後も米経済の回復に最大限の力を注ぐ』、そういった内容に決まり切っていますから、『それを、マーケットが、どう評価するのか?』となります。
やはり、ニューヨーク市場を見なければ、答えは出しにくい、と感じます。

指標は「4つ」あれば十分

個人的な経験則に過ぎませんが、マネーの動きをつかむときに、私が指標にするのは、実は、ただの四つくらいしかありません。
「為替」・「株」・「金利」・「物価」です。

この四つを大きく読む。
その上で自分なりの指標化をしていきます。
そしてこれからの動きを見ると、答えはこうなります。

為替(ドル/円)は、言ってみれば「ドル安円高トレンド」です。
まだ、明確なトレンド転換のシグナルがありません。
(2007年6月に付けたピーク124円台から、ドル/円は、下落トレンドにあります。)

それ(明確なトレンド転換のシグナル)が無い以上は、それまでのトレンド(=ドル安円高トレンド)が、継続している、と判断する。それがセオリーです。

株(日本株)は、いま下がったりしていますが、基本的には上昇と見ています。
昨年から今年の前半の値動きで、すでに底値を付けたのかは、いまだに確認はできませんが、少し大きな目で見ると、日本株(日経平均)の5000円台は、もう考えなくとも良いのだろう、と見ています。
今後、相場の地合いが良くなれば、すでに日本株は底打ちをしているという声が出てくるでしょうし、本当に、その可能性も出てくるだろう、と見ています。

たとえば、今後、日経平均が1万円台を回復する地合いになれば、『日本株は、すでに、底値を付けている』といった声が上がってくるだろう、と考えています。

しかし、本日(6月1日)のニューヨーク市場で発表されるGMに関してのオバマ大統領の声明などで、米国株式市場に失望感が広がれば、米国株式の影響から、日本株式に関してもペスミスティック(悲観的)になるでしょうから、その場合は、日本株の上昇期待感は先送りされることになるでしょう。
しかし、上述の通りに、とんでもなく悲観的になる必要はない、と見ています。

物価も上昇と見ます。
資源関連の上昇が、目立たないように進んでいます。このまま目立たない状態のままならば良いのですが、注視するべき、と考えています。
昨年の資源高騰で、特に、石油関連は衆目を集めました。
それと比べれば、現在の資源関連の価格上昇はおとなしいように感じてしまいます。
それで、あまり話題に上らないのですが、注視しておくべき材料と考えています。

円金利も上昇と見ます。
円金利に関しては、これ以上の下げは、物理的にできません。外需の減少から日本も不況ですから、すぐに上昇することはないでしょうが、円金利に関しえては、これ以上の下げはないのですから、いずれ上昇と見ます。
円金利に関しては、量的緩和は、もう、考えなくとも良いのだろう、と見ます。

ドル金利は現時点では低下です。ドル金利(短期金利)に関していうならばそれほど上昇はしない、と考えています。
ドルの長期金利に関しては、要注意だ、と考えています。
ドルの短期金利が低いままで、長期金利だけが上昇する可能性はあります。(現在は、若干、その傾向があります。)
この状態は、米国の信認が揺らいでいる状況ですから、このパターンが持続する場合は要注意です。

以上のように考えています。

為替(ドル/円)は、順当に考えるならば、少なくとも、2009年の夏、秋ごろまではドル安円高傾向が続くでしょう。

それ以降も、この傾向は続くだろう、と考えていますが、今、現時点(2009年6月上旬の時点)で、それをあてる必要はない、と考えます。
今は、夏休み前の、真剣にマーケット(相場)に臨む時期(シーズン)です。
(夏休みは、7月の米国独立記念日がスタートです。)
秋、冬のことは、夏休みに考えれば良いことです。

(2009年06月01日東京時間03:00記述)



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