第227回 ドル/円の『ダブル・ボトム』

一昨日(2月24日)の東京市場で、ドル/円が95円台にしっかり乗せた。
このところのドル/円の高値は、94円台ミドルで、年初に付けた、[94.60-70]レベルに届かずにいた。
 上限が、[94.60-70]レベル、下限が[87.00-10]レベルの「ボックス相場(持ち合い相場)」が続くのではないか、と考えていたのだが、2月24日の東京市場で、チャート・ポイントであった[94.60-70]を上に抜け、ドル/円は95円台に上昇した。

ドル/円のショート派(ドル売り円買い派)は、いったん便宜上の損切り(ロス・カット)を敢行するべきだろう・・・、と、考える。

テクニカル(チャート分析)では、いわゆる『ダブル・ボトム』を完成した。
 94.80を上に抜けた時点で、『ダブル・ボトム』を完成している。
だから、この時点で、テクニカル(チャート分析)では、「ドル買い円売り」のシグナルが点灯している。

しかし、ドル/円のロング(ドル買い円売りポジションを持つこと)は、個人的には、取りたくない。大きなトレンドでの「ドル安円高」は、まだ転換していない、と考えるからだ。

2月24日の東京市場で95円台に乗せたのに、すぐに急騰しなかったのは、ドル/円のショート派(ドル売り円買い派)の損切り(ロス・カット)も出ているが、95円台を売りたいという実需のドル売り(大手輸出企業のドル売り)も、大量に出ていたからだ、と考えている。

2月24日は、ロンドン市場で、もう一段の「ドル買い円売り」が出て、95円台ミドルまで上昇、そして、ストップ・ロス・オーダー(損切りのドル買い円売り)を巻き込み、96円台に、さらに上昇した。
 2月24日のニューヨーク市場では、96円台に乗せてから、さらに断続的なストップ・ロス・オーダー(損切りのドル買い円売り)を巻き込み、96円台後半に急騰している。

昨日2月25日の東京市場では、ドル/円は、97円台に乗せた。

テクニカル(チャート分析)で、いわゆる『ダブル・ボトム』を完成した場合は、ダブル・ボトムの上限と下限の値幅分(今回のケースでは、約7円50銭)、さらに上昇したポイントが、ターゲット(目標値)となる。
つまり、[94.70-80]レベルから、約7円50銭上昇したところ、すなわち、102円程度がターゲットになる。

テクニカル(チャート分析)では、そうなるが、現在の米国の経済状況、米国株式市場の下落、大手米銀の国有化の問題や、ビッグ3の問題などなどを考えると、個人的には、とてもではないが、「ドル買い円売り」では、ポジションを取りたくない。

次に、やるべきことは、どこで、ドル/円のショート(ドル売り円買いのポジション)を作るか、ということだ、と考えている。

第226回 日経平均株価

読者の方からご質問のメールを頂きました。

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From ******
To 松田哲

日付 2009/02/20 19:46
件名 いつも拝見させていただいております。


為替の方はいつも明瞭な解説でいつも参考にさせていただいております。

さて今回の質問は株なのですが、
昨年10月当面の底を打ったかに見えた株も、
目新しい材料もなくだらだらと下げ再び底抜けしそうな水準になってきました。

昨年松田様は株は長期保有とおっしゃられていましたが、
為替相場の見方と同じく、
株の方も見方は変えていらっしゃらないのでしょうか?

今年再び底抜けるとしても再び買い続けますか?

そういった意味では為替はトレンドに逆らわず、
株は逆張りするという真意はどこにあるのでしょうか?

よろしくお願いいたします

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From 松田哲
To ******

日付 2009/02/20 21:52
件名 Re: いつも拝見させていただいております。


基本的には、私は、自分の専門領域を、外国為替と思っています。

しかし、株の値動きと、為替の値動きには、関連が出る場合があります。
例えば、
現在は、米株が下落すると、ドル円、クロス円が売られる、といった現象です。

だから、株式も、見ています。

ただ、それらの関連した値動きは、単なる流行ですから、
米株が売られると、ドル円、クロス円が売られる、といった現象が、
未来永劫そうであることはありません。

株式相場と為替相場は、決まりきった関連性はありません。
はっきり言えば、その時その時の「流行」に過ぎません。
私は、そう判断しています。

株式に関しては、
『基本的、最終的に、上昇すること』が、本来のトレンドです。

お金には、利息(金利)が付きます。

今、世界的な低金利競争になっていますが、
今後、超低金利時代があっても、
いずれ、また、金利が上昇するときがくるでしょう。

金利が存在する以上は、クリーピングなインフレは起こります。

世界中の国々は、穏やかなインフレ政策を採っています。
そして、インフレ政策を採る以上は、
株価はそのインフレの度合い程度に上昇するのが当然です。

しかし、為替は、2国間の通貨の交換比率の問題です。
だから、ファンダメンタルズ、金利、さまざまはことが変動要因になりますが、
『基本的、最終的に、上昇する』
『基本的、最終的に、下落する』
これらのことは、断定できないのです。


株式の場合は、各国が、インフレ政策を採る以上、
株価は基本的には上昇トレンドです。

もちろん、今回のように、世界の株価が調整下落する場面も当然にあります。

しかし、それでも、日経平均の6000円台、7000円台は、
長期で買っておけば、それほど危険ではない、と考えます。

それは、値ごろ感に過ぎませんが、
為替の場合とは違って、
景気が回復すれば、株価は基本トレンドが上昇ですから、
10000円を回復していく、と考えます。

現状では、日経平均の、4000円台や3000円台は、想定できません。

まだ、下落することもあろうかと思いますが、
日経平均の安値は、6000円台が、良いところではないか、と考えます。


為替には、長期投資のスタンスは間違いですが、
株式投資の場合は、5年、10年といった投資は、
間違っていない、と考えています。

松田哲、拝

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第225回 『便宜上の損切り』も売買テクニック、それは、資金管理

今週のドル/円は、G7後の失望感から、週初はドル売り気配で始まったが、91.00を割り込むことが出来なかったことから、ドルじり高に推移している。

中川財務大臣の辞任の影響も、「円売り」の材料となった、と考えている。


今週の前半は、91円台前半から92円台後半での上下動を繰り返していたが、昨日(2月18日)のニューヨーク市場で93円台に乗せた。

93円台に乗せると、ショート・ポジション(ドル売り円買いのポジション)の「損切り」を誘発し、一気に93円台ミドルに急上昇している。

現時点(2月19日東京市場午前)での高値は、昨日(2月18日)のニューヨーク市場で付けた93円台後半(93.90‐95レベル)だが、まだ、予断を許さない。

さらなるストップ・ロス(損切りのドル買い円売り)が出るのか?
まだ、当面の高値を探る状態が続いている。

しかしながら、大きなトレンドでは、「ドル安円高」に、変化は無い、と考えている。

トピックとしては、GM、クライスラーの再建計画が提出されたが、米政府から支援の融資が行われるのか、混沌としている。
米政府からの融資が無ければ、米国の大手自動車企業の倒産につながる。

こういったドルにとって、負の要因が存在し続ける間は、「ドル安円高トレンド」が、「ドル高円安トレンド」に転換することは、考えにくい。


しかしながら、ドル/円に関しては、引き続き、「ドル安円高トレンド」だと考えているが、相場は、一気に一方方向に動くとは限らない。

別な言い方をするならば、「ドル安円高トレンド」であっても、今回のように、リバウンド(反転上昇)する場面がある。

このような場合に、『いったんの(便宜上の)損切り』を敢行することもテクニック(売買の技術)だ、と考えている。

大きなトレンドが「ドル安円高トレンド」であっても、コスト(持ち値)の悪いドル/円のショート(ドル売りポジション)は、便宜的に、いったんの損切りを行い、改めて、ドルの売り場を探すことも作戦だ、ということ。

こういった資金管理の方が、実は難しいが、実際の相場では、役に立つ。

今のところ、このドル/円の上昇は、ポジション調整によるもので、上昇しても、このところの高値である94円台ミドル程度(94.60-70レベル)が上限だろう、と考えているが、この上限を上に抜けていく場合は、ドル/円のショート(ドル売りポジション)は、いったん損切りを敢行する方が良い、と考えている。

すなわち、ドル/円のショート派は、95円台に乗るようならば、いったんの損切りを敢行する、と考えて、ストップ・ロス・オーダー(損切り注文)を、[94.80-95.30]のゾーンに入れておく必要がある、と考えている。

もし仮に、そのストップ・ロス・オーダーが付いたとしても、基本的な「ドルの売り場探し」のスタンスには、変化が無いだろう、と、考えているが、95円台があるようならば、相場全体を見直すべきところだろう。

このところの高値である94円台ミドル程度(94.60-70レベル)が上限の場合は、「ボックス相場」の上限までのリバウンドであり、相場全体を見直す必要は無い、と考えている。
(2009年2月19日東京時間9:00記述)

第224回 相場変動に強くなる術?

G7後なのですが、せめて、週明け月曜日のロンドン市場をみてみないと、何とも言いようがありません。
G7の内容は、事前の予想の範囲内で、何も目新しいことはない。
G7前には、期待感があったが、このG7で、そういった期待を満足させる内容では全く無い、と考えています。
むしろ、米ゼネラル・モーターズ(GM)と全米自動車労働組合(UAW)の労働条件の改定交渉が決裂したことの方が、影響が大きいのかもしれない。

今後も、まだ、難しい相場が続きそうだ。

『FX投資の心構えで、相場変動に強くなる術を教えてください。』
と、質問を受けた。

 『池波正太郎の時代小説「鬼平犯科帳」を読んで人情の機微、弱者の気持ちを学んではいかがでしょうか?』
その質問に、そうお答えしました。

 決して、いい加減にお答えしているのではありません。
 過去にも、相場に強くなるための本に、「鬼平犯科帳」を何回か推奨しています。


 私たちが外貨投資を始めようとするとき、手持ちの円で米ドルなり、ユーロなりの外貨を買おうとする。
日常の商取引では消費者である私たちは、円を渡してモノを買うのが当たり前の行為だから。
「その延長線上で手持ちの円で外貨を買うというイメージにとらわれているから、多くの人達が、外貨買い円売りから入る傾向がある。

それでも2007年の夏ころまでの円安局面では、イメージと為替相場が一致していたので儲かった人が多かった。
ところが、2007年秋以降、現在に至る円高局面では、『手持ちの円で米ドルなり、ユーロなりの外貨を買おう』とイメージした人は、損失になっている。
円高局面では、外貨を売って円を買わなければ儲けることができません。

 こういった基本的な事柄が理解したうえで、池波正太郎の時代小説「鬼平犯科帳」がFX取引に役立つという話へ戻しましょう。

「池波さんは鬼平を通じて人情を描いています。人間のいちばん弱い部分を描くことで共感を呼び、ホロリとさせる。だから読むと弱い人たちの気持ちが、人情の機微がわかるようになります。」

 ゆえに弱者をいたわれなんていう結論ではない。
誤解のないように付け加えれば、ここで取り上げる弱者とは実社会の弱者ではなく、自ら飛び込んでいく相場の世界の弱者のことだから。

「相場の世界では弱い人が負けます。言い換えれば、相場は弱者が負ける方向へ動きます。みんなが〝こちらの方向へ動くとイヤだな〟と思う方向へ動いていく。そこで弱者の気持ちがわかれば、相場の動く方向がわかることになります。」

逆の表現をすれば「相場がこちらの方向へ動くとみんなイヤだろうな、ということがわからないと勝てません。相場は人情の機微がわからないと次の動きが読めません。その意味で鬼平を読むと勝てるようになると思います。」


 別のところで、『ストップロスオーダーを決めても、つい動かしたくなってしまう。どうすれば良いでしょうか?』と相談されたことがあります。

『滝に打たるとか、座禅をすると、強くなれます。』
と答えました。

これも決して、いい加減に、揶揄して答えたわけではありません。
『つい動かしたくなる心』をなくすには精神修行をして克己心を鍛えるしかないからです。

 相場は冷酷だから、甘い心で臨むと完膚なきまでに叩きのめされる。逆もまたしかりです。
「勝つときは徹底的に勝つこと。途中で気を抜くと逆襲されますから。」

(2009年2月16日東京時間01:24記述)

第223回 誰にとっても、マーケットは難しい

 外国為替取引で、継続して利益を得るのは容易なことではありません。
 別な言い方をすれば、外国為替相場を読み、それに対応していくことは、決して簡単なことではないのです。
「こんな相場は簡単だ!」と油断したときに限って、往々にして致命的な大損をすることがあります。
 相場をなめると、こっぴどくやられます。うまくいっても、いかなくても、謙虚な気持ちで臨むことが大切なのです。

相場では「絶対がないこと」が絶対です。

「絶対に[100.00]を割れることはない!」
「絶対に[150.00]を割れることはない!」
「絶対に[80.00]を割れることはない!」

 さまざまな通貨ペアで、それぞれに、『絶対に[100.00]を割れることはない!』こういった意見(コメント)を耳にすることがあります。

 しかし、こういったコメントは、根拠があるようで、実はまったくない、ただの希望的観測に過ぎません。

 こういった、相場に対してさまざまな考えを持つことを、「思惑(おもわく)」と言います。
つまり、理由は何でもいいのですが、ドル/円が上がるだろうとか、下がるだろうとか、あるいは、ユーロ/円が上がるだろうとか、下がるだろうとか、考えることを「思惑」と言います。

ですから、何かしらのことを理由に、先行きの相場の見通しを立てることを「思惑を持つ」と言います。

残念なことに、なかなか相場は思惑通りに動いてはくれないものです。これは不思議なのですが、誰にとっても思惑通りには、ならないものなのです。
 相場で「買い方」が外れたら、「売り方」が勝っている、と誰でも考えることでしょう。ところが、資金管理がうまくいかなくて、「売り方」も負けていた、といったことが往々にして起こっています。

こういったときに、まったく相場は思惑通りにはならないものだ、と発見します。
 そういった意味で、相場に「絶対」はないのですが、いい加減な売買では「絶対に」勝てないことも真実なのです。
 本当に、いつ、何が起きても不思議ではないのが相場です。

オバマ新政権が、新政策を発表しましたが、マーケットはさほどの反応をしていません。
このことは、オバマ大統領や、ガイトナー財務長官にとって、思惑を外したのでしょうか?
実は、思惑どおりなのかも知れません。
この程度では、マーケットを納得させることは出来ない、それくらいは、ガイトナー財務長官は知っているでしょうから。

誰にとっても、(新政権にとっても、)マーケット(広く一般に金融市場)は難しいものである、と言えます。

第222回 変動相場制度の自動調整機能には限界がある

 国と国の間での貿易や金融取引の決済に使われる通貨のことを、「基軸通貨」とか「国際通貨」と言います。

「国際通貨制度」について、お話しします。
歴史的に見ると、国際通貨制度の基準になったのは「金(Gold)」です。
金の保有を通貨の価値基準とする制度を「金本位制」と言います。金を多く備蓄した経済力の強い国の通貨が、基軸通貨として使われてきました。
 19世紀にはポンド(GBP)が、20世紀になるとドル(USD)が、基軸通貨として使われるようになります。

 金本位制のもとでは、各国の通貨が、金と一定比率で交換されます。つまり、金を介在させる「固定相場制度」です。
金本位制での固定相場制度は、通貨の裏付けとなる金の備蓄が前提です。

ところが、20世紀後半になると、財政難から英国や米国は、金本位制を維持するだけの金を保有することができなくなりました。

 その結果、金本位制での固定相場制度から、現在の「変動相場制度」に移行します。

 変動相場制では、通貨の交換レート、つまり外国為替レートが、マーケット(外国為替市場)の売買によって決まります。
 変動相場制とは、マーケットで取引される通貨ペア(二種類の通貨)の交換比率(為替レート)を、一定比率に固定せずに、マーケットの需要と供給によって、自由に変動させる制度(システム)です。

 変動相場制が採択され、制度が移行した当時、変動相場制は各国間の貿易不均衡を自動的に調整する機能を持つ、と考えられていました。

 たとえば、米国の対日貿易赤字が拡大すると、それは、日本の輸出額が増大していることですから、日本からの「ドル(USD)を売って円(JPY)を買う」といったニーズが強くなります。

「ドル売り円買い」が増えるのですから、結果として「ドル安円高」の圧力が強くなって、ドル/円(USD/JPY)の為替レートが下落します。
そして、「ドル安」になれば、米国製品の輸出が増加し、「円高」によって日本製品の輸出が減少して、米国の対日貿易赤字は解消されるだろう、といった理屈です。
 しかし、現実の世界経済では、こうした自動調整機能はうまく働きませんでした。
 つまり、各国通貨間の為替レートは、必ずしも、貿易収支を均衡させる機能を果たしていない、ということです。

 各国通貨間の金利差が外国為替相場に大きな影響を与えるなど、さまざまな為替変動要因が複雑に働いているため、為替レートが予想以上に不安定になることがあります。
 しかし、そういった欠点を抱えながらも、主要通貨間の変動相場制は、現在まで維持されています。

もっとも、現在のところは、それに代わる、もっとよいシステムが考え出されていないだけで、今後、考え出されるのかもしれませんが......。

過去、20年以上にわたって、維持されてきた変動相場制度よりも、もっと良い制度が出来るとは、私には、想像がつかないことでもありますが......。

第221回 ポンドの凋落

基本的なユーロ/ドル(EUR/USD)のトレンドは、下落方向で変わらず、と考えています。

また、同様に、ユーロ/円(EUR/JPY)のトレンドも、下落方向で変わらず、と考えています。

 そして、ポンド/円(GBP/JPY)のトレンドも、大きな流れでは、下落方向で変わらず、と考えているのですが、このところユーロ/円(EUR/JPY)とポンド/円(GBP/JPY)の値動きを見ていると、その対応が難しい、と感じます。感覚が撹乱されるからです。

通常は、ユーロ/円(EUR/JPY)とポンド/円(GBP/JPY)は、同じ方向に動くことが多いのですが、ごく最近のマーケット(外国為替市場)では、ユーロ/円(EUR/JPY)とポンド/円(GBP/JPY)が、それぞれ逆方向に動くことがあります。

例えば、昨日(2月4日)の値動きでは、ユーロ/円(EUR/JPY)が下落したのですが、ポンド/円(GBP/JPY)は、むしろ、上昇気味に推移しています。

 今年になってからのユーロ/円(EUR/JPY)とポンド/円(GBP/JPY)の値動きでは、昨日(2月4日)の値動きとは逆に、ユーロ/円(EUR/JPY)が上昇して、ポンド/円(GBP/JPY)が下落するケースも多々見られました。

 通常は、同一方向に動くのに、このところの値動きのように、逆方向に動く理由は、ユーロ/ポンド(EUR/GBP)の値動きの影響からです。

 通常は、ユーロ/ポンド(EUR/GBP)の値動きは、一日あたりの値幅が小さい通貨ペアなのですが、このところのユーロ/ポンド(EUR/GBP)は、一日でも100ポイント、場合によっては、それ以上の値幅で上昇したり、下落したりしています。

 ちなみに、昨日(2月4日)の値動きで、ユーロ/円(EUR/JPY)が下落し、ポンド/円(GBP/JPY)は、むしろ、上昇気味に推移したのは、ユーロ/ポンド(EUR/GBP)が大きく下落したからです。

 このところ急反発していたポンド/円(GBP/JPY)も、最終的には、ユーロ/円(EUR/JPY)と同様に、下落する、と考えているのは、上記の通りなので、ユーロ/ポンド(EUR/GBP)の値動きに振らされること無く、どちらかが大きく跳ね上がったところで、売っておけば良い、と考えますが、感覚が通常とは違うので、どうしてもやりにくい印象です。

ユーロ(EUR)に関しての利下げの思惑や、ポンド(GBP)に関しては、英国金融機関の巨額損失の思惑が、潜在的にある(多くの市場参加者が、それを意識している)のだろう、と考えています。
基本的には、それらの思惑が払拭されることは、すぐには無い、とも思っています。

ユーロの利下げに関しては、利下げが実施されるまで、そういった思惑が、常に残ります。
事前の予想では、ユーロの利下げは、3月になる、というのが一般的です。
だから、それまで、そういった状況が継続する可能性が高い。
今月、利下げが断行される可能性も出てきていますが、トリシェ欧州中銀総裁のコメントからは、3月利下げと考えるのが一般的です。

英国金融機関の信用不安に関しては、くすぶり続ける可能性が高い、と考えています。

こういった信用不安に関しては、明確な発表がなされることが少ない。
わざわざ、自ら発表するケースは少ないので、それは、当然のことかも知れません。
だから、判断が難しいのですが、逆に、『ポンドの凋落から、英国金融機関の信用不安が推測されるのではないか?』と、考えることも出来そうです。

つまり、個人的な感覚・感想に過ぎず、根拠が薄弱なのですが、『ポンドの対ドル、対円での下落は、それ(巨額損失)があることを示唆しているのではないか?』と、考えています。
そう考えると、ユーロに関しても、金利ばかりではなく、ポンドと同様のことが考え得ることになります。
(2009年2月5日東京時間04:25記述)

第220回 チャート分析(テクニカル分析)について

FXでも有効とされるチャートは勝率8割程度の力強いツール(道具)だ、と考えている。

「チャートを見れば、FXで勝てますか?」といったご質問をよく頂く。

「十分に研究して、『チャートの使い方』を誤らなければ、8割程度の確率で勝てるでしょう。」と答えています。
チャート分析では、大きな流れを読むことが一番大切だ、と考えています。

そして、こういった言い方をすると、誤解を受け易いのは十分に承知していますが、『私自身はチャーティストではありません』。
しかし、それでも、チャートは8割方当たると思っています。

 チャートをひと言で表現すると「過去のパターン分析」です。
だから、相場が乱高下しているときには役に立たないこともありますが、パターンに当てはまる動きをしているときは『このパターンが出たら次はこうなる』という予測はある程度当たります。


チャートは「月足→週足→日足」の順に見ていくこと。
ところが、多くの人は日足しか見ず、目先の小さな値動きを追いかけたがる。

20~50銭程度の小刻みで不安定な値動きをフラクチュエーションといいます。フラ
クチュエーションをチャート分析で予測するのは非常に難しい。
もちろん、上がりそう下がりそうという大まかな方向は誰でも『感じる』ことができるのでしょうが・・・。

そこで、チャートを分析するときは、まず、目先の値動きを追わず、月足を見て大きな流れを読むこと。
だから、月足を毎日1回見ることが重要。

こう言うと、「えっ!? 毎月ではなく毎日ですか?」といった反応が多い。

月足チャートを見て、『今日もトレンドは変わっていない』と確認することが大切。
トレンドは、そんなにコロコロと変わるものではない。
大きなトレンドは、通常、2~3年程度から、5~6年程度継続する。
だから、平素の場合は、『今日もトレンドは変わっていない』と確認することになる。

トレンドを見たら次に週足、日足のチャートに進んでポイントをチェックすれば良い。

1時間足から見たり、日足から見るクセがついていると、どうしても、月足を見なくなってしまう。
だから、毎日、月足チャートを見るには、一日の最初に、チャートを見る場合は、まず月足チャートを見るようにすると良い。
そして、それが自分のクセになるように、励行することだ。

 『チャート分析が8割程度当たるというのなら、「チャートでの売買」に徹すればいいのではないか?』といったご質問も良く頂く。

己を消して『チャートの分析』通りに従うことができるのなら、それもいいでしょう。
その代わり、自分がここは買いだと思っても、チャートが売りと告げたら絶対に売る。
一度でもチャートと違うことをやると、その後も自分の判断で売買をしてしまいがちになる。これが一番よくないパターン。
そういった場合は、自分の都合が良い場合にだけチャートに従い、自分の考えと合わないような、都合が悪い時は、チャートに従わない、ということになる。
こうなると、もうすでにチャートで売買を行っていない。

 プロでも己を消してチャートに従って売買をしている人は大勢いる。勝つために己を捨てて臨んでいるのだろう。彼らは徹底している。

しかし、私自身はそれでは面白くない、つまらない、と思っている。
だから、チャートがどう告げようと、自分が買いたいときに買う、売りたい時には売る。

その代り、その判断が間違っている、と考えたら、損切りをする。
だから、私は、自分自身はチャーティストではない、と考えている。



 >   >  2009年02月