第205回 本日が、クリスマス・シーズンの始まりです

サンクス・ギビング・デイ(Thanks Giving Day、感謝祭)で、本日のニューヨークの外国為替市場はお休みです。ニューヨーク市場では、このサンクス・ギビング・デイ(Thanks Giving Day、感謝祭)が、クリスマス・シーズンの始まりです。
 ニューヨークの外国為替ディーラーたちは、いっせいに休暇を取ります。
12月はイヤー・エンドですから、1月から11月までの11ヶ月間で、バジェット(収益目標)を達成しているディーラーは、まるまる一ヶ月休暇を取ります。せっかくバジェット(収益目標)を達成しているのに、わざわざ会社に来て、相場の動きに巻き込まれるリスクを取るのは馬鹿げているからです。
 バジェット(収益目標)を達成しているのならば、少しくらいバジェット(収益目標)を超えて、利益を出したところで、その評価は変わりません。損をして、達成しているバジェット(収益目標)を減らしてしまい、未達になるのはもっと馬鹿馬鹿しいことです。
 バジェット(収益目標)を達成していなくとも、8割程度達成しているのならば、同じように、休暇を取ってしまいます。
 「残り一ヶ月で、もう少しで、達成できるじゃないか?」
と思う方も多いのでしょうが、相場は必ず勝てるとは限りません。特に、余裕がないときは『欲』がでますから失敗する可能性が高くなります。

『あと少し・・・・』
『ここまで来たら・・・・』
『為替レートが、○○○円になったら・・・・』

そう思ったときに、届かずに大失敗した経験は、誰にでもあるのではないでしょうか?
 『欲』は、こうあってほしいという『願望』であり、『思惑』に過ぎません。
そういった気持ちが強い時は、冷静な判断ができずに、アゲインストのポジションを持たされたまま、相場に持っていかれることが多いのです。

『失敗したくない』『負けたくない』といった気持ちが強い時は、『損切り(ロス・カット)』が遅れがちになります。無理をすると、余計な負担が増えるだけです。
だから、バジェット(収益目標)を達成していなくとも、8割程度達成しているのならば、同じように、休暇を取ってしまうのです。

「休まなくたって、ポジションを取らないで、会社に来ていればいいじゃないか?」
と思う方もいることでしょう。しかし、ディーラーにとっては、ちゃんと休暇を取って、会社に来ないことが大事なのです。
ディーラー気質は、目の前で、マーケットが動けば、何かしたくなります。基本的に、ディーラーはリスク・ラバー(リスクを好む性格)が多いですから、手を出したくなり、結局、『少しくらいなら・・・・』と、ポジションを取ってしまうのです。

また、ディーリング・ルームにいると、顧客からの電話や、取引は必ずありますから、しかたなく、取りたくもないポジションを持たされることもあります。
 多くのディーラー達が、イヤー・エンド休暇を取っているのですから、ニューヨークの外国為替市場は参加者が少なくなります。すると、取引量も少なくなりますから、マーケットは薄くなって、値が飛びやすくなります。
 『リクイディティ』が少なくなっているマーケットは、不測の動きになることもしばしばです。

もちろん、全員がいなくなっては業務ができなくなりますから、若手や最小限の『お当番』が留守番をしているのですが、上述のように、今年の成績がある程度満足できる状態のディーラーはいなくなりますから、12月のマーケットに残っているディーラーは、はっきり言えば、負けたディーラーだけになります。

しかし、それも場合によっては、負けたディーラーにとってチャンスなのです。
参加者が少なくなって、薄くなったマーケットは、いつもより少ない『アマウント』で、相場を動かすことができますから、仕掛けやすいのです。
 負けてクビになりそうなディーラーは、勝負に出てきます。
だから、12月のマーケットは、理由なく突如としてレートが飛ぶようなことが起こります。

為替レートが動く理由がなくとも、「大量のドル売り」や「大量のドル買い」を仕掛ければ、マーケットは動くからです。クリスマス・シーズンの、薄いマーケットで、売買も少ない場合は、センチメント(雰囲気)には緊張感も無く、レートも動いていません。
そういった状況の時に、突如として、「大量のドル売り」や「大量のドル買い」を仕掛けるのです。
 通常のマーケットを考えると、為替レートが動く理由・原因があっても、売り手と買い手がぶつかり合って、売買が均衡している場合は、緊張感を持ちながらも、レートは動きません。
しかし、売買が積み上がって、均衡が崩れた途端にレートが走り出すのです。
レートが大きく動く時は、水面下で必ず大量の売買が行われています。

いずれの場合も、為替レートが大きく動く場合は、大量の売買を伴っています。
『プライス』だけを見ると、出会いも無くレートが飛んでいるように見えますが、水面下で、必ず大量の取引が行われています。
取引を伴わずにレートだけが動く、といったことはありません。
12月に、理由なく突如としてレートが飛ぶような場合は、そういったことが起こっているのです。

マスコミや情報配信会社は、そういったときにも、無理やり何かしらの理由を付けたがりますが、本当は、理由などなく、誰かが、仕掛けているだけ、といったことが多いのです。
それでも、何かしらの理由を付けたがりますが、動いてしまえば、『それがマーケット』です。

 個人的には、『12月は、できればマーケットに参加しないようにしたいもの』と常々思っています。
もちろん、この相場は「売り」だ、とか「買い」だ、といったしっかりとした思惑がある方々の売買を妨げるつもりは全くありません。
ただ、市場参加者の少ないときは、不測の事態が起こった場合に、展開が読みきれないものです。
市場参加者が多いときは、それなりに過去の経験則やら、データが通用するのですが、市場参加者の少ない場合は当てはまらなくなります。
 それを理解したうえで参加するべき、と言いたいのです。

余裕のある人は、「12月にやってるヤツは、負けたヤツ」と思って、のんびりしましょう。来年もマーケットはあります。
個人的には、「12月にポジションを取る必要なし、休むがベスト」と考えています。

日本では、12月は、師走であわただしい季節なのですが、海外市場はクリスマス・シーズンです。
外国為替市場は、東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場が三大市場ですが、日本の慣行をロンドン市場やニューヨーク市場に押し付けるのは間違いです。むしろ、外国為替取引をするのならば、世界の市場慣行に合わせるのが当然です。

第204回 【わかるテレビ3時間SP/11月21日(金)On Air】

今回のこのコンテンツは、お知らせ(番宣)です。
FXに関する番組ですので、ぜひ、ご覧になってください!
お願いいたします。

先月のことですが、10月下旬に、南海キャンディーズの山ちゃんのお家に行って来ました。

目的は、テレビの撮影だったのですが、その番組は、

【金曜プレステージ・わかるテレビ3時間SP】
11月21日(金) フジテレビ 19:57〜22:52

番組プロデューサーから、メールを頂きました。

件名わかるテレビOA時間

松田先生

お世話になっております。
フジテレビ「わかるテレビ」の11月21日(金)のOAですが、FXに関してはだいたい夜9時50分くらいからとなります。

あらためて同録テープはお送りしますが、お時間ございましたらご覧になって下さい。

今回たいへんお世話になり、ありがとうございました。
今後も何かございましたら宜しくお願い致します。

●●●●●●


以下に、番組の情報を掲載します。

【金曜プレステージ・わかるテレビ3時間SP】
11月21日(金) フジテレビ 19:57〜22:52
http://tv.yahoo.co.jp/program/65871/?date=20081121&stime=1957&ch=8220

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2分でわかる"がん"など知ってそうで知らないことを短く楽しく説明。

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VTR監修は、ハーバード大学教授、東大教授、ロイター通信社の記者、大手企業の責任者、研究家など各界の超一流専門家ばかり。

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老眼について理解できる上に、最新の治療法を紹介したり、FXを知るために南海キャンディーズ山ちゃんが挑戦。
山田花子は自ら大腸がん検診に挑戦し、満足感たっぷりに実況中継してくれる。
さらに、高級寿司店のルールや、高級寿司店で「できる!」と店の人に思われる秘策も伝授してくれるなどなど、見た次の日から役立てる情報満載でお届けする。

ご紹介予定キーワード★ダウ平均★大気が不安定★ナノテク★フランス料理★地デジ★ノーベル賞★天下り★東京地検特捜部★ニューリッチ★お地蔵様★モンドセレクション★加齢臭★高級寿司店★FX★大腸がん
など

出演
【進行】 中村仁美(フジテレビアナウンサー)  ミスターX
【スタジオゲスト】 笑福亭鶴瓶  関根勤  勝俣州和  大林素子 高橋ジョージ  三船美佳
山崎樹範  宮川大輔  エド・はるみ 髭男爵 松井絵里奈  椿姫彩菜  柳原加奈子  ほか

第203回 大いなる失望の「第1回金融サミット」

今回開催された「第1回金融サミット」に関しての、個人的な印象は、『大いなる失望』。残念ながら、それに尽きる。『やらない方が良かったのではないか?』と、すら、思う。

どうしても、やる必要があるのならば、(個人的には、世界金融危機なので、やる必要がある、と考えているが、)オバマ次期米国大統領の出席を、求めるべきだった、と考える。
もしくは、オバマ大統領が、就任してから、サミットを開催するべきであった、と考える。
しかし、それでは、現在の、現時点での、金融不安が、オバマ大統領が、就任する1月下旬まで、持続、継続することになる。
来年の1月下旬に、次期大統領が就任するのならば、就任式も行う必要がある、その他にも、するべきことがあるのだから、実際に、オバマ次期大統領を含めて、サミットを開催するのは、早くとも、2月下旬か3月になってしまう。
この危機的状況が続くのでは、世界中が困る。

それまで、待てないので、「第1回金融サミット」が、仕方なしに、米国主導で、この11月中旬に行われた、と考える。

オバマ氏にすれば、まだ、実質的権限の無い中で、出席しても仕方がないし、実質的権限の無い状態で、言質をとられることは、不利益だ。
オバマ氏の立場からすれば、オバマ氏は今回のサミットに出席する義務もないし、出ない方が賢い。

しかし、他国にしてみれば、実質的に、あと2ケ月だけの大統領(ブッシュ氏)と約束しても、その約束が、どれほどの効力を持つのか、疑わしい。

米国は、自由主義のもとに、出来る限り金融規制の強化には反対したかったのだろうが、最終的には、欧州に押し切られる形になった。

しかし、今回の金融危機の主体であり、その引き鉄となったのは、米国なのだから、米国型の市場主義は、すでに、失敗している。
そう考えれば、米国案が、通らないのは、当然でもある。

こういったことを考えると、米国の覇権は、すでに、弱くなっている、と考える。

米国に、力(さまざまな意味で、力)があれば、G7諸国に頼るまでも無く、自力で、政策を実行し、今回の金融危機も解決したのだろう。
現在の米国には、それだけの力が無い、という事実を認識するべきだろう。

ましてや、今回は、G20と、G7以外の国々にまで、協力を求めた。
G7諸国でさえ、すでに、米国はリーダーシップを取れないのに、その他に、13国も参加者が増えれば、まとまりがつかなくなるのは、誰にでもわかることだろう。
また、G7諸国だけでは、手に負えないほど、世界経済が連鎖していることにも注意を払うべきだろう。

各国は、それぞれに、よく考え、判断しなければいけない。
当たり前のことだが、当たり前のことが行われていない現実を見る必要がある。
特に、日本人は、その意識が薄い。他者に頼る、他者の判断に従うのではなく、自分で判断する必要がある。

今回のサミットが開催される前は、『それでも、ひょっとすると、何か、重大なことがあるかも知れない』と、期待したが、『やっぱり、何も無かった』。
米国の力が落ちていることを、確認するだけのサミットだった。

第202回 拙著『外貨崩落』(技術評論社)32ページより抜粋引用

●●自由に売買できない通貨はマイナー・カレンシー

 日本で「為替レート」と言う場合、通常はドル/円(USD/JPY)レートを指します。
 しかし、マーケット(外国為替市場)で取引されているのは、もちろんドル/円だけではありません。
 海外では、「為替レート」と言っても、ドル/円レートを指すわけではありません。■どの通貨■と■どの通貨■の組み合わせのレートなのかと聞き返されることになるでしょう。
 マーケットでは、世界中のさまざまな通貨が取引されており、■それぞれの通貨■対■それぞれの通貨■のレートが成り立っています。
 世界中のマーケットで、多くの市場参加者が、頻繁に売買している通貨を「メジャー・カレンシー(Major Currency/主要通貨)」と呼びます。
 2007年現在、メジャー・カレンシーは、ドル(USD)、円(JPY)、ユーロ(EUR)、ポンド(GBP)、スイス・フラン(CHF)を指します。
 オーストラリア・ドル(豪ドル・AUD)をメジャー・カレンシーに含める人もいますが、私個人の考え方、感じ方では含めない方がよい、と考えています。
 リクイディティ(Liquidity)のない通貨は、国際的な信用に裏打ちされ、流通・通用するという機能をまっとうしておらず、メジャー・カレンシーとは呼べない、と考えているからです。
メジャー・カレンシー以外の通貨は、「マイナー・カレンシー(Minor Currency/非主要通貨)」と呼びます。
 では、「リクイディティ」とは何でしょうか。
▼「豊富に取引されていて、世界中に多くの市場参加者が存在しており、売買したいときにいつでも、世界中のマーケットで、すぐにその時の気配値で取引が可能なこと」を「リクイディティがある」と言います。
▼「リクイディティのない通貨」は、もの、品物、商品と一緒です。
 リクイディティのない通貨の取引は、商品取引に近いと言えるでしょう。取引の参加
者が普遍的ではなく、一部に限られているからです。
 取引参加者が限定的であるということは、取引できる時間帯が限定される、ということです。参加者が多くないので競争の原理が働かず、取引されるプライス(価格)のスプレッドがワイドになります。「ビッド(Bid/買値)」と「オファー(Offer/売値)」の「スプレッド(Spread/開き)」が広がるわけです。
 とはいえ、決して、そういった通貨を馬鹿にしているわけではありません。
 そして、もちろん、商品取引が外国為替取引に比べて劣るなどとも思いません。

▼「取引参加者が少なくて、自由に売買ができない」「取引に制限がある」「通貨供給量が少ない」「十分な売買環境が整っていない」「その通貨を発行している国(国々)が何らかの規制をしている」▲――。
 そういった通貨が、「リクイディティのない通貨」です。
 通貨とは、■それに価値があるという信頼■、■その国家に対する信任■に基づいています。つまり、「通貨」は「国家」なのです。
 自国内だけで流通させることが主目的の通貨は、メジャー・カレンシーの要件を備えていません。私の考え方では、オーストラリア・ドルは、マイナー・カレンシーに含まれます。

第201回 相場は簡単ではない

FXがブームになって、主婦で○億円儲けて脱税したとか、老人でも○億円儲けた、といったことがニュースになりました。
そういったニュースは、私もやってみよう、といった動機に結びつきました。
こういったテレビでの報道や新聞の記事は、ますます新規参入者を呼び込んでいます。その結果、FXブームに拍車をかけることになりました。

しかし、実際に外国為替相場(FX取引)をやってみると、なかなか勝てないことに気が付きます。

相場をやってみようと考えたのは、他の人の成功談や、他の人が儲けた話を聞きかじって、
「私にも出来るのではないか?」「私なら、もっと上手くやれるのではないか?」「やれば儲かるのではないか?」と考えたからですが、実際に相場をやってみると、買えば下がるし、売れば上がるような気がします。

実際の相場でポジションを取ると、上手くいった場合は、徐々にポジションを利食ってしまいます。だから、相場が本格的に大きく動き出したときには、利食いが終わっていて、ポジションが残っていない、といったことが起こります。

例えば、相場が上がるだろうと思って、ドル/円を買っていたとします。
ドル/円が50銭上昇したので、半分、利食いを行います。その後で、さらに50銭上昇したので、残りのポジションを利食います。
しかし、その利食いを行って、ポジションが無くなった後で、さらにドル/円の相場が1円も2円も上昇してしまい、悔しい思いをした。
そういった経験はありませんか?

あるいは、相場が上がるだろうと思って、ドル/円を買っていたときに、1円上昇したので、上昇はここまでだろう、と考えて利食いを行うのですが、相場はさらに急騰して、利食いを行った水準から1円も2円も上昇してしまった。
そういった経験はありませんか?

それに対して、損をしている場合のポジションは大きくなっています。
例えば、ドル/円が上がるだろうと考えて、ドル/円の買い持ち(ドル・ロング・ポジション)を持っているとします。
そういった場合に、思惑に反してドル/円が下落してくると、さらに、ドル/円の買い持ち(ドル・ロング・ポジション)を増やすといった行動に出ます。
こういった行為を『難平(ナンピン)』と言います。

相場で負けているときは、『難平』が徐々に行われて、さらにポジションが膨らみます。
そういったときは、最初に持っているポジションは、保有し続けていますから、相場が下落した場合には、下落した値幅分の全部が、フルの値幅で損失になります。
もちろん途中で増やしたポジションも損失になっていますが、『難平』をした場合は、当初のポジションが一番大きな損失になっているケースがほとんどです。

利食いをするときは、多少早過ぎるかな、と思っても、まあ、利益を確定するのだから、と考えて、安易に利食いを行うこともよくあります。また、持っているポジションの半分だけを利食っておこうか、などといった行動を取りやすい、と思います。

それに対して、損切りは、遅れがちになります。
それは、当然の理由です。
例えば、ドル/円を買っているのは、ドル円レートが上昇するだろう、と考えるからであり、ドル/円が下落するだろうと考えながら、ドル/円を買う人はいないでしょう。
つまり、自分の考え---ドル円レートが上昇するだろう、という考え---に基づいて、ドル/円を買っているのであり、ドル/円が下落を始めたとしても、
「いや、いずれ上昇するはずだ」
「いや、この下落は、何かの間違いで、すぐに戻すはずだ」
と考えがちです。
 「損切りを行うこと」は、そういった自分の考えが、間違いであったことを認める行為なのです。
すると、人は、自分の考えの間違いを認めたくない気持ちがありますから、概して、損切りは、遅れがちになってしまうのです。

損切りが遅れがちになる理由は、お分かりいただけたと思いますが、損切りの場合は、利食いの場合と違って、「半分だけ損切っておこう」といった行動を取りません。
上述の通りに、利食いの場合は、「半分だけ利益を確定させておこう」といった行動を取りやすいのですが、損切りの場合は、「半分だけ損失を確定させておこう」といった行動には結びつかないのです。

だから、損するときは大きな金額で、買ったときの金額は小さい、といった傾向が、自然と出て来ます。

つまり、「普通にやると、負けやすい」「普通にやると、負ける」といったことになりがちになるのです。

第200回 米国大統領選挙終了

今週(11月上旬)のメイン・イベントは、何と言っても米国大統領選挙。
 選挙前から、オバマ候補の勝利が確実視されていた。

開票前の昨日(11月5日)の朝の時点では、テレビは、オバマ候補の投票風景などを映していた。

しかし、先に結論を述べておくが、基本的に、現時点での米国大統領選挙は、外国為替市場にとって、メインの材料にはならない、と考えている。

オバマ候補者の勝利が確定すれば、それなりに、期待感から、「若干のドル買い」、といった行動がとられる可能性を否定しない。
 だが、それも、選挙直前の11月4日(火)のニューヨーク市場で、すでに、そのような値動きが見られた。
11月4日(火)のニューヨーク市場のドル/円(USD/JPY)の高値は、100円台ミドルで、久しぶりに、100円台という三桁のビッグ・フィギュア(大台)を見ている。

オバマ氏が大統領選挙に勝利しようとも、あるいは、誰が新大統領になろうとも、マーケット(外国為替市場を含む金融市場)で重要なことは、『現在の米国の混迷をハンドルすることが出来るか、否か?』であり、それは、大統領選挙の直後には、判断できない。
まだ、大統領に就任する前の段階で、いまだ何もしていない時に、安易に判断するべきではない。

もちろん、すでに、結果は発表になって、オバマ氏が新大統領に決定した。
そして、大統領選挙の結果が出たのだから、新大統領が今後の政策についてコメントすることもあるかもしれない。
だから、次期政権の方向性などで、何かしらが垣間見えることもあるのかも知れない。

しかし、現在の金融市場の危機的状態が、突如として急改善するなどといったことにはならない。
 だから、米国大統領選挙は、外国為替市場では、11月上旬の時点で、メインの材料にはならない、と考える。

万一、マケイン氏が大統領戦に勝てば、『政権の変化が無く、現在の悪い状態が継続する』と、マーケットは判断して、ドルが売られる展開になるだろう、と考えていたが、そんなことを考えることは、まったく無駄だった。

事前の予想通りに、オバマ氏が勝利となった。
 もちろん、選挙前から、それもかなり前から、基本的には、オバマ氏が大統領戦に勝つだろう、と予想していた。
 そして、大統領選挙は、外国為替市場に関係が無い、と常々、文章に残した。
また、インヴァスト証券の会場セミナーやウェブセミナーでも、はっきりと、
『米国大統領選挙と外国為替相場は、関係無い』
と明言した。

 その通りに、『米国大統領選挙と外国為替相場は、関係無かった』。

ただし、来年1月中旬下旬になって、実際に、オバマ新大統領の政策が、明らかになってくれば、
『そういった新政策は、外国為替相場と、大いに関係がある』。

それを、忘れてはいけない。
『米国大統領選挙と外国為替相場は、関係無い』ということは、ビッグ・イベントを軽視・無視して、揶揄している訳ではない。
関係の無いものを注視するのは、時間と体力の無駄だから、もっと、必要なところに気を回せ、という意味に他ならない。

 現在の外国為替市場は、引き続き、ドル/円、クロス円が、7月、8月頃から10月にかけて、大きく下落した後の、「調整局面」にある。

 ドル/円は、90円台から100円台にまで反発上昇したが、先月(10月)の90円台が大底とは考えていない。
現在のドル/円のトレンドは、「ドル安円高」だが、それが逆転するとは考えていない。
 あくまでも、ドル/円は、8月の110円台から10月の90円台まで大きく下落したことがメインであり、その後、10月に90円台から100円台にまで上昇したのは、そのメインの値動きの調整と考える。

 だから、クロス円も同様に、現在、調整で反発しているが、あくまでも調整であり、7月、8月の水準に戻ることはない、と考えている。



 >   >  2008年11月