第191回 【無い知恵は、振り絞っても、出てはこない】---知識は、事前に、蓄えて置く---

言葉が、辛口なのは、ご容赦ください。

ちょっと、わき道にそれますが、「知識は、事前に、蓄えて置く。そして、頭の『引き出し』に、しまっておく。そして、必要に応じて、『引き出し』から出して使用する。」

  だから、『引き出し』に無い知識は、出てこない。
  事が、起こって、あわてても、『引き出し』に無いものは無い。

『無い袖は、振れない。』
『無い知恵は、振り絞っても、出てはこない。』

『知らないこと』は、『知らないこと』でしかない。
(無論、持っている知識・能力を駆使して、応用することは可能。そんなことは、当たり前。)

しかし、『知識』は、出しっぱなしにしておくと、邪魔なことも多い。
 例えば、米国の金利上昇局面では、『CPI、PPIの知識』は重要だ。
 だから、昨年(2007年)の夏までは、『CPI、PPIの知識』を、出しておいて、常に、使用する必要が、あった。
しかし、昨年(2007年9月)になって、米国は、金利下降局面に変わった。

現在、現時点(2008年9月29日現在)で、昨年以降、まだ、一度も利上げされていないのだから、米国の金利下降局面(ドル金利引き下げ局面)は継続している。

マーケットでは、インフレ懸念とのバランスで、今年(2008年)になって、何回か、ドル金利引き上げの憶測が流れたが、実際のところ、ドルの政策金利は2.00%のまま据え置きになっている。
現在のドル金利市場で、ドルの政策金利よりも高いレートで取引されているが、それは「米国の金融不安」が原因で、マーケットの需給にゆがみがでているだけで、ドルの政策金利が変更される意味合いではない。
事実上は、貸し渋りが起こっているだけ。金利水準の問題ではなく、信用不安の問題が起きているだけ。

こうなると、『CPI、PPIの知識』を、出しっぱなしにしておくと、邪魔だ!
出しておくと、考えなければいけない。
考えなくて良いことを考えるのは、時間の無駄で、判断が、遅くなる。
 そして、何よりも、労力の無駄だ。
労力を無駄に使っていると、いざというときに、エネルギーが不足して動くことが出来なくなる。
くだらないところで、力を出し切ってしまい、大事なところで休むことになる。

昨年(2007年)の9月以降は、マーケットに与件の変化があったのだから、当分、『CPI、PPIの知識』は使わなくとも良い。
だから、頭の『引き出し』に、しまっておけば良い。(しまった方が良い。また、必要な時がきたら、出してくれば良い。)

チャート・ポイントに対応する知識・セオリーを、事前に知っているか、知らないか?
チャート・ポイントが近づいたときに、調べるのではなく、知識は、事前に、蓄えて置き、そして、頭の『引き出し』に、しまっておく。

使うべきときに、必要に応じて、『引き出し』から出して使用する。
ただし、もともと『引き出し』に無い知識は、出てこない。

チャート・ポイントが近づいた時に、タイミング良く、そういった知識を配信して欲しい旨、ときどき、意見をいただく。申し訳ないが、私も、そんなにヒマじゃない。

重要なチャート・ポイントが近づいた時は、チャート・ポイントをブレイクするのか、サポートするのか、それに注意を払うのが精一杯で、他の人に構っていられない。

平素、マーケットが静かなときに、『準備おさおさ怠りが無い』ように、きちんと勉強をしておかない方が悪い。

勉強は、マーケットが荒れたときに、あわててするのではなく、マーケットが荒れていない静かなときにするものだ。
マーケットが動き出したときは、そっちの方が気になって、(マーケットの値動きの乱高下に意識が移ってしまい、)教科書を読んでも、身に入ってこない。

第190回 『突発的ニュース』ではなく、『想定できるニュース』

 昨年(2007年)の10月、11月になって「サブプライム・ローン問題」で、大手の金融機関のいくつかは、その損失額を公表しています。
米国では、大手証券のメリルリンチが約9000億円の損失。
大手銀行のシティバンクが、約1兆2000億円から約1兆3000億円の損失。

その当時、『すごい金額だなぁ・・・』と思いました・・・。
『普通は、つぶれる・・・(大型倒産になる・・・)』
『それだけの損失額を、出して、生き残れるのが、不思議・・・。』

でも、その当時に考えたことは、メリルリンチにしても、シティバンクにしても、つぶれない(倒産しない)のだろう、ということ。
理屈で考えると、『つぶれない(倒産しない)』が答えになった。

そして、それ(その考え)は、今のところ、あっている。
メリルリンチは、バンク・オブ・アメリカが救済合併を行った。
シティバンクは、今のところ、存続している。
それは、『大き過ぎて、つぶせない』企業だから、であろう。
リーマン・ブラザースは、『大き過ぎて、つぶせない』企業の選から漏れた。

しかし、その当時、私は、漠然と思いました(感じました)。
メリルリンチや、シティバンクの「サブプライム・ローン問題」に伴う損失は、本当に、それだけなのか?
その当時に、日本では、食品関連の虚偽表示が問題になり、話題に上りました。
最初に問題が発覚したときは、『トップの指示ではないし、トップは知らなかった』。
時間の経過で、事実を調べていくと、『トップの指示であったし、指示をしているのだから、トップは当然に知っていた』。
そして、さらなる謝罪会見。

人間は、『少しでも、逃れようと、取り繕う』といったところがあります。
誰でも、そうでしょう・・・。
だから、
『メリルリンチや、シティバンクの「サブプライム・ローン問題」に伴う損失は、本当に、それだけなのか?』
『メリルリンチや、シティバンクの自らの発表を、鵜呑みにしていいのか?』
『メリルリンチや、シティバンクのトップは、日本の食品関連会社と違って、何も隠していないのだろうか?』

私は、『メリルリンチや、シティバンクの損失額は過少申告なのではないか?』と、疑っています。ただし、それは、単なる当て推量ですから、何の根拠もありません。また、そういった大手金融機関の経営陣を貶めるつもりも、全くありません。
しかし、過去のこういった事件(問題)で、巨額の損失が隠匿されて、後から、それ(巨額の損失)が発覚し、最終的に大きな社会問題になったり、多くの人が損害をこうむったりしたことは、「毎度おなじみ」のいつものことです。

もうひとつ、私が、漠然と思った(感じた)こと。
巨額の損失を公表しているところは、むしろ倒産しないのだろう。
損失を隠匿して、それが原因・理由で、倒産に追い込まれたら、それは得策ではない。
と言うか、それは、馬鹿げているから、損失額を公表した。そういった、策に出た訳です。

『損失額を公表していないところに(それは金融機関とは限らないが)、一番のリスクが在るのではないか?』
つまり、損失額を公表したら、倒産してしまうところ(企業)は、損失額を公表できない。だから、当然、公表しない。
そういったところ(企業)は、突然に、倒産するのではないか?

『突発的なニュースが、これから、出るのではないか?』と、考えていました。

何も考えていない場合は、それは『突発的ニュース』だろう・・・。
しかし、私は、『今後、こういったニュース(突然の倒産のニュース)が出るのではないか?』と、考えています。

だから、「サブプライム・ローン問題」に伴う損失で、前ぶれも無く、いきなり倒産するところ(金融機関とは限らない)が、ニュースになっても、それは、私にとっては、『突発的ニュース』ではありません。
『想定できるニュース』なのです。
でも、そういったことがニュースになると、こんな『突発的ニュース』は、予見できない(予見できなかった)、とか、予想予測は不可能だ(事前には不可能だ)、とか、多くの人が、『言い訳』を、いつも、するものです・・・。
こういった状況ならば、『そういった想定』をするのが、当然じゃないか?
想定出来て、当たり前じゃないか?
想定できない方が、変じゃないかなぁ・・・?
今後、そういったニュースが出てきたときに、『想定できなかった』と言う人は、『ウソ』を吐いているか、『よっぽど、頭の悪い人』ではないか?
と、思うのですが、私の考え方が変なのでしょうか?
(言葉が、辛口なのは、ご容赦ください)

第189回 アメリカ政府公的資金投入

ご質問を頂きました。同じご質問をしたい、と考えている方々は、多いだろう、と考えます。それで、そのお返事を引用いたします。

日付2008/09/21 12:17
件名アメリカ政府公的資金投入につきまして

松田哲様

20日、アメリカ政府が不良資産の買い取りに公的資金を75兆円投入というニュースが流れ話題になっていますが、このことによる為替相場への影響はどのようなものになるとお考えでしょうか?

私は現在ユーロ/円を売り持ちしています。先週末の上昇によりダメージを受けておりますが、基本的には下降トレンドと判断しているのでまだ損切りはしないつもりでした。

しかし、上記の様な大きなテコ入れがあることによってトレンドが変わってしまうことはあるのでしょうか?それとも、先週末の急上昇によりトレンドはすでに変わってしまっていたのでしょうか?

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日付2008/09/21 23:45
件名Re: アメリカ政府公的資金投入につきまして

米国の公的資金投入は、「損失を埋めるだけ」で、「損失は損失のまま」です。
損失は、利益で消すことが出来ますが、利益が出ない場合は、借金としてそのまま残ります。だから、公的資金を投入しても、実質的には、何も変わりません。

公的資金を投入しなければ、即、倒産・破綻ですから、そうならないように、資本を注入するだけです。

公的資金は税金です。税金を投入するということは、米国民から借りた借金です。
だから借りた資金を、それぞれの企業は、利益で返済しなければならないのです。

しかし、見かけ上は、数十兆円の借金、実質は、その倍で100兆円を超える借金(中東からの借金や、その他もろもろの、資本増強のための借金を含めれば、軽く100兆円を超えるはずです)、あるいは、もっと潜在的に存在する、その巨額の借金を、簡単に返せるはずはありません。

だから、トレンドに変化は無いと考えます。

私は、トレンドに変化がない、と考えますが、リスクのある取引で、損が出た場合に、どこまでポジションをキープするのか、は、個々人の問題です。

それは、資金管理の問題で、相場の流れを読む、考えるのとは、次元が違うことです。
トレンドが変わっていなくとも、損失を食い止めるために、いったんポジションを損切ることも、戦術です。

そういった個別の取り組み方は、個々人が自分で考え、対応しなければなりません。
他者には、(この場合、私には、)金額でいくらまで、損失に耐えられるのか、わからないからです。
ポジションのサイズも、わかりませんから、値幅で、いくら負けたら、その損失の限界に到達するのか、それも、他者には、(この場合、私には、)わかりません。
そうなると、頂いたご質問には、答えようがないことを、理解いただける、と考えます。

先週末(金曜日)の値動きは、みんなが、(多くの市場参加者が、)クロス円を売っていたので、ショートスクイズが起こった、と考えます。
この週末にも、ポールソン氏が、何か、「手品」を見せる可能性があったので、それを期待した向きが、ショートスクイズを起こし、買い上げた、と考えます。

ショートスクイズが、終わっていれば、(ショート筋が、損切りを終えていれば、)週明けが、窓を開けて、急落しても不思議ではありません。

しかし、ショートスクイズが、まだ、十分でなければ、(ショート筋が、十分に損切りを行っておらず、ポジションがたくさん残っていれば、)先週末(金曜日)のNY市場クローズ・レベルでの「持ち合い」で、週明けの相場が始まる、と考えます。

この週末は、今のところ、ポールソン氏は、発言をしておらず、以下のニュースが流れました。

『米連邦預金保険公社(FDIC)は19日、米ウェストバージニア州の地方銀行アメリバンクが業務を停止したと発表した。米銀行の経営破綻は今年12件目。昨年の4倍にのぼっている。同行の総資産は1億1500万ドル(約120億円)。FDICは、資本の水準や手元資金などが不足するなどして経営に不十分な点がある「問題銀行」が計117あると発表しており、銀行破たんは今後も続きそうだ。』


来週の月曜日(9月22日)は、朝方のシドニー市場、東京市場の午前の値動きを、よく見たい、と考えています。
それを見て、その後の動きを占うのと、今現在で、月曜日以降の相場の値動きを考えるのでは、答えが違う可能性が高い、と考えます。
今現在での考えは、上述のコメント通りですので、私がどう考えているのか、推量してください。

(2008年9月21日東京時間23:45記述)

第188回 リーマン・ブラザーズ破綻

今週の最大のニュースは、リーマン・ブラザーズの破綻。
米国財務長官のポールソン氏は、リーマン・ブラザーズは救済しないことを発表したが、それと同時に、メリルリンチをバンク・オブ・アメリカ(アメリカ銀行)に吸収させることで救済した。
また、米国中央銀行システムであるFRBが、AIG株式の80%を取得することで、事実上の国営化を行った。これは、AIGを、国家による公的資金で救済した、ということ。

一方で、さまざまな手口を駆使して、メリルリンチとAIGを国家のお金と権力で救済し、他方では、リーマン・ブラザーズの倒産を放置した。

「リーマン・ブラザーズ」と、「メリルリンチとAIG」では、どこが違うのか?
非常に、不公平感がつのる。

 私は、この1年間ほど『米国の金融機関で破綻するところが出るだろうし、米国経済は悪くなっていく』とずっと言い続けてきた。
 しかし、いつになっても『サブプライムローン問題は収束に向かう』という意見を述べる専門家と呼ばれる人がたくさんいた。
そういう人たちに一般の個人投資家は騙されてきたことになる。
そういった、『サブプライムローン問題は収束に向かう』という意見を述べる専門家の意見に従って、投資を行って、今、大きな損失を抱えて、悩んでいる個人投資家は、たくさんいるだろう、と考えています。
そこに、私は、理不尽なものを感じます。

サブプライムローン問題が顕在化したのは、2007年年初だ。かれこれ1年半以上もサブプライムローン問題とお付き合いしている。もうすぐまる2年にもなる。
今年は、まだ9月だが、今年はまるまる1年間、サブプライムローン問題がメインテーマであった。
今年は、これ以上の大きな主命題は出ないと思っています。
万一、それ以上のテーマがくるとしたら、それ以上に悪いニュースに決まっています。良いニュースが、悪いニュースを席巻することは、通常はあり得ません。だから、これ以上の大きな主命題は出て欲しくない、が、本音です。

サブプライムローン問題が俎上になった、その都度に、米銀が損失を出したので、(表面化したので、)もう大丈夫だ、といったコメントが横行した。
ところが、シティバンクは3兆円、メリルリンチは2兆円の巨額の資本注入を行った。つまり、サブプライムローンに起因する損失を、中東のオイルマネーからの借金で埋めた。
借金は、借りたお金だ。(当たり前だが・・・)
借りたお金は、自分のものではない。借金で損失を埋めれば、ことが済むわけではない。

さらに、マーケット環境が悪化した際には、借金でそれまでの損失を埋めたのに、新たな損失が生じ、かつ、その損失は拡大し、もっと借金をする必要が生じた。
2兆円も、3兆円も借金をして、さらにもっと貸してくれる人は、通常の感覚ならば、いない。

米国は、景気後退期なのだから、簡単に、V字回復をすることはない。
景気拡大期に、損失を出しても、本業でうまく行くならば、V字回復の可能性もあり得るのかも知れないが、現在の米国は、リセッション(景気後退)の時期なのだから、安易に考えるのは危険なのだ。
新たな金の貸し手は、米国政府自身しかいない、ということだ。

 仮にリーマン・ブラザーズが破綻しなくても、米国経済が悪くなることは同じだったはずだ。
リーマンが破綻したことで、一層ひどいことになる。連鎖倒産がこれから起きてくると考えるからだ。


 ドル/円の戻り高値は8月中旬につけた110円台になるのではないか、と考えている。
ドル/円のサポートは、心理的抵抗のある100円。
そして、その下のサポートは、今年3月につけた95円。
ドル/円の上値が重ければ、その下値をターゲットとした値動きになっていくものと考えている。
その際、ストーンと急落しておかしくないと思っていますが、タラタラタラタラ下がっていく可能性もある。
だから、それが明日にも来るのか、1ヵ月後なのか、3ヵ月かかるのか、長々と6ヵ月かかるのか、そこはわからない・・・。

第187回 ユーロ/円(EUR/JPY)の「大きなボックス相場」(Part2)

今月の初め(2008年9月1日)に述べたコメントを、まず、そのまま引用します。

(以下引用)
第184回 ユーロ/円(EUR/JPY)の「大きなボックス相場」(2008年9月1日)

『ユーロ/円(EUR/JPY)の週足チャート(Weekly Chart)』をご覧になってください。

『ユーロ/円(EUR/JPY)の週足チャート(Weekly Chart)』から、ユーロ/円(EUR/JPY)は、長期にわたり、おおよそ150円から170円程度の「大きなボックス相場」を形成していたことが読み取れます。


比較する意味で、『ユーロ/円(EUR/JPY)の日足チャート(Daily Chart)』を、ご覧になってください。

期間の短いチャートでは、そのチャート全体が、その150円から170円のゾーンに含まれてしまい、この「大きなボックス相場」を発見できません。
(すべての上下動が、その150円から170円のゾーンに含まれてしまい、この「大きなボックス相場」が表示されない)

この「大きなボックス相場」は、『ユーロ/円(EUR/JPY)の日足チャート(Daily Chart)』でさえも読み取り難いのです。

全体像を読むには、全体を一歩下がって、俯瞰することが大切です。

 「20円幅のボックス相場では、スケールが大き過ぎる」といった意見や感覚があることは、充分に理解します。
 しかし、現実に、『大きなチャート』を見れば、そういった傾向が読み取れます。

読み取れるものを、自分の都合で、(大き過ぎる、といった感覚で、)無視をするのは、単に、『自分の都合の悪いものは見ない』といった、ポジション・トークの典型です。

ユーロ/円(EUR/JPY)をロング(買い持ち)にしていた場合、損切りのポイントは、『ユーロ/円(EUR/JPY)の日足チャート(Daily Chart)』で、高値持ち合いを下に割り込んだ、167円台、166円台であったことが、せめて165円台程度であったことが、チャートから読み取れます。

 ユーロ/円(EUR/JPY)が、[160.00]を明確に下に抜けていく場合は、ユーロ/円(EUR/JPY)のロング(買い持ち)は、損切りを敢行した方が良い、と考えていましたが、先週末(8月29日金曜日)に、ユーロ/円(EUR/JPY)は、明確に[160.00]を下に抜けています。
(以上、9月1日記述を引用)

 ユーロ/円(EUR/JPY)が、[160.00]を明確に下に抜けていく場合は、ユーロ/円(EUR/JPY)のロング(買い持ち)は、損切りを敢行した方が良い、と考えていたことは、上述の通りです。

8月29日金曜日に、ユーロ/円(EUR/JPY)は、明確に[160.00]を下に抜けて、その後、急落を続けています。
現在(9月11日東京時間08:15)のユーロ/円(EUR/JPY)のレベルは、[150.50]アラウンドにあります。
ユーロ/円(EUR/JPY)は、わずか、2週間で、10円の急落を見ています。

上記の最初にある通りに、『ユーロ/円(EUR/JPY)の週足チャート(Weekly Chart)』から、ユーロ/円(EUR/JPY)は、長期にわたり、おおよそ150円から170円程度の「大きなボックス相場」を形成していたことが読み取れます。

それは、現時点(9月11日東京時間08:15)でも、まだ、『おおよそ150円から170円程度の「大きなボックス相場」』のレンジ内にあります。
現在(9月11日東京時間08:15)のユーロ/円(EUR/JPY)は、週足チャート(Weekly Chart)で見ると、下限にある状態です。
この150円アラウンドがサポートされる可能性はありますが、しかし、上記のように、[160.00]で起きたことが、[150.00]アラウンドでも起こる可能性があります。

つまり、ユーロ/円(EUR/JPY)が、ボックス相場の下限を破って、下に抜ける場合は、[160.00]を割り込んだ際に起こった値動きのように、急落する可能性がある、ということです。

『ユーロ/円(EUR/JPY)の週足チャート(Weekly Chart)』を見ると、『おおよそ150円から170円程度の「大きなボックス相場」』の下限は、[149.00]アラウンドです。

ですから、ユーロ/円(EUR/JPY)が、[149.00]アラウンドを明確に下に抜けていく場合は、ユーロ/円(EUR/JPY)のロング(買い持ち)は、損切りを敢行した方が良い、と考えています。

この文章を書いている間に、ユーロ/円(EUR/JPY)は、もう一段下落して、[150.15−20]になっています。
(2008年9月11日東京時間08:35記述)

第186回 ファニーメイ、フレディマックを政府管理下に置く決定

昨日(9月7日)未明、米国は、米国のGSEであるファニーメイ、フレディマックを政府管理下に置く決定を発表した。

本日(9月8日月曜日)のマーケット(FX市場)では、このニュースを材料に、大きく変動している。

 ドル/円(USD/JPY)のチャートを見ると、「窓(Gap)」を開けて急上昇している。
 先週末(9月5日金曜日)のニューヨーク市場のドル/円(USD/JPY)終値は、107円台ミドル程度。
 本日(9月8日月曜日)のウェリントン市場、シドニー市場のマーケット(FX市場)では、ドル/円(USD/JPY)は、108円台ミドル程度を中心に、振幅の激しい値動きを繰り返している。
値幅としては、概して、[108.00-109.00]。東京市場の始まる前に、1円程度の乱高下を済ませている。


 ところで、では、「ファニーメイ」って、何だか答えられますか?
誰でも、なかなか正確には、答えられない、と思います。

 ファニーメイとか、ジニーメイとか、金融市場では、昔からよく聞く言葉だけれど、『その定義は?』と訊かれると、「政府系のアレだよ・・・」とか、「住宅ローンを取りまとめてる会社じゃないの?」と、なかなか正確には、答えられないものです・・・。

ちなみに、ジニーメイ(Ginnie Mae)は、GNMA(Government National Mortgage Association)。
政府住宅抵当金庫。
1968年に設立された米国住宅都市開発省管轄下の政府機関。
モーゲージ証券が、投資家に販売される際に、元利金の支払を保証する機関。

こう書いてみても、よくよく考えないと、まだ何だかよく分からない・・・

 「ファニーメイ(Fannie Mae)」は、「和訳=連邦住宅抵当金庫」。
 米国のGSEの一つ。
 FNMA(Federal National Mortgage Association)の通称。
 連邦住宅抵当公庫。
 1938年に住宅安定供給を目的に設立された特殊銀行。1968年に民営化され、NYSEに上場。
 民間金融機関から住宅ローン債権を買い上げた上で証券化を行ったり、保証業務によって収益を上げている。

 「フレディマック(Freddie Mac)」は、「和訳=連邦住宅金融抵当金庫」。
 FHLMC(Federal Home Loan Mortgage Corporation)の通称。
 連邦住宅金融抵当金庫の愛称が、Freddie Mac(フレディマック)。
 GSEの一機関である。
 住宅ローン市場に安定的に資金を供給するために、米国連邦議会の公認のもと1970年に、ファニーメイがモーゲージ市場で十分カバーしていなかった部分に資金を供給するために設立された政府系金融機関。
 ファニーメイとは競合関係にあるが、役目は基本的には同じ。
 政府出資は受けておらず、株式がニューヨーク証券取引所とパシフィック証券取引所に上場されている民間会社(であった)。

GSEにも、説明を加えておこう。
 【GSE】は、Government Sponsored Enterprises(政府支援法人)の略。
 米国版特殊法人のこと。
 狭義にはFannie MaeやFreddie Macといった住宅金融公庫や、農業公庫など特殊銀行を指す。
 形式的には民間の株式会社であり、その債務にはなんら明示的な政府の保証はないにもかかわらず、「暗黙の政府保証」が期待されて政府と同等の信用力を認められている。


 さて、では、米国のGSEであるファニーメイ、フレディマックを政府管理下に置くという決定だが、これは、米国政府の公的資金を注入するということ。
 ブッシュ大統領は、公的資金を使って、救済しない、と発言していたが、その発言も、なし崩し的に反故(ほご)になりつつある。

 本日(9月8日)のウェリントン市場、シドニー市場のマーケット(FX市場)は、これ(米国の決定)を「好感」してのドル買い、と説明する向きも多いことだろう。
 しかし、それは違う。
 単に、先週の値動きで、ドル/円(USD/JPY)やクロス円で、「円買い」が大きく進んでいたので、このニュースを機に、その反対売買が出た(=ストップ・ロスが発動した)だけ。
 あるひとつの米国金融機関が、(今回のケースでは、あるふたつの金融機関が、)資本の補充が無ければ、倒産する事態に追い込まれた。
八方手を尽くしたのだが、すでに米国の大手金融機関が、損失を補てんするために、中東のオイルマネーを筆頭に、世界中から、莫大な資本を借り入れており、資本調達が出来ない。
借金(資本の調達)ができず、このまま何もしなければ、倒産するので、米国政府が公的資金(=税金)を使って、生き残るように手を回した。
この事実では、ドルを買う材料にはならない。
材料としては、むしろ、ドルを売るべきものだ、と考えている。

第185回 『クロス円』の急落---『クロス円』をテーマに(Part2)---

 このところのマーケット(外国為替市場)では、『クロス円』の急落が著しい。

直近の7月ころからの短期間で、概して言うならば、以下の通りでしょう。
ユーロ/円(EUR/JPY):おおよそ170円から156円へ、14円の下落。
ポンド/円(GBP/JPY):おおよそ215円から192円へ、23円の下落。
オージー/円(AUD/JPY):おおよそ104円から89円へ、15円の下落。
キウイ/円(NZD/JPY):おおよそ81円から73円へ、8円の下落。
 総じて言うならば、短期間に、10%程度の下落を見ていることになります。
それは、決して小さな値動きではありません。そして、今のところ、まだ、反転の兆しはありません。


 このところの、このコラムでは、8月以降は、こういった『クロス円』の値動きに最大限の注意を払って記述していました。このところのタイトルを列記します。以下の通り。

第184回 2008年9月01日 ユーロ/円(EUR/JPY)の「大きなボックス相場」
第183回 2008年8月28日 「通貨の表記」と、ちょっとした「うんちく」
第182回 2008年8月25日 ユーロ/ドル(EUR/USD)
第181回 2008年8月21日 ユーロ/円(EUR/JPY)
第180回 2008年8月18日 『クロス円』をテーマに
第179回 2008年8月14日 このところのマーケット
第178回 2008年8月11日 山高ければ、谷深し
第177回 2008年8月07日 中国バブルは、現在調整中だが、中国元(人民元)の通貨価値は、上昇すると考える
第176回 2008年8月04日 水面下で動いているものの存在を意識する

【第180回 2008年8月18日 『クロス円』をテーマに】では、以下のように、書き始めています。

 今週は、『クロス円』が、話題に上りそうな雰囲気です。それで、それをテーマに選びます。

 外為市場の相場参加者が、『クロス円が強い、弱い』と言った場合の『クロス円』は、誤解を恐れずに言うならば、『ユーロ/円レート(EUR/JPY)』『ポンド/円レート(GBP/JPY)』『スイス・フラン/円レート(CHF/JPY)』『オーストラリア・ドル/円レート(AUD/JPY)』を指しています。

 なおかつ、『クロス円が強い』と言った場合は、『クロス円レートで、【円安】』を意味します。
 これは、クロス通貨【ユーロ(EUR)】【ポンド(GBP)】【スイス・フラン(CHF)】【オーストラリア・ドル(AUD)】が、対円で強いということです。

 逆に、『クロス円が弱い』と言った場合は、『クロス円レートで、【円高】』を意味します。
 これは、クロス通貨【ユーロ(EUR)】【ポンド(GBP)】【スイス・フラン(CHF)】【オーストラリア・ドル(AUD)】が、対円で弱いということです。

つまり、現状のマーケット(外国為替市場)では、『クロス円が弱い』状態で、『クロス円レートで、【円高】』の状態です。

クロス円の値動きについて、加筆しておきます。

ユーロ/円(EUR/JPY)は、すべてのクロス円取引の代表であり、基本的には、クロス円は、ユーロ/円(EUR/JPY)の値動きに従います。
つまり、ユーロ/円(EUR/JPY)が下落したならば、すべてのクロス円が下落します。
逆に、ユーロ/円(EUR/JPY)が上昇すれば、すべてのクロス円が上昇します。

上記は、基本的には原則で、滅多には例外が無いことです。
しかし、ユーロ/ポンド(EUR/GBP)が、大きく変動している場合などに、稀なる例外のケースがあります。

現在のマーケットでは、(9月4日の時点では、)基本的な原則通りに動いています。

今回の値動きでは、ユーロ/円(EUR/JPY)も下落していますが、ポンド/円(GBP/JPY)や、豪ドル/円(AUD/JPY)の下落が、先行している部分もあります。

こういった値動きは、相互に影響を与えあって、クロス円の下落を加速していることに、留意するべきでしょう。

今のところ、まだ、反転の兆しはありません。コスト(持ち値)の悪いクロス円のロング・ポジション(買い持ち)は、損切りを敢行する方が良いだろう、と考えています。

第184回 ユーロ/円(EUR/JPY)の「大きなボックス相場」

『ユーロ/円(EUR/JPY)の週足チャート(Weekly Chart)』をご覧になってください。

『ユーロ/円(EUR/JPY)の週足チャート(Weekly Chart)』から、ユーロ/円(EUR/JPY)は、長期にわたり、おおよそ150円から170円程度の「大きなボックス相場」を形成していたことが読み取れます。


比較する意味で、『ユーロ/円(EUR/JPY)の日足チャート(Daily Chart)』を、ご覧になってください。

期間の短いチャートでは、そのチャート全体が、その150円から170円のゾーンに含まれてしまい、この「大きなボックス相場」を発見できません。

(すべての上下動が、その150円から170円のゾーンに含まれてしまい、この「大きなボックス相場」が表示されない)

この「大きなボックス相場」は、『ユーロ/円(EUR/JPY)の日足チャート(Daily Chart)』でさえも読み取り難いのです。

全体像を読むには、全体を一歩下がって、俯瞰することが大切です。

 「20円幅のボックス相場では、スケールが大き過ぎる」といった意見や感覚があることは、充分に理解します。
 しかし、現実に、『大きなチャート』を見れば、そういった傾向が読み取れます。

読み取れるものを、自分の都合で、(大き過ぎる、といった感覚で、)無視をするのは、単に、『自分の都合の悪いものは見ない』といった、ポジション・トークの典型です。

ユーロ/円(EUR/JPY)をロング(買い持ち)にしていた場合、損切りのポイントは、『ユーロ/円(EUR/JPY)の日足チャート(Daily Chart)』で、高値持ち合いを下に割り込んだ、167円台、166円台であったことが、せめて165円台程度であったことが、チャートから読み取れます。

 ユーロ/円(EUR/JPY)が、[160.00]を明確に下に抜けていく場合は、ユーロ/円(EUR/JPY)のロング(買い持ち)は、損切りを敢行した方が良い、と考えていましたが、先週末(8月29日金曜日)に、ユーロ/円(EUR/JPY)は、明確に[160.00]を下に抜けています。



 >   >  2008年09月