第75回 リスク回避(質への逃避=フライ・トゥ・クオリティ)

先週末(7月27日金曜日)に、ニューヨーク市場で発表された米国GDPは、事前の予想より多少良かった。
しかし、GDPの影響力があるのは、30分くらいのもの。長くても、せいぜい1時間程度。米国経済指標の影響力などそんなものです。

先週末に、多くの市場参加者が注目していたのは、米国株式市場。
ダウは大きく下落して始まったが、早いうちに、寄り付きの値段に戻した。
そのため、ニューヨーク市場の午前中は、米国株価下落(サブプライム・ローン問題)を材料とした「ドル売り」は一服していた。

この時点で、考えていたことは、週末の金曜日なので、市場参加者が少ないこと。
「夏休み相場」なので、市場参加者がいっそうに少ない。
閑散の中、米国株価に動きが無ければ、為替も静かな値動きの可能性もある。

その場合は、現在のメイン・テーマ「円キャリー・トレードのアンワインド(解消・巻き戻し)」は、来週に持ち越し。
しかし、持ち越すだけで、まだ、終わっていない。

夏休みシーズンは、7月4日の米国独立記念日から、8月最終週のレイト・サマー・ホリデーまで。その期間には、余計なリスクを避けて、ポジションを縮めることも、戦術(戦略)と考えています。

先週末のニューヨーク市場は、重要なポイントになる、と考えてその後の展開を見守った。
残念なことに、先週末(7月27日金曜日)のニューヨーク市場では、結局のところ、ダウは200ドル以上の大幅な下落。
ドル/円(USD/JPY)も118円台ミドルで、「円高気味」にニューヨーク・クローズ。
ユーロ/円(EUR/JPY)も、161円台で下落傾向のままニューヨーク・クローズ。

週明けの、ウェリントン市場、シドニー市場で、ドル/円、ユーロ/円が、窓を開けて、急落する可能性も出てきた。

参院選にも、言及しておこう。
自民が負ければ、日本株売り。
「日本株売り」は、為替での「円売り」を期待する向きもあろうが、そうはならない。
「日本株売り」は、『リスク回避(質への逃避=フライ・トゥ・クオリティ)』を呼び込む。
だから、「円キャリー・トレードのアンワインド(解消・巻き戻し)」を呼ぶことになる。

(それは、無いだろうと考えているが、)万一、自民が勝っても、その場合は、先週末のニューヨーク株式大幅下落の写真相場となって、「日本株も売り」となるだろう。
その後のコメントは、まったく同じ。
だから、参院選は、為替相場には、関係ない。

当面の外国為替市場のメイン・テーマは、「円キャリー・トレードのアンワインド(解消・巻き戻し)」となる。
もう少し、このテーマを、深く掘り下げて斟酌するのならば、『リスク回避(質への逃避=フライ・トゥ・クオリティ)』が、当面のメイン・テーマであることに気が付くことでしょう。
(2007年7月29日東京時間13:00記述)

第74回 【あなたが相場で取る行動はどれか?】

---拙著『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』から、引用---

この本を、書くに当たって、『この本が出版されてから、しばらくしたら、このことが起こるだろう』と、想定して、以下の文章を記述しました。(2006年12月に記述しました)

この本が、2007年2月22日に出版されて、その後、すぐに、「上海株ショック」(2007年2月下旬)が起こり、すでに、一度、以下の文章は、『役に立っています』。
 しかし、本当は、2007年前半に起こることを想定していたのではなく、これから(2007年夏以降に)起こることについて、それを想定して書いた文章です。
 私の気持ちとすれば、『今、引用、紹介しないで、いつ、それをするのだ?!』といったところです。

今回、仮に、『結果として、目先、役に立たなくとも』、---仮に、2007年7月下旬に役に立たなくとも、「いずれ」という意味で、---『以下の文章が、必ず役に立つときが来ます』。
 自信を持って、そう、予言、断定します。
ただし、今回の値動きで、そうなると、断定しているのではないことにも、留意してください。文章の、読解力がないと、こういった『予知・予言』は、身を滅ぼします。
(傲慢に言っているのでもなく、スノビッシュでもありません。真意を汲み取って下さることを、期待・希望します。)

以下引用です。

第6章 相場で勝つのはこういう人!相場に向くメンタル、向かないメンタル
3 相場で勝てる人、負ける人

●●マーケットで起こっていること

道を歩いていると、道端に人が倒れています。
「大変だ!」
と思って近寄ってみると、瀕死の重傷。もう、助かる見込みがない状態です。今から救急車を呼んでも、間に合わないことは明白。その人は、苦痛にもだえています。
正直に、「もう助からないという事実」を伝えてから、その人に尋ねます。
「ひと思いに、楽にして欲しいか?」
それとも、
「苦しいかもしれないが、そのまま、放っておいて欲しいか?」
その人が答えた通りにしてあげます。
それから、その人に、1つお願いをします。
その人には、もう無用になってしまうのですから、
「所持金を、全部いただきます」
と――。

もちろん、これはブラック・ジョークです。ただ、こういった状況は、マーケットでは日常的に起きていることなのです。そのことを、比喩的に表現しているのです。

●●相場の冷たい現実

たとえば、ドル/円の取引で、ドルが高値で持ち合いを続けた後で、下落を始めたとしましょう。
もっと具体的に、[1ドル=120円〜125円]の「ボックス相場」を数カ月続けた後で、チャート・ポイントであった[120・00]を割り込み、次のチャート・ポイントである[119・50]を目前にした、[119・55―65]レベルに、相場があるとしましょう。

[120円〜125円]の滞空時間が長かったのですから、そのゾーンでドルを買った人たちは、たくさんいるはずです。

そういったドル・ロング(ドル買い持ち)の人たちにとっては、これ以上、ドルが下落してしまうと、ますます損が膨らんでしまいます。
ですから、
「[119・50]のチャート・ポイントを割り込まないで」
と祈るようにしている人たちが、まだ、たくさんいる状態です。

しかし、こういったときは、誰よりも先に[119・50]を売って、ドルをたたき落とすことが、相場に勝つ秘訣なのです。

こう言うと、ためらい、躊躇する方もいると思います。[119・50]をたたき売ることによって、[120円〜125円]でドルを買い、まだ、それを保有している人たちの悲鳴が聞こえてくるようで忍びない、と感じる方もいるでしょう。

しかし、あなたが売らなくとも、マーケットには、無尽蔵の市場参加者がいるのです。
その誰かが、必ず、[119・50]をたたき落とします。

場合によっては、あなたは[120円〜125円]で、ドルを保有している側にいるかもしれません。そうであれば、たたき落とされる側にいるのは、あなたなのです。

●●あなたが相場で取る行動はどれか?

あなたが、高値でドルを保有していない場合に、取るべき行動は、次のどれでしょうか?

【1】[119・50]を売ってドルが下落したら、[120円〜125円]のゾーンでドルを保有している人たちがかわいそう。だから、何もしないで見送る。
【2】[120円〜125円]のドルを保有している人たちをサポート・応援するために、[119・50]がつかないように、一緒にドルを買う。
【3】[120円〜125円]のドルを保有している人たちの気持ちを考えると、かわいそうで忍びない。けれども、次のチャート・ポイントである[119・50]を割り込むと、上でドルを買った人たちの損切りを巻き込んで、もう一段、ドルが急落する可能性が高い。自分が生き残るために、勇気を振り絞って、[119・50]を売る。
【4】[120円〜125円]でドルを買った人たちは、自分の都合、責任でそうしたのだから、「馬鹿だなぁ」と思うだけ。[119・50]を売れば勝つ可能性が高いとストレートに考えて、[119・50]を売る。

(1)または(2)と考える人は、相場に向いていません。
(3)か(4)と答える人が、相場に向いている、と言えるでしょう。
(3)と答えた人は、道端に倒れている人に対して、「ひと思いに、楽にして欲しいか?」「それとも、放っておいて欲しいか?」と尋ねるタイプです。
このタイプは、一般に、経済的に恵まれていなかったり、何かしらの苦労をしてきた人です。そういう人は、他者の苦しさを想像できる人ですから、マーケットの水面下で起きていることにも、想像力を働かせます。
(4)と答えた人は、育ちがよく、何の苦労もせずに、すくすくと育ったタイプでしょう。
幼少のころは、乳母日傘(おんばひがさ)の、お金持ちの「お坊ちゃま」「お嬢ちゃま」だったのではないでしょうか?

●●誰もが、たたかれる側に転落する可能性がある

お金持ちのお坊ちゃまが、爺やと道を歩いていると、道端に人が倒れています。それを発見したお坊ちゃまは、爺やに命令します。
「爺や、あそこに人が倒れている。
 もう死にそうだから、あの人のフトコロからお金を持ってきなさい」
爺やはうなずいて、倒れている人から財布を抜き取り、持ってきます。
「爺や、ご苦労!」
そう言って、お坊ちゃまは爺やと、その場を後にする。

ブラック・ジョークに仕立てるならば、こういったところでしょう。
相場の向き不向きで言うならば、不向きな人は、道端に人が倒れている場合に、
「大変だ! でも、面倒だから、かかわり合いにならないようにしよう」
と考えるタイプかもしれません。
――ただし、それが、一番普通なのかもしれませんが......。――

相場に勝つということは、誰かが負けている、ということです。強い者と戦うよりも、弱い者と戦った方が、勝つ確率は高くなります。ですから、相場は、「弱いヤツから巻き上げる」「弱いヤツをたたく」といった傾向があります。
しかし、自分が弱くなれば、すぐに、たたかれる側に回ることになる――そのことを忘れてはいけません。

●●勝っているときに、その裏側を想像できるか?

外国為替市場に集まってくる人たちは、みな、自分が勝つことを目的としている、ということも忘れてはいけません。
安っぽい同情や情けは通用しない「弱肉強食」の世界です。
かといって、水面下での苦しみを想像できない人は、「いずれ、淘汰されるのではないか?」
とも考えています。

相場は、多くの人たちが望まない方向に動くものです。
多くの人たちが損をする方向に相場が動き出すと、値動きは加速します。
我も我も、と損切りが湧き出てくるからです。

外国為替相場は、先に述べた「ゼロ=サム」ですから、自分が勝っているということは、必ず誰かが負けています。つまり、勝つためには、自分が勝っているときでも、負けている人の気持ちがわからないといけない。
そうでないと、相場の方向性が読めない、といったパラドックスに突き当たります。

外国為替市場は、弱肉強食の世界ですが、他者に対する優しさや思いやりがないと、生き残れない世界でもあるのです。

第73回 「相場持ち合いとなれば、同数の取り合いなり。逆向かいを可とする。」

今回は「相場持ち合いとなれば、同数の取り合いなり。逆向かいを可とする。」といった相場の格言について。
持ち合い相場が続くと、市場参加者の考えが、ブル・ベア均衡してくる。
 ブル派(相場が上がると考えている人達)は、価格が上昇すると、さらに買う行動に出る。思っていた通りの、いかにも強い相場つきに見えるので、買いでついて行きたくなるのだ。しかし、そこは逆向かって、売っても良いですよ。
 ベア派(相場が下落すると考えている人達)は価格が下がると、「ほれ、見たことか!」といわんばかりに売る。しかし、そこは逆向かって、買っても良いですよ。
 そういった意味。

 だけれども、相場の動きは、普通は結果として、「持ち合い相場」と気がつくのであり、いつ何時、「持ち合い相場」を放れるのかは、誰にもわからない。
 別な言い方をすれば、この相場はまだ「持ち合い相場」が続くのだ、と自ら判断した場合にのみ通用する格言なのです。

 相場の格言は、正しいことが多いのですが、まず、前提条件がそろわないと当てはまらない。

 だから、この格言は『逆向かいを可とする』といった表現をしています。
 『やりたければ、そのようにやっても良いですよ。』といったニュアンスなのです。
 言外に、『やらなくても良い(場合によっては、いつ何時放れるかわからないから、やらない方が良い)』といった意味合いが含まれているのです。

 『このようなときには、このように対応しなさい』といった強いニュアンスの場合には、『逆向かいをするべし』とか、『逆向かうべし』といった表現になるはずです。

 「膠着(こうちゃく)相場」というか、「Box相場」というか、そのような値動きをしている時にも、利益を追求しなければならない場合のアドバイス(格言)だと思います。

 相場そのものを商売にしている人達に向けての言葉(格言)と言ってもよいでしょう。

 しかし、「逆向かいを可とする」相場で、実際に「逆張りオペレーション」を行った場合には、最後に、どちらかに放れるところで、必ず、「損切り(負け)」になります。
 ですから、「逆張り」で何往復とれるのかが、損益の分かれ目になってしまいます。

 オプション・プレイヤーがストライク・プライスを中心に、売買を繰り返すオペレーション(これを「リボルビング・オペレーション」と言いますが)を良くやっていますが、その技法も、この格言にのっとったものです。

 ですから、本当は値幅の小さい「膠着(こうちゃく)相場」「Box相場」の場合には、「休むも相場」と考えて、パスした方が良いのでしょう。

 でも、こんな相場が続いてしまうと、「休んでばかり」になってしまいそうですが・・・・・。

第72回 「クロス円が強い、弱い」

最近になって、FX取引を始めた方々にとって、「クロス円が強い、弱い」といった表現は、「ちょっと、慣れないと、わかり難いのではないかな?」と、思います。

 外為市場の相場参加者が、【クロス円が強い、弱い】と言った場合の【クロス円】は、---誤解を恐れずに言うならば---【ユーロ/円レート】【ポンド/円レート】【スイス・フラン/円レート】【オーストラリア・ドル/円レート】を指しています。

 なおかつ、【クロス円が強い】と言った場合は、『クロス円レートで、【円安】』を意味します。
 これは、クロス通貨【ユーロ】【ポンド】【スイス・フラン】【オーストラリア・ドル】が、対円で強いということです。

 逆に、【クロス円が弱い】と言った場合は、『クロス円レートで、【円高】』を意味します。
 これは、クロス通貨【ユーロ】【ポンド】【スイス・フラン】【オーストラリア・ドル】が、対円で弱いということです。

 本来の説明も添付しておきます。
 こういったことは、わかり難いことなのです。
 長いこと専門に取引している人でも、新人の頃に、一生懸命に【丸暗記】しただけで、いつの間にか、当たり前のことになってしまい、よく考えたことがない市場参加者も、たくさんいます。

 【マスコミ】のこういった言葉の概念は、かなりいい加減です。ですから、こういった言葉を使っている人たち自身も、きちんと説明できないことが、多いのです。

 日本では、『為替レート』と一般的に言う場合は、暗に【ドル/円レート】を指す場合がありますが、本来『為替レート』と言った場合は、様々な通貨の組み合わせがありますので、2種類の通貨を、ちゃんと呼称するべきでしょう。そうしないと、わかりにくいですから。
 『ドル円為替レート』のように表示した方が、誤解がありません。

 【クロス円】の説明をしましょう。
 『ドル/円レート以外の、対円の為替レートのこと』を【クロス円レート】と呼びます。

 ですから、『クロス円レート』といった場合には、【ユーロ/円レート】【ポンド/円レート】【スイス・フラン/円レート】【オーストラリア・ドル/円レート】【ニュージーランド・ドル/円レート】【カナダ・ドル/円レート】【韓国ウォン/円レート】【中国元/円レート】・・・・

 と、本来の意味ならば、無限に(米ドルを除く通貨の数だけ)存在します。

 【ドル/円レート】は基軸通貨である米国ドルに対する円レートですから、【ドル/円】の市場レートが自立してあります。

 それに対して、【クロス円レート】は、基軸通貨である米ドルに対して成り立っている、それぞれの通貨のレート---例えば、【ユーロ/ドル】【ポンド/ドル】【ドル/スイス・フラン】などのレート---から、計算して導かれるレートのことです。

 通貨取引(外国為替取引)は、【通貨と通貨の交換取引(契約)】ですから、【対価と対価のやり取りであり】ややっこしいところがあります。
 わかりにくいのですが、最終的には慣れるしかありません。

 こういったことは、誰にとってもわかりにくいことです。誰もが、疑問に思っていることでしょう。

第71回 日銀の利上げは、7月?8月?

例年通りに、7月4日(=米国独立記念日)から、外国為替市場が、『夏休み相場』に、突入している、と考えている。だから、何かするにしても、基本的には、ポジションを少なくして、臨むべき、と考えています。場合によっては、8月下旬まで、のんびりと、何もしないことも戦略だ、と考えています。

先週は、BOE、ECB、米国雇用統計などがあったので、また、日銀の政策委員会・金融政策決定会合を、7月11日、12日に控え、さらに、日本では参院選があるのだから、マーケット(外国為替市場・FX市場)は、いわゆる「夏休みモード」では、まだ、ない。
しかし、徐々にそういったセンチメントになっていくだろう、と見ている。『夏休み相場』は、市場参加者が薄くなります。市場参加者が閑散となるときは、セオリーが働かなくなります。

上記の前提の下に、7月10日時点で、東京市場でのユーロ/ドル(EUR/USD)は、1.36台前半で動き無し。7月10日のロンドン市場で、一歩前進して、1.36台ミドルに上昇した。
 ユーロ/ドル(EUR/USD)のチャート・ポイントであった[1.3700]が、注目されていたが、7月10日のニューヨーク市場の午前中に、上に抜けた。
ユーロ/ドル(EUR/USD)の[1.3700]、ポンド/ドル(GBP/USD)の[2.0200]を、それぞれ、上に抜けた。
 チャート・ポイントを上に抜けたことで、それぞれ、「ユーロ買いドル売り」「ポンド買いドル売り」のシグナルを付けた。
この時点で、ドル/円(USD/JPY)も下落気味なので、「ドル売り」に動いており、マーケット全体に、整合性もある。

日銀の政策委員会・金融政策決定会合では、7月は、参院選を控えて、円金利を据え置き、参院選の結果はどうであれ、8月に利上げを実施するのではないか、といった見方が一般的。
7月に円金利引き上げが実施されても、不思議ではないが、市場にとってみれば、7月に利上げが実施されれば、意外感があるだろう。

7月10日のロンドン市場で、ユーロ/ドル(EUR/USD)での「ユーロ買いドル売り」が進んだことから、ドル/円(USD/JPY)でも、「つれて、ドル売り」気配となった。

「クロス円などでの円買い」の影響もあって、7月10日のニューヨーク市場の午前中に、[122.00]を割れ、121円台後半まで急落した。
7月10日のニューヨーク・クローズから、日付が替わった、翌日(7月11日)のシドニー市場で、再び[122.00]を割り込んだ辺りを攻めた。
短時間で、ドル/円(USD/JPY)は急落して、[121.00]割れまで1円の下落を見ている。
現状のマーケットでは、ドル円は、円キャリートレードの影響で、需給に歪みがあるので、個人的には、ドル円を、やりたくない。
 しかし、ユーロドルや、ポンドドルの上昇のスピードより、ドル円の下落スピードの方が、速くなる可能性もある。
 その場合は、クロス円は、下落する。

そのケースになる場合は、円金利引き上げが、材料視されるかも知れない。

仮に、7月12日の日銀会合で、据え置き、となっても、8月の利上げが確実ならば、マーケットは、先読みする。短期金利市場は、先読みした金利で、取引をするだろうから、経済的効果は、事実上、同じになる。
7月に円金利引き上げがあれば、それなりに「サプライズ」はあるのだろうが、7月でも、8月でも利上げが確実ならば、事実上、大差無し。効果は、同じことだ、と考えています。
(2007年7月11日東京時間15:00記述)

第70回 もう、『夏休みシーズン』に突入しています

【年間スケジュール】に従えば、『シーズン』では、とっくに、『夏休み』に突入しています。
 マーケット(FX市場)では、先週末には米国失業率(雇用統計)の発表があったり、ユーロ/円(EUR/JPY)は、「ユーロ統合以来の最高値」を更新して、168円台に乗せるなど、まだ、活況を呈しています。
 だから、それに(そういったことに)目が向いてしまうが、『夏休みのシーズン』に突入していることを、忘れてはいけない。

 (相場を)止めたければ、すぐにでも、『夏休み体制』に入って、レイト・サマー・ホリデー(8月下旬)まで、なにもしないことも、『例年のセオリー』だ!---(強い断定です)---
 まあ、いろいろと、イベントが、矢継ぎ早に出ているので、(相場を)止めるべきだ、とは、言わない。
 「夏休みシーズン」や「クリスマス・シーズン」は、市場参加者が少ないから、---場合によっては、いなくなるから、---それに注意しましょう、と言っているだけです。

 今年のように、何かと、イベントが連続していたり、活況を呈している時は、市場参加者がいる。だから、やりたければやれば良い。ただし、勧めるつもりもない。---セオリーに従えば、米国独立記念日から、『夏休みのシーズン』は始まっているのだから。---
 個人的には、「もう『夏休み』でもいいかな・・・?」と、思っています。

 マーケットが、こういった季節ですから、ちょっとここで、【年間スケジュール】について述べておきましょう。
 相場は、私たちの都合は、聞いてくれません。しかし、毎年、決まりきったパターンがあります。一度、覚えてしまえば、毎年、年間スケジュールは、ほぼ同じです。(イースターの時期が違うのですが、それも、大差がありません。)
 以下の通りです。
1月:[がんばる月]まずは、リハビリ(12月はのんびりしていたので)。トレンドを調べる、チャートを調べる、12月中のニュースを紐解く、など、確認の作業から始める。
2月:[もっと、がんばる月]
3月:[もっと、もっと、がんばる月](イースターが、3月にある場合は、休憩する。)
4月:[後半のゴールデン・ウィークに備える月]ゴールデン・ウィークは、ポジションを取らずに、いったん休憩。(イースターが、4月にある場合は、それも休憩する。)
5月:[ゴールデン・ウィーク明けからがんばる月]まずは、リハビリ(ゴールデン・ウィーク中はのんびりしていたので)。1月と同じように、まずは確認の作業。
6月:[しっかり、がんばる月]
7月:[夏休み(サマー・バケーション・シーズン)] 夏休みのスタートは、『米国の独立記念日』から。
8月:[夏休み(サマー・バケーション・シーズン)] 夏休みの終了は、ロンドンの、『レイト・サマー・ホリデー』まで。
※7月〜8月の[夏休み(サマー・バケーション・シーズン)]は、その年によって、そのスタートは、遅れる場合があります。しかし、夏休みの終了は、ロンドンの、『レイト・サマー・ホリデー』までで、だいたい不変です。
9月:[がんばる月]
10月:[もっと、がんばる月]
11月:[12月に、ちゃんと休めるように、もっと、もっと、がんばる月]
12月:[クリスマス・シーズン=何もしない月]こんな時期に、『相場をやっているヤツは、負けたヤツ』と、横目で眺めている月。

第69回 今回の参院選は、外国為替相場には関係ない、と考えています

7月になって、防衛大臣が、その発言の責任を取って辞任しています。このニュースは、参院選にも大きな影響を与えることでしょう。
 しかし、それでも、参院選が、外国為替市場に与える影響は、軽微だと、考えています。
 もっと、はっきり言えば、今回の参院選は、外国為替相場には、関係ない、と考えています。
 それは、言い過ぎだ、というご意見もあるでしょう。しかし、現実を、直視すれば、今回の参院選で、自民が負けようが勝とうが、衆院での自民多数には、何も変化は無いのです。
 参院選の結果で、総理大臣が変わるかも知れませんが、それを含めて、外国為替市場には、関係ない、と考えています。

 それに、今回の選挙で、「前回の衆院選のような、自民大勝」を予想しているでしょうか?  あるいは、事前に予想していたでしょうか?
 さすがに、今回の参院選は、「自民が負けること」が前提で、『その負け具合がどの程度であるのか?』がテーマなのではないでしょうか? あるいは、テーマだったのではないでしょうか?
 つまり、『自民が負けることは、すでに、マーケットでは「織り込み済み」の状態』と、言える、と考えています。

 念のために、加筆しておきますが、私は、どこかの政党を、特に応援したり、どこかの政党の足を引っ張るつもりは、全くありません。
 主義主張が無い訳ではありませんが、今回の参院選が、マーケット(外国為替市場・FX市場)に与える影響を、冷徹に見ているだけです。
 マーケットで生き残るには、現実をとらえた、冷徹な、現状分析が一番大切と信じるからです。

 日本の政治(選挙など)は、その結果が出た時の瞬間風速だけで、たいして影響も無いから、過大に評価してはいけない。ましてや、今回は参院選。世界経済には、関係無い。

 そうは言っても、 自民が負ければ「円売り」の材料にしたがる人もいることでしょう。
 しかし、自民が、負けようが、万一、勝とうが、その影響は、ほとんど皆無。
 残念ながら、日本の政治など、世界の人々は、注目していない。
 そういった意味では、日本人は、自意識過剰。
 日本の参院選は、外為市場に関係無い。

 それでも、いかにも、さもありなん、といった「ご意見」を言いたがるコメンテーターは、腐る程、これからも、出てくることだろう。参院選が近づけば、なおさらだ。
 日本の政治が、世界から、相手にされないのは、 個人的には、誠に、残念至極の感に堪えないが・・・。

 しかし、海外の投資家は、日本の選挙が、何の影響もないことに賭けていることだろう。

 米国の二大政党の名前くらい、誰でも知っているだろう。
(それを、知らずに、外国為替市場に参加していたら、かなり危険。最近は、そういう人も、多いのだろうと、心配する。)

 しかし、日本の政党の名前を知っている人は、海外市場に、どれくらいいるだろうか?
 それは、知らなくとも、当然だし、知らなくとも、困らない。だから、知る必然性がない。

第68回 「重要な時間帯」「東京市場の機関投資家」

拙著「FXで稼ぐ人は、なぜ「1勝9敗」でも勝つのか?」の中の、第5章「年間スケジュール」で、季節により、重要な時期と重要ではない時期があることを記述しました。

 実は、一日の中にも、重要な時間帯と重要ではない時間帯があります。

 ただし、一日の「それ」は、「年間スケジュール」よりも、フラクチュエーション(フラフラと変動すること)の激しいもので、一概に、なかなか、言い切れません。

 それは、『そのとき(その時代)の、マーケットに影響力を持つ巨大投資家が、どのマーケットに棲息しているか?』に、因るからなのです。

 このところの外国為替市場では、ニューヨーク時間の午後から、シドニー市場で、比較的大きく動くケースが目立ちます。
 それは、その時間帯に棲息しているファンドが、行動を起こしているからだ、と考えています。

 「重要な時間帯」を知らずに、「自分の都合」で、売買をしたがるだけでは、なかなか相場に勝てるものではありません。重要な時間帯を、事前に察知して、その時を待ち行動する必要があるのですが、ニューヨーク時間の午後から、シドニー市場といった、そんな時間にマーケットに動かれると、東京市場の参加者にとっては、若干、迷惑でもあります。

 しかし、現在は、米国のサブプライムローン問題などが注目されていますから、今しばらくは、仕方がないことでもあります。

 もうひとつ、このところのマーケットの注目点として、東京市場の機関投資家について述べておきましょう。

 東京市場の機関投資家は、通常、昼から午後に、出て来ます。
 投信(外貨投資信託)の設定は、昼から午後一に、行われることが多いのです。それは、午前中に集計して、金額を確定するから、ということです。

 相対的に見ると、つまり、海外の機関投資家(米系ヘッジファンドなど)に比べると、日本の機関投資家は、行動が鈍いところがあります。鈍い、といった表現が適切ではないのならば、比較的に行動が遅い、というべきでしょうか?

 それは、感性が無いサラリーマンが多いこと。かつ、為替より、債券や株式という現物を重要視しているということ。債券、株式、為替を行う場合、為替が最後になります。
 為替が、一番、整合性無く、説明が、難しい、ということ。
 為替に精通したファンドマネージャーは、少ない、ということでもあります。
 厳しいコメントで、恐縮ですが、舌鋒厳しくあるも、あくまでも、一般論として、正しい、と、思っています。
(特定の人を指して、非難しているのではありませんので。あくまでも、一般論です。念のため。)



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