第59回 「円キャリー・トレード」でユーロ/円は振幅

まったくもって、『綾(あや)』の大きさは、事前には、誰にもわからない。
 ユーロが、対ドルで修正局面にあったのは、明白だが、5月25日金曜日のシドニー・東京で、対円でも修正局面の兆しを発した。

 5月25日金曜日のロンドン、ニューヨーク市場で、もう一段の調整の可能性を期待していたが、この日は、ポジション調整より、新規の「円キャリートレード」の方が、大きかったようです。

 「綾(あや)」の大きさ(時間と値幅、両方とも)は、事前には、誰にもわかりません。
 逆に言えば、「後になれば、誰にでも分かる」ということです。後から、チャートを見て、結果論で、わかる、ということです。
 別な言い方をすれば、綾の大きさ(値幅)、そして時間の経過による綾の終了は、そのときには、その最中には、その瞬間には、わからない、ということです。

 事前に、予見できることと、予見できないことがあります。繰り返しますが、「綾(あや)」の大きさ(時間と値幅、両方とも)は、事前には、誰にもわかりません。分からないものは分からないのです。

 5月25日金曜日の値動きでは、ユーロ円が、このところの高値[164.00]アラウンドから、162円台前半まで、2円弱下落したことで、このところの「ユーロ統合以来の最高値圏」つまり163円台では、「円キャリー」をしたくない、と考えていた市場参加者は、価格が安くなったので、新規参入したようです。

 新規参入が大きくて、市場規模を拡大させるほどの金額で、新規の「円キャリー」が行なわれれば、急激に、ユーロ円が値を戻す。そのパターンで来るほど、「円キャリー」が強いのならば、つまり新値を更新するようならば、換言すれば、ユーロ円の[164.10-20]は、高所恐怖感はあるが、勇気を持って、敢然と、買いで付いて行く必要があると、この時点で考えていました。

 5月29日(火)の東京市場のユーロ/円は、[163.60-70]レベルでオープンしましたが、この日の朝方の東京市場では、国内機関投資家の一部から、ユーロ/円の売りが出た。
 ユーロ/円は、東京市場の午前中に、[163.00]アラウンドに下落。その後の東京市場午後は、163円台前半で膠着した。

 ところが、この日(5月29日)のロンドン市場では、ユーロ/ドルが上昇。
 その理由は、ユーロ金利引き上げの観測・思惑が広がったこと。
 また「ユーロの基軸通貨化」で、外貨準備の構成がドルからユーロにシフトしているが、その動きが強まるといった思惑があった。

 この日(5月29日)のロンドン市場では、ユーロ/ドルが上昇したことから、ユーロ/円が上昇を始め、163円台ミドルを上に抜けると、目先でユーロ/円を売っていた向きの損切り(ユーロ買い円売り)を誘発した。

 5月29日(火)のロンドン市場では、「ユーロ買い」が目立ち、ユーロ/ドル、ユーロ/円が、共に上昇。
 ユーロ/円は、なかなか突破できなかった[164.00]を上に抜けた。
 5月29日(火)のニューヨーク市場の朝方には、[164.25-35]レベルの高値を付けた。
 これは、「ユーロ統合以来の最高値の更新」。
 「ユーロ/円上昇トレンド」を再確認した、と考えている。

 ニューヨーク市場では、昼ごろまで、ユーロ/円は、164円台前半で持ち合い小動きに推移した。
 しかし、ニューヨーク市場午後になって、追随の「ユーロ買い円売り」がなかったことから、今度は163円台ミドルに反落。全く、振幅が激しい。

 前回にも書きましたが、「ユーロ高」で、高所恐怖の感覚は、誰でも持っています。
 ポジションが大きくなり過ぎないように留意するところです。ストップ・ロス・オーダーで自分を守る(損失が大きくなり過ぎないように守る)ことが大切です。
 振幅も激しく、決して、易しいマーケット(相場)ではありません。

第58回 【綾戻し】【修正局面】はありましたが、「円キャリー」の強さにびっくり

先週(5月24日)のコメントで、【綾】(あや)【綾戻し】(あやもどし)、【修正】【修正局面】について述べました。
 このコメントを書いたのは、5月22日(火)東京時間夕方だったのですが、近々、それがあるだろう、と、考えていたからです。

 先週の前半は、ドル/円も、ユーロ/円などのクロス円も、このところの最高値圏にありましたが、全てのマーケットが、煮詰まった状態で、全てが、膠着した状況に感じていました。
 特に、ユーロ/円は、164円に届きそうで届かず、164円台に乗せることが出来ていません。
 このところのユーロ/円の最高値は[164.00]アラウンドですが、それも無理やり付けた印象で、明確に、上にブレイク(突き破る)していません。つまり、164円台に、しっかりと(完璧に)乗せることが出来ていません。
 少し、様子を見たい、と考えたので、それで、上記のような外国為替取引の専門用語の説明を書きました。
 ただし、ユーロが、対円、対ドルで、新高値を更新する場合は、敢然と、「ユーロ買い」で付いて行く必要があることにも、触れています。

 こういったものは、非常に感覚的なもので、『杞憂に過ぎないのなら、それで良い』、と、思っていたのですが、『何だか、マーケットが変だ(煮詰まった感じ)』という感覚。明確な、シグナルではないので、『何か、変だ』としか、言いようがないのです。

 ユーロが、対ドルで修正局面にあったのは、明白ですが、5月25日金曜日のシドニー・東京市場で、対円でも修正局面の兆しを発しました。5月25日金曜日の東京市場では、ユーロ円は、162円台前半まで急落しています。このところの、高値水準からみれば、2円弱の急落になります。

 マーケットが動き出してから、言うのは、簡単で、誰にでも出来ます。
 しかし、それでは、間に合わないし、実際には役に立たないのではないでしょうか?
 そうは言っても、事前に、予見できることと、予見できないことがあります。繰り返しますが、分かるものと、分からないものがあるのです。

 ユーロ円が、このところの高値[164.00]アラウンドから、162円台前半まで、2円弱下落したことで、このところの「ユーロ統合以来の最高値圏」つまり163円台では、「円キャリー」をしたくない、と考えていた市場参加者は、価格が安くなったので、新規参入する可能性がありました。

 そして、その新規参入が大きくて、市場規模を拡大させるほどの金額で、新規の「円キャリー」が行なわれれば、急激に、ユーロ円は値を戻すだろうことも考えていました。

 そのパターンで来るほど、「円キャリー」が強いのならば、つまり新値を更新するようならば、換言すれば、ユーロ円の[164.10-20]は、高所恐怖感はあるが、勇気を持って、敢然と、買いで付いて行く必要があります。

 個人的には、『綾(あや)』まで、取りに行く必要は、ない、と考えています。
 『綾(あや)』の大きさは、事前には、誰にもわからないからです。
 ただし、不必要な損失は避けた方が良い、とも考えています。

 そうは言っても、ユーロが、対ドルで修正局面にあり、対円でも修正局面の兆しを発したのですから、個人的には、5月25日(金)のロンドン、ニューヨーク市場で、もう一段の調整下落の可能性を期待していました。
 しかし、先週末の値動きを見ると、「ポジション調整」より、「新規の円キャリートレード」の方が、大きかったようです。

 個人的には、【綾戻し】(あやもどし)、【修正局面】が、近々、あるだろうと考えていたことは、その通りだったのですが、「円キャリー・トレード」の力強さを見せ付けられ、唖然とした、というのが正直な感想です。

 後は、あわてずに、行動する必要があります。
 繰り返します。
 そのパターンで来るほど、「円キャリー」が強いのならば、つまり新値を更新するようならば、換言すれば、ユーロ円の[164.10-20]は、高所恐怖感はあるが、勇気を持って、敢然と、買いで付いて行く必要があります。

 新値を更新するだろう、といった予断、予測で、動くのは、不可です。
 また、高所恐怖の感覚は、誰でも持っています。ポジションが大きくなり過ぎないように留意するところです。ストップ・ロス・オーダーで自分を守る(損失が大きくなり過ぎないように守る)ことが大切です。
 決して、易しいマーケット(相場)ではありません。

第57回 専門用語の説明:【綾戻し】(あやもどし)【修正局面】

今回は、外国為替取引で、使われる専門用語の説明をします。

【綾】(あや)【綾戻し】(あやもどし)

 【揺り戻し】とほぼ同じ意味。【揺り戻し】の意味は以下の通り。
 相場がオーバーシュートした後で起こる修正のこと。
 相場が行き過ぎて売られたり、買われたりすると、その後で、その反対の動きが起こる。その動きを指して、「揺り戻し」と言う。
 売られ過ぎて、相場が大きく下落した場合ならば、その後で、急な買い戻しが起こって、相場が急反発する。
 買われ過ぎて、相場が大きく上昇した場合ならば、その後で、頭が重くなり、相場が急落する。
 「揺り戻し」のと呼ぶ場合は、おおもとの流れ(相場の動き)よりも値幅が小さい。
 例えば、相場が売られ過ぎて大きく下落した後で、「揺り戻し」が起こり、反転急反発しても、相場が下落を始めた水準まで戻るわけではない。
 「揺り戻し」が起こると、その水準で、小さな「レンジ相場」を作ることが多い。

 【綾(あや)】【綾戻し】といった場合は、必ずしも、相場がオーバーシュートしたときばかりを指すわけではない。
 相場がトレンドに従って動いているときに、一時的に、相場が逆方向に動くことがある。
 そういった一般的なケースでも、【綾(あや)】【綾戻し】と呼ぶ。

 また、一日のような短い時間でも、時系列で相場を見ると、短いトレンドがある。
 ただ、相場は一方方向に動き続けることはないので、そういった短い時間の中で、逆方向に振れることがある。この場合も、【綾(あや)】【綾戻し】という。


【修正】【修正局面】(Correction)

 相場の動きは、上下動を繰り返す習性がある。
 だから、相場が一本調子に上昇したり、一本調子に下落したりした場合に、それまでの値幅よりも小さく、相場がいったん反転して、そこで「レンジ相場」(持ち合い相場)を形成することがある。
 この反転して、小幅な上下動を繰り返す値動きを、修正(Correction)、修正局面と呼ぶ。
 調整、調整局面と同義語。

 ドル/円も、ユーロ/円などのクロス円も、このところの最高値圏にあります。
 しかし、全てのマーケットが、煮詰まった状態で、全てが、膠着した状況に映ります。

 特に、ユーロ/円(EUR/JPY)は、164円に届きそうで届かず、164円台に乗せることが出来ていません。少し、様子を見たい、といった雰囲気です。
 それで、上記のような専門用語の説明を述べました。

 ただし、ユーロが、対円、対ドルで、新高値を更新する場合は、敢然と、「ユーロ買い」で付いて行く必要があります。

(2007年5月22日東京時間18:30記述)

第56回 ユーロ/円

前回のコメントでも、基本的に、「ユーロ・ブル(ユーロ強気、ユーロが上昇すると考えること)」のスタンスは変わっていない、と述べました。

 ユーロ(EUR)は、対円で、ユーロ統合以来の最高値を更新中だから、つまり、ユーロ/円(EUR/JPY)は、163円台後半の高値を付けて、さらに更新する勢いを見せていますから、どうしても、対ドルではなく、ユーロ/円(EUR/JPY)に目が行ってしまいます。

 このところの相場で、対処法としては、対円でも、対ドルでも、「ユーロ買い」で付いて行くしか、他に見当たらない、と考えています。

 先週の後半も、ユーロ/円(EUR/JPY)は、堅調に推移し、「ユーロ統合以来の最高値」をうかがう値動きが続いていました。しかし、総じて見れば、163円台で膠着。それでも、「ユーロ統合以来の最高値圏」での小動き。
 「円キャリー・トレード」は根強い、マーケット(外国為替市場)には「円キャリー・トレード」の影響が強い、といった印象でした。

 そういった状況の中で、週末(5月18日金曜日)のマーケットでは、人民元(CNY)が対ドルでの変動幅拡大を決定。また中国元(CNY)の1年物貸出基準金利を[0.18%]引き上げて、[6.57%]とした。
 このニュースを材料に、ユーロ/円(EUR/JPY)は、163円台後半ないしは163円台ミドル程度から急落。162円台ミドルを付けています。

 ところが、ニューヨーク市場では、ユーロ/円(EUR/JPY)は、急反発して163円台ミドルに戻しています。


 ここで「バイ・オン・ディップ」(buy on dip)について述べておきましょう。
 外国為替市場の、英語の格言です。直訳するなら、『ディップで買え』。

 上昇相場では、定期的に、自律調整で、軽く、ストンと、下落する場面(局面)があります。この自律的な調整下落を「ディップ(Dip)」と言います。

 この「ディップ(Dip)」の大きさは、実は、さまざまです。
 現在のユーロ/円(EUR/JPY)に関していえば、通常の「ディップ(Dip)」は、2〜3円でしょうが、大きい「ディップ(Dip)」のときは、5〜6円の場合があります。

 現在のユーロ/円(EUR/JPY)で、20〜30銭の下げを指して、「ディップ(Dip)」と言う人がいますが、それは、通常のフラクチュエーションに過ぎないでしょう。

 ※フラクチュエーション=為替レートが、実際のマーケット(市場)で上下動を繰り返す様子を表す言葉

 大きな「ディップ(Dip)」の場合には、便宜上のストップ・ロス・オーダーを使って対応するべき、と考えます。

第55回 基本的に、「ユーロ・ブル」トレンド

このところのマーケット(外国為替市場)を見ていて、基本的に、「ユーロ・ブル(ユーロ強気、ユーロが上昇すると考えること)」のスタンスは変わっていない。

 ユーロ(EUR)は、対円で、ユーロ統合以来の最高値を更新中だから、つまり、ユーロ/円(EUR/JPY)は、163円台後半の高値を付けて、さらに更新する勢いを見せているから、どうしても、対ドルではなく、ユーロ/円(EUR/JPY)に目が行ってしまう。

 このところの相場で、対処法としては、対円でも、対ドルでも、「ユーロ買い」で付いて行くしか、他に見当たらない。

 対円でも、対ドルでも、「ユーロ買い」が強いので、通常のマーケット(外国為替市場)とは、ゆがんでいることがひとつある。

 通常のマーケット(外国為替市場)は、対ドル取引が、本来は主流だ。
 だから、ユーロ/ドル(EUR/USD)を考えると、「ユーロ買いドル売り」が本来のトレンドと、私は考えている。
 だから、現在は、「ドル売り」が本来のトレンドと、私は考えている。

 しかし、上述の通りに、ユーロ/円(EUR/JPY)が強い上昇を示している。
 ユーロ/円(EUR/JPY)が上昇する場合は、「ユーロ買い円売り」が行われているので、この「円売り」が、ドル/円(USD/JPY)に「(ドル買い)円売りプレッシャー」を与えている。
 つまり、ドル・ベースで考えると、本来のトレンドが「ドル売り円買い」であっても、ユーロ/円(EUR/JPY)の影響で、その力が、相殺されている。
 そして、こういった「円売りプレッシャー」は、ユーロだけではなく、ポンドや、豪ドルなどの、全てのクロス円取引の力も加わるから、場合によっては、ドル本来のトレンドを捻じ曲げて、ドル/円(USD/JPY)レートを押し上げている。

 そのために、ドル/円(USD/JPY)は、膠着感が出ている。値動きが緩慢で、取引意欲をそぐ。

 今のところ、ドル/円(USD/JPY)の取引を避けて、「ユーロ/円(EUR/JPY)の買い」で付いて行く戦術が有効だ、と考えている。

 ただし、「ユーロ買い」で付いて行く場合でも、一定のところで、「ストップ・ロス・オーダー(損切り注文)」を入れて置き、損失が大きくなり過ぎないように、自らを守ることが大事。

 こういった値動きが続くと、真面目に、「ストップ・ロス・オーダー(損切り注文)」を入れて置くスタイルは、いわゆる「損切り貧乏」で、ばかばかしく感じることもあるだろう。
 しかし、それは、値動きが、大きなものではなく、「ディップ(Dip)=下押し」が小さいからだけの話。要するに、『たいした相場ではないから(値幅が小さいから)』に他ならない。

 後になって『「ストップ・ロス・オーダー(損切り注文)」を入れて置けば良かった』と思うようなときは、すでに、致命傷になっていて、手遅れになるケースが多い。

 ユーロ/円(EUR/JPY)は、ユーロ統合以来の最高値を更新中だから、高所恐怖感を持つ人も多いだろうが、だからこそ(自分を守るためにも)、適宜、「ストップ・ロス・オーダー(損切り注文)」を入れて置くことが重要と考えます。

第54回 「円キャリー・トレード」は根強い、といった印象

5月に入ってのドル/円(USD/JPY)は、[120.00]を挟んだ小動きで、膠着した状態が続いている。

 ゴールデン・ウィーク中の最後に、米国雇用統計(失業率)といった重要指標が発表されたが、ゴールデン・ウィークが明けても、5月9日(水)には、米国のFOMCが控えていた。そのため、重要イベントを控えて、積極的な売買になっていない。

 FOMCの結果は、ドルの政策金利据え置き。事前の予想通りで、注目は、その声明文だった。しかし、声明文もほぼ前回同様。
 この声明文を受けて、ドルの金利水準は、目先変わらないと見たマーケットは、若干のドル買いに反応。引き続き、ドル/円は、[120.00]前後での値動き。

 5月10日(木)には、ポンド(GBP)の政策金利、ユーロ(EUR)の政策金利が発表された。
 英国中銀(BOE)は、事前の予想通りに、ポンド(GBP)の政策金利を[0.25%]引き上げて、[5.25%]から[5.5%]とした。
 欧州中銀(ECB)は、事前の予想通りに、ユーロ(EUR)の政策金利、[3.75%]の据え置きを発表した。

 また、5月10日(木)、ニューヨーク市場で、発表された米国貿易収支(3月)は予想よりも悪かったが、発表直後は、あまり反応無く、ドル/円は、120円台ミドルに推移した。

 しかし、5月10日(木)のニューヨーク市場午後になって、ユーロ/円などクロス円の下落が大きくなると、ドル/円は、120円台ミドルから119円台後半に急落した。

 5月11日(金)の東京市場、ロンドン市場では、ユーロ/円などクロス円の下落が続き、その影響から、ドル/円にも「ドル売り円買い」のプレッシャー(圧力)がかかった。ロンドン市場の朝方には、ドル/円は119円台ミドルまで下落している。

 ところが、5月11日(金)のニューヨーク市場では、ユーロ/円などクロス円の買戻しが出た。
 ユーロ/円は、ロンドン市場で付けた安値161円台前半水準から、ニューヨーク市場で[162.50]水準まで上昇。約1円50銭の急騰となっている。
 目先で、「円キャリー・トレードのアンワインド(巻き戻し・解消)」を心配して、ユーロ/円を売っていた向きのストップ・ロス(損切り)を付けて、ユーロ/円は、典型的な「ショート・スクイズ(損切りの買戻しで急上昇する値動きのこと)」を起こした。
 この影響から、ドル/円にも、「円売り圧力(プレッシャー)」がかかり、5月11日(金)のニューヨーク市場では、ドル/円は119円台ミドルから120円台前半に上昇している。

 週末のニューヨーク市場では、「円キャリー・トレード」は根強い、といった印象を残した。
 5月に入ってのドル/円(USD/JPY)は、[120.00]を挟んだ小動きで、膠着した状態が続いているが、まだ、この膠着した状態は続きそうだ。
(2007年5月12日東京時間15:30記述)

第53回 重要指標、イベントを前に様子見のマーケット

ゴールデン・ウィークが明けて、マーケットは、あまり、活況ではない雰囲気です。
 今週は、5月9日(水)に、米国のFOMCが開催され、ドルの政策金利が発表されます。
 5月10日(木)には、英国で、BOE政策金利の発表があり、かつ、ECB理事会で、ECB政策金利の発表があり、なおかつ、この日は、米国貿易収支(3月)が発表されます。
 重要指標、イベントを前に、積極的に売買をする様子が見えません。

 今週前半のドル/円(USD/JPY)は、総じて、120円台に乗せたあたりから、119円台後半で、まずはFOMC待ち、といったセンチメントです。

 ゴールデン・ウィークが明けのユーロ/円(EUR/JPY)は、163円台前半の「ユーロ統合以来の歴史的最高値圏」で小動きでしたが、5月8日(火)の東京市場の夕方になって、重要指標、イベントを前に、「円キャリー・トレード」の利食いが出た様子。
 5月8日(火)のロンドン市場でユーロ/円(EUR/JPY)は、163円台から162円台ミドルに下落。[162.50]を下に割り込むと、目先で、「ユーロ買い円売り」をしていた向きの損切り(ユーロ売り円買い)が出て、下げ足を加速しています。この日のニューヨーク市場の午前中に、一時、[162.00]割れも見ています。
 特段の理由はなく、ポジション調整が主要因。
 ニューヨーク市場の午後は、反発して、162円台ミドルに戻した。
 基本的に、重要指標、イベントを控えてのポジション調整による上下動、と考えています。
 ユーロ/円(EUR/JPY)も、総じて、FOMC待ち、といった雰囲気です。

 5月8日(火)のロンドン市場から、ユーロ/ドル(EUR/USD)の下落も目立ちます。
 要因は、上述と同じで、イベント&重要指標を控えてのポジション調整。

 このまま、ユーロ/ドル(EUR/USD)が下落する場合でも、
 『「方向転換(トレンド転換)」ではなく、「調整」「綾戻し(あやもどし)」と見たほうが良いかな?』
と、思っています。

 ユーロ/ドル(EUR/USD)が下がるとしたら、[1.3400]割れたあたりがターゲットになります。
---あくまでも、チャートを見ると、下がるなら、そこがターゲットになると言っているだけです。別に、そうなると、予想しているのではありませんので、文章の後ろにある、真意を汲み取ってください。---

 そう考えると、ユーロ/ドル(EUR/USD)は、[1.3500]を割れたあたりで、「一時的、退却」。つまり、[1.3470]アラウンドでは、一時撤退。
 その場合は、1.33台を拾うことを考えた方が良い、と見ています。

 そのパターンは、今回はないと思いますが、(私は、今のところ、そう思っていますが、)ユーロ/ドル(EUR/USD)が、加速して急落する場合は、「値ごろ感」で、買ってはいけない、と考えています。
 為替レートの絶対値がいくらになったのか、を見るのではなく、その「変化のスピード」、つまり、「値動き」を見ることが重要です。

 一般に、『様子見』というと、『何もしないこと』を指して、そうコメントしているのを見かけますが、『様子見』は、何もしないこと、ぼんやりと見送ることではありません。

 私は、今のところ、ユーロ/ドル(EUR/USD)に関しては、「ユーロ・ブル」=「ユーロ買いドル売り」で見ています。
 しかし、[1.3470]あたりまで下に押すならば、いったんスクエア(ポジションの無い状態)にして、様子を見て、改めて、「ユーロ買いドル売り」を行なうところを探せば良い、と考えています。
 1.35台前半で、どうしても、強いて何かするならば、「ユーロ買いドル売り」を行います。
 トレンドは、「ユーロ・ブル」と見ているからです。

 しかし、GW(ゴールデン・ウィーク)の前後で、1.35台、1.36台でユーロ/ドル(EUR/USD)をロングにした市場参加者は、[1.3470]あたりで、いったんの損切りを行なう水準です。
 そういった値動きを見せた場合には、巻き込まれたくない、と考えています。
 しかし、[1.3500]を割り込んだ程度では、「トレンド」は変わりません。
(2007年5月9日東京時間18:00記述)

第52回 ゴールデン・ウィーク終了です!

ゴールデン・ウィークが終わりました。

 ゴールデン・ウィークの始まる直前には、
『4月末から5月初旬は、ゴールデン・ウィークで市場参加者が薄くなるところ。
 市場参加者が薄いときは、値が飛ぶようなこともよくあること。
 4月27日金曜日のニューヨーク市場では、ユーロ/円(EUR/JPY)が、「ユーロ統合以来の歴史的最高値」をまたまた更新して、163円台でのクローズとなっている。
 また、ユーロ/ドル(EUR/USD)が、[1.3700]を上に抜けると、大量のストップ・ロス・オーダーが控えている。
 波乱のゴールデン・ウィークになる可能性がある。』
と考えていましたが、ゴールデン・ウィーク中のマーケット(外国為替市場)は、総じて、静かだった印象です。

 ゴールデン・ウィーク直前のドル/円(USD/JPY)は、119円台で推移していましたが、5月になって、120円台に上昇しています。
 ゴールデン・ウィーク中に、ユーロ/円などのクロス円での「外貨買い円売り」が出て、その影響から、ドル/円に「円売り圧力」がかかった結果だと考えています。

 ユーロ/円は、ゴールデン・ウィーク中に、「ユーロ統合以来の歴史的最高値」をまたまた更新して、163円台ミドル---[163.50-60レベル]---を付けています。
 [163.50-60]レベルの最高値を示現後は、いったんの利食いに押されて、一時、162円台後半まで下落していますが、その162円台後半でも、水準としては「ユーロ統合以来の歴史的最高値圏」にある、と言っても良いでしょう。

 米国失業率(米国雇用統計)の発表があった5月4日(金)には、ユーロ/円は、再び163円台に乗せてニューヨーク・クローズを迎えています。
 ゴールデン・ウィーク中の外国為替市場で、目だったのは、ユーロ/円などのクロス円での「外貨買い円売り」と言えるでしょう。
 しかし、それも、高値を追いかけて上昇するのではなく、「最高値圏での持ち合い」といった格好で、「堅調な地合い」が印象に残った、というところです。

 ユーロ/ドル(EUR/USD)に関しては、 [1.3700]を上に抜けると、大量のストップ・ロス・オーダーが控えているので、市場参加者の薄いときに、「ユーロ買いドル売り」が進むと大荒れになる可能性を持っていましたが、[1.3700]が近づく局面では、いわゆる「防戦のユーロ売りドル買い」がでて、[1.3700]が付かないように、プロテクトしていました。
 ゴールデン・ウィーク中の高値は、[1.368-75-85]レベルだったのですが、[1.3700]に届かなかったことから、目先の調整局面となり、ゴールデン・ウィークの後半は、1.35台ミドルまで下落しています。
 しかし、市場参加者が薄く、積極的に取引を行なうステージではなかったのですから、ゴールデン・ウィークが明けて、徐々にマーケットが活発になってくる、今後の場面を期待しています。

 ゴールデン・ウィークが明けで、注意する点は、『通常のゴールデン・ウィーク明け直後の東京市場では、仲値決済が溜まっている』ということです。
 あくまでも、一般論ですが、通常の東京市場での仲値決済は、日々、毎日、若干のドル不足傾向があります。一日ごとの仲値不足(ドル不足)が、日々こなされている場合は、たいした影響になりませんが、ゴールデン・ウィーク明けの場合は、そういった仲値決済が、数日分まとめて処理されますから、通常よりも仲値不足(ドル不足)が、目立つ場合があります。
 週明け月曜日の仲値決めの時間(東京時間9:55ころ)前後には、そういったことにも留意しておく必要があります。
 それは、「仲値不足を材料にドルを買う」という意味ではありませんので、ご注意を。
 ドルが仲値不足を材料に急騰する場面があっても、釣られる必要はない、そういった原因があることを知っていれば、あわてずに対応できるでしょう。
 「ドルを買う」という目的があるならば、東京市場オープン早々に買ってしまえば良いし、「ドルをどこかで売ろう」と考えているならば、仲値の様子を見て、対応すれば良い、ということです。
 知っていれば、あわてずに対応できるし、知らないと、動揺して冷静な判断を欠きます。
 ただ、それだけのことです。
 仲値不足を狙ったスキャルピングは、私のお勧めするところではありませんので、説明を加えました。
(2007年5月5日22:00)

第51回 ポジションを持つ場合でも、リスクを限定して対応

4月末から5月初旬は、ゴールデン・ウィークで市場参加者が薄くなるところ。
 東京市場が休場になる場合は、アジア市場が閑散となるために、東京の休みにあわせて休暇を取るアジアの市場参加者が多くなります。
 また、ロンドン市場やニューヨーク市場の参加者たちも、東京市場の休場に合わせて休むケースが増えます。
 つまり、東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場が、世界の三大市場なのですが、三大市場のどこかが休みの時は、市場参加者が少なくなるということです。

市場参加者が薄いときは、値が飛ぶようなこともよくあること。
通常に参加者がいる場合は、大量の売り買いであっても、分散して吸収できる取引金額であっても、参加者が少なくなると、吸収しきれなくケースが出てくるからです。

現状のマーケット(外為市場)では、ユーロ/ドル(EUR/USD)が微妙な水準にあります。ユーロ/ドル(EUR/USD)が、[1.3700]を上に抜けると、大量のストップ・ロス・オーダーが控えているようです。

 昨日(5月1日火曜日)のロンドン市場、ニューヨーク市場では、[1.3680-85]レベルまでユーロ/ドル(EUR/USD)は上昇して、このところの高値を付け、[1.3700]をトライしましたが、結局、[1.3700]にタッチできず、[1.3600]前後に反落しています。

しかし、まだ、波乱のゴールデン・ウィークになる可能性がある、と考えています。

危険性の高いポジションを持ってしまった場合は、『頃合いを見て早めに処分してしまう』ことがベストと考えます。
 私は、ゴールデン・ウィークに、積極的にポジションを持つことはお勧めしませんが、リスクを十分に考慮した上で、トレンドに従うポジションを持つことは、否定しません。

特に、今年のゴールデン・ウィークは、ユーロ/円(EUR/JPY)とユーロ/ドル(EUR/USD)が、重要なチャート・ポイント間近にあります。

今週のユーロ/円(EUR/JPY)は、週初に、いったんの利食いの「ユーロ売り」が出た様子で、162円台ミドルまで下落したが、根強い「円キャリー・トレード」の「ユーロ買い」に押し戻されて、163円台の「ユーロ統合以来の歴史的最高値」水準を回復しています。

 また、加えるならば、ドル/円(USD/JPY)も[120.00]の節目を目前にしています。
 個人的には、ユーロの方が気になっていますので、上記のような記述になりました。

 しかし、ゴールデン・ウィーク中は、ポジションを持つ場合でも、必ず、ストップ・ロス・オーダーだけは入れて置き、リスクを限定することです。
ストップ・ロス・オーダーだけは入れて置き、リスクを限定した上で、ポジションを持つのは良いのですが、ただ単に、ポジションをほったらかしにするのは、ゴールデン・ウィークの薄い中では、特に危険です。
(2007年5月2日東京時間12:30記述)



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