第50回 波乱のゴールデン・ウィークになる可能性

先週のドル/円(USD/JPY)は、週明け月曜日(4月23日)から、4月25日(水)まで、118円台で上下動を繰り返しており、総じて、たいした値動きではなかった。ゴールデン・ウィークを控えて、[118.50]を挟んで、上下動を繰り返す、典型的な「ボックス相場」の様相を呈していた。この間のレンジは、概して、[118.20-118.95]といったところ。

 4月26日(木)の東京市場のドル/円も、朝方から午後にかけては、上記の典型的な「ボックス相場」の様相だった。

 4月26日(木)は、東京市場の夕方になって、欧州勢が参加する時間帯になると、「クロス円での買い」が出て、「円売り」が顕在化した。

 161円台後半で、小動き、持ち合いだったユーロ/円(EUR/JPY)は、[162.00]を上にブレイク(上昇突破)すると、「損切りのユーロ買い円売り」(ストップ・ロス)を巻き込み、[162.50]アラウンドまで急上昇した。「ユーロ統合以来の歴史的最高値」をまたまた更新している。

 ユーロ/円などの「クロス円での買い」は、ドル/円に「円売りプレッシャー」を与え、その結果、4月26日(木)の東京市場の夕方に、ドル/円は、[119.00]アラウンドまで上昇した。

 4月26日(木)のロンドン市場では、ドル/円は、[119.00]を上にブレイク(上昇突破)すると、「損切りのドル買い円売り」(ストップ・ロス)を巻き込み、119円台ミドルに急騰した。
 その流れは、ニューヨーク市場に引き継がれ、ニューヨーク市場の午後には、[119.50]も上に抜けた。[119.50-60]のレベルにも、ストップ・ロス・オーダーもあった様子。

 目先の「ストップ・ロス・ハンティング」が終わると、気が済んだのか、[119.50]を挟んでの小動き持ち合いとなり、動意が無くなった。この日のニューヨーク市場は、そのまま、119円台ミドルでクローズを迎えた。

 こういった流れを受けて、先週末(4月27日金曜日)の東京市場のドル/円は、119円台ミドルで始まり、そのまま、119円台ミドルで、[119.50]を挟んで、上下動小動きの、「高値持ち合い」となっている。
 「円キャリー・トレード」が顕在化した、ということだと考えている。
 先週末(4月27日金曜日)のロンドン市場も、そのまま119円台ミドルでの高値圏での持ち合いが継続。
 先週末(4月27日金曜日)のニューヨーク市場では、注目されていた「米国第1四半期GDP(速報値)」が発表された。予想よりも悪かったことから、ドル/円(USD/JPY)は、118円台後半に急落したが、ユーロ/円などのクロス円の買いの影響から、ドル/円は急反発して、119円台に戻した。
 先週末(4月27日金曜日)のニューヨーク市場では、ドル/円はショート・スクイズ気味に推移し、[119.70-75]レベルの高値を付けている。引けは、119円台ミドル。

 4月末から5月初旬は、ゴールデン・ウィークで市場参加者が薄くなるところ。市場参加者が薄いときは、値が飛ぶようなこともよくあること。
 先週末(4月27日金曜日)のニューヨーク市場では、ユーロ円が、「ユーロ統合以来の歴史的最高値」をまたまた更新して、163円台でのクローズとなっている。
 また、ユーロ/ドル(EUR/USD)が、[1.3700]を上に抜けると、大量のストップ・ロス・オーダーが控えている。
 波乱のゴールデン・ウィークになる可能性がある。
(2007年4月28日東京時間16:00記述)

第49回 ユーロ/ドルの重要なチャート・ポイント

「くりっく365」の通貨ペアにはないのですが、ユーロ/ドル(EUR/USD)の値動きが気になっています。
 このところのユーロ/ドル(EUR/USD)は、4月20日の東京市場で、[1.3630-40]レベルの、目先の高値を付けてから、[1.3660-70]レベルの重要なチャート・ポイントを目前にして、『敵前逃亡気味に』ダラダラと下げています。
 ゴールデン・ウィークを控えて、積極性に欠けるセンチメントだったわけです。
 しかし、個人的には、一番、気になっているのは、ユーロ/ドル(EUR/USD)です。

 ユーロは、さらに上昇の可能性がある、と考えています。
 ストップ・ロス・オーダーを置きながら、つまり、守りながら、(大きな損失を避けながら、)ユーロを買えば良い、と考えています。ただし、もちろん、さまざまな意味で、最高値圏にありますから、高所恐怖と常識を捨てる必要があります。

 このユーロの買いは、対円、対ドル、どちらでも有効、と考えています。
 だから、ユーロ/ドル(EUR/USD)は「買い」と考えます。
 すると、ドル/円(USD/JPY)は、実は、売りになる可能性があります。

 最近のマーケットは、値動きが鈍く、スピードが無いと感じますが、それは、市場参加者が拡大している証左、と考えています。

 ユーロ/ドル(EUR/USD)に関しては、[1.3666]アラウンドが、このところの高値(2004年12月のレート)。
 ※2004年のことも、『このところ』と記述していることに留意してください。

 つまり、1.36台ミドル、ないし、[1.3700]がチャート・ポイントです。
 次の、チャート・ポイントは、[1.4500-1.4600]のゾーン、ないしは[1.4600]になります。

 4月19日のコメントにも書きましたが、G7直前直後の、このところの、値動きでは、「円安傾向」でもありますが、『むしろ、「ユーロ高傾向」が、本質ではないか?』と考えています。
 ユーロ/ドル(EUR/USD)で「ユーロ買いドル売り」が強まれば、ドル/円(USD/JPY)には、「ドル売り円買いのプレッシャー(圧力)」が働きます。連れて「ドル売り」を行なう市場参加者が、必ずいるからです。

  ユーロ/ドル(EUR/USD)に関しては、[1.3700]を上にブレイク(上昇突破)するようならば、高値水準で、怖いところですが、「ユーロ買いドル売り」で付いて行くところ、と考えています。

 ドル/円(USD/JPY)とユーロ/円(EUR/JPY)の組み合わせで、テクニックを使えば、つまり、金額を調整する必要はありますが、『ユーロ/円(EUR/JPY)を買い』『ドル/円(USD/JPY)を売る』を同時に行なえば、『ユーロ/ドル(EUR/USD)を買う』ことが出来ます。
(2007年4月25日東京時間19:00記述)

第48回 今週は、ゴールデン・ウィーク相場

相場状況や、絶対水準は異なっているけれど、所詮は、毎年、同じことが繰り返し起こっています。
 大学受験の際に、毎年、同じような、(事実上は、全く同じであるといった)試験問題が出ます。入試問題に出るところなどは、だいたい決まっているのです。
 もちろん、そこには、いくつかのパターン、バリエーションがあって、細かな違いがあるのですが、全く、独創的な新しい入試問題などは極めて少ないのです。
 仮に、そういった問題が出ても、恐れることはありません。そういった独創的で新しい問題は、誰もが、答えられないのですから、出来なくても構わないのです。こういったケースでは、1000人の内、数人だけが正解しても、その程度では、事実上、全員が出来なかったことと同じことです。

 ところが、受験生は、毎年違います。浪人している場合もあるでしょうが、そういったことも含めて、毎年、同じことが繰り返し起こっています。
 だから、同じような入試問題を出しても、受験生は、毎年、同じところで間違えることになります。
 大学受験のことを、例示的に書いたのは、ある種の『比喩(ひゆ)』です。

 「マーケットに参加している人が、昨年と違うのは、何故なのか?」を、考えてくだされば、お伝えしたいことがわかっていただけるでしょうか?

 今週は、週初から、『もう既に、「ゴールデン・ウィーク相場」が、始まっている』ことに留意してください。

 GW(ゴールデン・ウィーク)のように、市場参加者の少なくなる(マーケットの薄くなる)ことが、あらかじめ、分かっている時は、不測のリスクを避ける方が賢明、と考えています。

 マーケットが薄いときは、経験則が働かないケースがあるし、大口の売買で、値が飛ぶこともあります。
 しかし、リスクがあるから、キャピタル・ゲインがあることも、事実です。リスクが無ければ、キャピタル・ゲインも、また、無いのです。
 だから、キャピタル・ゲインを求めて、GW中にも、ポジションを取ろうとしている人を、止めるつもりはありません。

 ただし、それをするのなら、休まずに(休暇は返上して)、ちゃんとマーケットにいなければ、ダメです。
 インターバンク・ディーラーならば、ちゃんと出社して、ディーリング・ボードに向かい、万全を期する必要があります。
 個人投資家ならば、パソコンにしがみついている必要があります。

 GWで思いつくことをいくつか挙げておきます。

●通常(GW以外のシーズン)は、海外旅行者が購入する外貨は、ほとんど、影響はありませんが、GWは、少し影響があります。

 例えば、30万人が海外に行くとして、その半数が、米ドルを購入したとしましょう。
 一人当たり、30万円を米ドルの交換したとすると、450億円のドル買いになります。
 [15万人×30万円=450億円]
 ドル貨で考えれば、4億ドル、5億ドル程度になります。
 一人当たり30万円よりも多ければ、あるいは、海外旅行者がもっと多ければ、その影響は、もっと大きいことになります。
 数億ドルのドル買い需要が起こるのですから、全く影響がないわけではありません。

●GW中は、東京市場の参加者は、基本的にいません。そうすると、アジア市場(シドニー市場、HK市場、シンガポール市場)の参加者は、東京市場の休みに合わせて、休暇をとります。すると、アジア市場全体が休暇になってしまいます。
 三大市場(東京・ロンドン・ニューヨーク)のどこかが休場になると、それに合わせて、世界中の市場参加者が休暇を取ります。
 例えば、GWは東京市場が休場ですから、ロンドン・ニューヨークの市場参加者も、休暇を取るケースが多い、ということです。
 つまり、GW中は、世界的に、マーケット(外国為替市場)の参加者が少なくなります。
 市場参加者が少ない時は、当然に、マーケットが薄くなります。
 だから、通常なら、マーケットで吸収してしまう程度の金額でも、薄い中を、値を飛ばして動いてしまうことがあります。

第47回 対欧州通貨のドルの値動きを見ると、本来のトレンドは「ドル安」

4月17日(火)のロンドン市場で発表された「英国3月CPI(消費者物価指数)(前年比)」は、予想2.8%を上回る3.1%。
 インフレターゲット政策を採っている英国では、ポンドの金利引き上げが確実となり、この結果を受けたポンド/ドル(GBP/USD)は、1992年以来15年ぶりとなる[2.0000]台を達成。[2.0000]を上に抜けた。

 対欧州通貨のドルの値動きを見ると、つまり、ポンド/ドル(GBP/USD)や、ユーロ/ドル(EUR/USD)の値動きから考えると、本来のトレンドは「ドル安」、と考えています。
 本来は、外国為替市場は、対ドル取引が主流。
 だから、ドル/円(USD/JPY)も、本当は、「ドル安トレンド」のはず、と考えています。そして、実際に、そう考えて、ドル/円を売っている市場参加者も存在しています。

 ところが、「円キャリー・トレード」の影響で、さまざまな通貨に対して、「円売り」が行なわれています。クロス円の実際のマーケットの値動きを見れば、それも事実。
 だから、ドル/円も、本当は、「ドル安トレンド」のはずなのだが、需給面から、「ドル売り円買い」が相殺されている状況。その結果、ドル/円だけが、「ドル安トレンド」に見えない状況です。

 この4月に行なわれたG7は、現状のマーケットの容認、といった趣旨でしたので、「円キャリー・トレード」が、継続しそうなのですが、個人的には、ドル/円には手を出さず、つまり、ドル/円の売買を行なわずに、回避して、ユーロ/円でのロング(ユーロ買い円売り)の方が、良いだろう、と考えています。

 ユーロ/円やポンド/円などの、クロス円での「円安」が助長されれば、それは、ドル/円にも影響を与え、「ドル/円での円安プレッシャー(円安圧力)」になります。
 それは、理解していますが、リスクを考えると、ユーロ/円でのロング(ユーロ買い円売り)の方が、良いだろう、と考えている訳です。

 それは、ユーロ/ドル(EUR/USD)に関しても、ロング(ユーロ買いドル売り)で考えているからです。

 G7直前直後の、このところの、値動きでは、「円安傾向」でもありますが、『むしろ、「ユーロ高傾向」が、本質ではないか?』と考えています。

 ユーロ/ドルで「ユーロ買いドル売り」が強まれば、ドル/円には、「ドル売り円買いのプレッシャー(圧力)」が働きます。

 「円キャリー・トレード」が、拡大している間は、その「ドル売り円買いのプレッシャー(圧力)」は、相殺されて、目に見えなくなりますが、何らかの理由で、「円キャリー・トレード」のアンワインド(解消・巻き戻し)が起こり、その際にユーロ/ドルが上昇傾向を続けていれば、ドル/円の「ドル売り円買いのプレッシャー(圧力)」は、顕在化し、「円買い」を加速します。

第46回 今回のG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)

"G7"では、為替が話題にならないハズはありません。
 "G7"は、"Group of Seven"のことで、G7会合は、"Conference of Ministers and Governors of the Group of Seven"の略称です。
 7ヶ国は、日本、米国、ドイツ、英国、フランス、イタリア、カナダを指します。
 先進7ヶ国の財務相と中央銀行総裁が世界経済などに関して話し合う国際会議が"G7"です。"G7"は、原則として、年3回開催され、会議の結果は、外国為替市場や国際金融市場に大きな影響を与えるので、市場参加者は注目します。
 世界経済の発展や自由化、情報の共有化で、各国の経済が、相互に影響を与え、自国だけの独自の政策では、有効に働かない状況も出てきました。そういったことに、各国が協調して対応しようと考えて、集まったのが、この会合の目的です。
 ですから、"G7"では、国際経済がテーマなのですから、為替が話題にならないハズはないのです。

 しかし、個人的には、事前の段階で、今回の会合では、「円安」そのものは、メイン・テーマにはならないだろう、と考えていました。
 日本サイドとしては、現状のドル円水準に、何ら問題点を感じていない、というのが本音でしょう。
 米国サイドとしては、若干の円安傾向が気にかかるところでしょう。米国の自動車産業からの圧力は潜在的にあるのでしょうが、それでも、現状では、大問題という程ではない状況でした。  

 対ユーロでの円安は、若干の話題になるだろう、と考えていました。
 --- 今回の"G7"直前にも、トリシェ総裁が、そういったニュアンスの発言をしていたようです・・・。---

 しかし、ここが重要と、個人的には考えていますが、『ユーロ通貨(EUR)を共有する国々の立場からは、ユーロ圏以外の通貨に対して、とやかくと、強く主張し難い』ということが挙げられます。
 今回の"G7"に出席する、ユーロ通貨(EUR)を共有する国々とは、上述の通りに、ドイツ、フランス、イタリアです。
 ユーロ(EUR)という通貨が、『それを共有する国家間での固定相場制度』であることを考えると、ドイツ、フランス、イタリアが、とやかくと、強く主張するのは、おかしい。矛盾を感じます。
 また、現在、ヨーロッパでは、トルコのユーロ加盟問題でもめていますが、上記三国が、為替レートの水準に関して、とやかくと強く主張すると、『ユーロ(EUR)という通貨そのものの存在意義』の矛盾が露呈することになります。

 このところのマーケット(外国為替市場)では、ユーロ/ドル(EUR/USD)でも、若干の「ユーロ高ドル安傾向」が見られます。そのことも、「対ユーロでの円安」同様に、話題には上るでしょうが、上述と同様の理由で、大きな問題にはならないだろう、と考えていました。

 そして、今回の"G7"は、事前に考えていた通りの結果だった、というのが個人的な感想です。

 中国元(人民元:CNY)に関しては、『中国元(CNY)が安すぎる』といった共通認識は、G7諸国にあるので、それが強調される可能性はある、と考えていました。
 中国元(CNY)に関しては、共同声明で、『多額かつ増加する経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の実効為替レートが、必要な調整が進むように変動することが望ましい』と、盛り込まれました。
 「中国元(CNY)を強くするべきだ」と強調されると「円高圧力」になる可能性がありましたが、今回の共同声明も『いつものお題目』といった印象で、この程度の声明では、「円高圧力」に直結しない、と考えています。

 円金利が低すぎることが、「円キャリー・トレード」を引き起こす要因となっていることが話題になれば、---それが、大きなテーマになるか、ならないか? は、事前には不明でしたが、---日本に円金利の早期引き上げを促す可能性は残っていました。
 つまり、円金利がテーマになれば、結果的に、それが、「円高圧力」となる可能性はある、と、考えていました。
 しかし、それも、そうはならなかった印象です。

 声明では、日本経済について、「景気回復は軌道に乗り、継続が見込まれる」と評価し、前回G7と同様、市場関係者に、こうした経済動向を織り込んで取引するよう促しています。つまり、過度の円安を招きかねない「円キャリー・トレード」を暗に牽制していますが、その程度の文言に、マーケット(外国為替市場)の参加者が反応するのか?個人的には疑問です。

 むしろ、逆に、「円キャリー・トレード」のアンワインド(解消)が起これば、それに伴う、急激な為替変動リスクがあることに、"G7"メンバーが危機感を抱いている、ということが垣間見えた印象が残ります。

 この"G7"の結果を受けて、週明けのマーケット(外国為替市場)は、「円キャリー・トレード」が活発になり、波乱の月曜日になる可能性が高い、と考えています。
(2007年4月15日東京時間15:30記述)

第45回 【ユーロ/円は、「ユーロ統合以来の歴史的最高値」を更新中】

イースター(感謝祭)明けの、4月10日(火)の東京市場のユーロ/円は、[159.20-30]レベルで寄り付いた。この日の東京市場朝方は売り気配で、[159.00]をトライしたが、[159.00]にタッチ出来ず。そのため早々に買戻しが出て、東京市場の午前中にユーロ/円は買い気配に転じた。
 朝方に売った市場参加者の買戻しや、「円キャリー・トレード」による「ユーロ買い円売り」があった様子で、東京市場の昼前に、159円台ミドルを再び上に抜けた。

 そうなると、マーケット(多くの市場参加者)は、「ユーロ統合以来の歴史的最高値」を意識した。この日の東京市場の午後には、再び、ユーロ統合以来の歴史的最高値を更新して、159円台後半をみている。---この時点では、160.00に届かず---

 4月10日(火)のロンドン市場でも、ユーロ/円は、堅調に推移し、ニューヨーク市場の朝方に、[160.00]を付けた。
 ニューヨーク市場のユーロ/円は、[160.00]を付けて、しっかりと160円台に乗せるも、値動きは加速しないで、そのまま、[160.00]を挟んだ水準で、小動きとなった。この時点での高値は、[160.10-15]レベル。「ユーロ統合以来の歴史的最高値」を更新した。

 翌日(4月11日)の東京市場では、朝方に、「利食いのユーロ売り円買い」が出て、ユーロ/円は、[160.00]前後から下落し、159円台ミドル近くまで下押しした。---この時の安値は、[159.55-60]レベル---
 しかし、4月11日(水)は、東京市場午後になって、再び、「ユーロ買い円売り」が出ています。これも「円キャリー・トレード」、ないしは、値ごろ感による「ユーロ買い円売り」と考えているが、ユーロ/円は、再度上昇し、[160.00]前後での取引となっている。
 4月11日(水)のロンドン市場では、再び、「ユーロ統合以来の歴史的最高値」の更新にチャレンジしています。

 「円キャリー・トレード」とは、低金利の円資金を借り入れて、その円資金で、高金利の通貨を買い、金利差を享受するトレード・テクニック(売買手法)のことです。

 ドル/円が急落した際に、「円キャリー・トレードのアンワイド(解消)」が原因と言われることがありますが、そういった場合でも、ユーロ/円やポンド/円などの値動きを、よく見る必要があります。

 対ドルでだけ「円キャリー・トレードのアンワイド(解消)」が行われて、対ユーロや、対ポンド、対AUD、対NZD、その他の通貨では、「円キャリー・トレードのアンワイド(解消)」が起こらない、というのは、理屈に合いません。

 対ユーロの値動き、すなわち、ユーロ円の値動きを見れば、ドル円の下落の要因が、「円キャリー・トレードのアンワイド(解消)」であるのか、そうではないのか、だいたいわかります。

 ただし、私は、外国為替取引は、インカム・ゲイン(金利差)を狙うのではなく、キャピタル・ゲイン(為替差益)を狙うべきだと考えています。ですから、安易な「円キャリー・トレード」には賛成できません。

 しかしながら、現状(2007年前半の時点)のマーケット(外国為替市場)を考えると、ユーロ/円やクロス円のトレンドは上昇傾向です。
 だから、現状では、ユーロ/円やクロス円を買えば、勝つ可能性が高い状況が続いています。

 それは、「円キャリー・トレードのアンワイド(解消)」の『本格的なもの』は、まだ、起こっていないからです。
 現時点では、まだ先のことだろうと考えていますが、『本格的なアンワイド(解消)』が起こると、マーケットはクラッシュします。そのときは、要注意です。
(2007年4月11日東京時間18:30記述)

第44回 「イースターは、のんびりするのが良い」

先週末の金曜日(4月6日)は、イースター(復活祭)で、ロンドン市場、欧州市場の市場参加者がほとんどいない中、米国雇用統計が発表された。

 米国雇用統計は、事前予想よりも大幅に良い結果。
 マーケット(外国為替市場)は、素直に「ドル買い」に反応。
 先週後半は、概して118円台後半程度のドル高値圏での持ち合いに推移していたドル/円は、119円台前半にしっかりと乗せて上昇した。
 米国雇用統計の発表後のドル/円は、[119.25-35]レベルで推移している。
 [119.50]には、オプション取引にともなう「防戦のドル売り」があった様子。

 ユーロ/円に関しては、歴史的高値159円台ミドルを更新して上昇した。
 しかし、[160.00]近辺にある「ユーロ売り円買いオーダー」をこなすことはなく、ニューヨーク・クローズは高値圏での小動きとなって引けた。

 イースターの際は、市場参加者が極端に少なくなり、売買も不活発で、開店休業状態になりがち。そして、マーケットに市場参加者が少なくなるときは、通常の経験則が働かなくなる。
 だから、みんなと一緒に休むことも大切、と考えています。
 イースター(復活祭)で、市場参加者が薄くなる期間は、のんびりするのが良い、と、思っています。

 確かに、ドル/円がこのところの高値圏にあったり、ユーロ/円は、歴史的高値159円台ミドルを更新して上昇したり、と動いていて、気になりますが、市場参加者が出揃うまで、我慢して動かないことも戦略と考えています。

(2007年4月8日東京時間17:00記述)

第43回 【期初が始まったばかり】

期初(4月2日)、週明け月曜日の海外市場が穏やかな値動きで、117円台後半で推移したことから、4月3日(火)の東京市場のドル/円も、117円台後半で寄り付き、午前中は静かな値動きだった。
 しかし、この日(4月3日)の東京市場の午後になって、「円キャリー・トレード」による「ドル買い円売り」が活発になった。ドル/円は、118円台前半に乗せた。
 ユーロ/円での、「ユーロ買い円売り」や、クロス円取引にともなう「円売り」も出ている様子で、それは、ドル/円での上昇プレッシャーとなった。東京市場の夕方には、このところ、なかなかタッチしなかった[118.50]を付けた。
 
 4月3日(火)のロンドン市場の朝方は、おおむね[118.40-75]程度で、じり高に推移。
 ニューヨーク市場になって、いわゆる「やれやれの売り」が待ち構えていると推量される[118.80-90]レベルに上昇した。ニューヨーク市場でも、ドル/円はじり高基調で、[118.85-95]レベルでの高値引けとなった。
 4月4日(水)のシドニー市場で、若干、小緩むも、大きな値動きにはならず、118円台後半での持ち合いに推移している。
 4月4日(水)の東京市場も、概して、118円台後半での持ち合いが続いている。

 引き続き、米国のかかえる「サブプライム問題」や「米国の保護主義的政策」といったドル売り材料に対して、どの程度「円キャリート・レード」が出てくるのか、様子を見たい、と考えている。
 このところの値動きでは、「円キャリート・レード」を狙った市場参加者も、積極的に118円台ミドルを、買い上げる(買い進む)という動きはなく、「円キャリート・レード」の勢いは、一時期より、衰えている印象だった。

 期が新しくなったところで(4月の期初を迎えたことで)、新規投資として、「円キャリート・レード」が、どの程度活発になったのか?

 4月3日(火)の海外市場では、弱いチャート・ポイントであった[118.50]をクリアした(上に抜けた)。
 その上にあったチャート・ポイント、118円台後半([118.80-90]レベル)にも届いた。
 しかし、118円台後半から、[119.50]までのゾーンに並ぶ、いわゆる「やれやれの売り」のオーダー(ドル売り注文)を目前に、躊躇している雰囲気だ。
 まだ、そのゾーンのオーダー(ドル売り注文)を、新規投資としての「円キャリート・レード」が、こなせるのか(呑み込めるのか)、否か、判然としない。

 ユーロ/円も、[158.00]を越えて、買い上げ(買い進んで)、[158.50]も上に抜けた。
 しかし、4月3日(火)のニューヨーク市場では、158円台後半の目先の高値を付けると、反転急落して、4月4日(水)の東京市場では、158円台前半を見ている。
 ユーロ/円に関しても、159円台ミドルまでは、いわゆる「やれやれの売り」のオーダー(ユーロ売り円買い注文)が並ぶ。ユーロ/円に関しても、そのゾーンのオーダー(ユーロ売り円買い注文)を、新規投資としての「円キャリート・レード」が、こなせるのか(呑み込めるのか)、否か、判然としない。

 ここは、様子を見たい。
 高値水準から、ドル/円も、ユーロ/円も「買い」で付いて行きたくない。場合によっては、チャンスを逃していることになるかも知れないが、それは、それで良しと考えている。

 まだ、期初が始まったばかりだし、この週末には米国失業率を控えている。のんびりと、臨みたい。徐々に集中するといったスタイルで行きたい。

(2007年4月4日東京時間20:00記述)

第42回 市場参加者の絶対数が拡大している

 あるところで、見かけたのですが・・・
『このところの「ポンド円の週足チャート」が、驚くほど、そっくりなの発見しました。
 プライスもほぼ同じレベル。「2007年3月末(現在)のチャート」と「1998年9月末」を比べると、最初の大陰線が出た後の戻しなどは、見れば見るほどそっくりです。
 1998年10月には、『LTCMショック』があり、その後は、大暴落しています。 』
といったコメントを見かけました。

 ドル/円(USD/JPY)は、2月下旬の121円台から下落を始め、3月初旬の115円台前半まで、大きく急落しました。
 この2月下旬から3月初旬の急落は、『小型版LTCMショック』が起こった、と考えています。

 世界の株安が起因となって、「円キャリー・トレードのアンワインド(解消)」が起こったのだが、なぜ、それが起こったのか?
 某、巨額のヘッジファンドが、エマージング株式に、巨額の投資を行っていた。原因は何であれ、株価が下落した。
 エマージング株式は、リクイディテイ(流動性)がないから、売りたいときに、カウンターパーティ(取引の相手)がいない。要するに、エマージング株式は、ヘッジをしたくても、ヘッジができない。
 エマージング株式が下落すれば、当然に、損が出る。損が出ると、ヘッジファンドへ投資している投資家たちは、解約しようとするから、手元に、キャッシュ(現金)が必要になる。
 そこで、「ドル/円」「ユーロ/円」「ポンド/円」「その他クロス円」での利食いの売り、すなわち「円キャリー・トレードのアンワインド(解消)」が起こった。

 『円キャリー・トレードのアンワインド(解消)』が原因だから、似たような動きになっても、不思議ではない。
 しかし、1998年10月とは、市場参加者や市場の規模、ヘッジファンドに対する規制が、2007年の現在は、違っている。
 だから、『小型版』と指摘した。

 同じようなことは、太陽の下、繰り返し起こるが、まったく同一のことは起きない。与件の変化に留意して、「杞憂」は避ける。

 マーケット規模が、さまざまな意味で、1998年10月よりも2007年の現在の方が、拡大している気がする。
 金額ベースでの拡大よりも、市場参加者の絶対数が拡大しているので、標準偏差のばらつきがおおきくなり、マーケットの感応度が鈍い。つまり、スピードが遅い。
 こういうと、最近市場に参加された方々は、かえって、驚くかもしれませんが、確実に、マーケットの値動きは、そのスピード、その値幅、ともに、鈍くなっています。

 しかし、自分の感覚では、遅い、と感じても、あるいは、どのように感じようとも、今のマーケットに合わせ、対応することがセオリー。(大原則)
 今あるマーケットに従うのみ・・・・。



 >   >  2007年04月