第31回 「円キャリー・トレード」が、今後、どのくらい出てくるか?

先週、2月21日(水)の日銀金融政策決定会合で、政策金利(無担保コール翌日物誘導目標)は[0.25%]引き上げられ[0.50%]となりました。
 日銀金融政策決定会合の後で行われた会見で、福井日銀総裁が、「今後の金利水準の調整について、ゆっくりと進めていく」「スケジュール感を持たず、情勢の変化を丹念に点検しながら決めていく」「次の追加利上げの時期については、今の時点では全くオープンだ」と発言したことから、『更なる円金利引き上げは、すぐにはない。当面の円の政策金利は、[0.50%]のまま、据え置かれる』といった観測が広がっています。
 そして、『円の政策金利が[0.50%]になっても、対ドル、対ユーロなどの金利差は依然として大きい』といった考えも、広く受け入れられたようです。

 「円キャリー・トレード」、つまり、『低金利の円資金を借りて、外貨に投資・運用し、金利差を受け取る取引』が、このところのマーケット(外国為替市場)で広く行われていますが、その流れに変化はない、といった考えから、「ドル買い円売り」を誘発しています。

 先週後半のマーケット(外国為替市場)では、121円台ミドル程度まで、ドル/円は上昇しています。2月中旬の日銀金融政策決定会合の前に付けた、118円台後半の安値と([119.00]近辺)と比較するならば、2円50銭以上のドル上昇を見たことになります。

 同様に、福井日銀総裁の発言から、「円キャリー・トレード」の流れに変化はなく、
「ユーロ買い円売り」も進んでいます。
 日銀金融政策決定会合翌日(2月22日)の東京市場では、寄り付き直後に、ユーロ/円は、ユーロ(EUR)統合以来の最高値[159.00-10]レベルまで上昇しました。
 この日の東京市場では、結局、この時点での高値は、[159.00-10]レベルで、最高値の更新は出来なかったため、東京市場では、上値が重くなり、いったん、[159.00-10]レベルから、158円台ミドルに下落していますが、158円台ミドルは、買い意欲強く、底堅かったことから、改めてこの水準から「ユーロ買い円売り」が断続的に出てきました。
 結局は2月22日(水)のニューヨーク市場で、再び、ユーロ(EUR)統合以来の最高値[159.00-10]水準をトライし、この日のニューヨーク市場の昼前後に最高値を更新しました。
 最高値を更新した[159.20-30]レベルには、ストップ・ロス(損切りのユーロ買い円売り)もあった様子で、最高値を更新してからは、押し目(ディップ)らしい値動きもなく、ジリジリと上昇し、[159.50]も上に抜けて、[159.60-65]レベルの高値を付けています。
 その後は、今のところ、159円台をキープして、ユーロ(EUR)統合以来の最高値水準での、高値持ち合いが継続しています。

 現在のマーケット(外国為替市場)では、「円キャリー・トレード」がどの程度実施されるのか、がポイントになっています。
 個人的には、ドル/円で「ドル買い円売り」をするよりも、ユーロ/円で「ユーロ買い円売り」を行う方が、手を出しやすい、と見ています。
 ただし、最高値近辺で、マーケット全体は、「高所恐怖症」ですから、適宜、利食いを行いながら、まめに売買を繰り返すことが、重要と考えています。
 「高値つかみ」を保持し続けるのではなく、「ユーロ買い円売り」から入って、「適宜、売る」。その際に、場合によっては、損切りになっても、「適宜、売る」姿勢が重要です。
それは、リスクを避けている売買手法です。かなり高度なテクニックなのですが、現状のマーケットは、決して簡単な相場つきではありません。ユーロ/円が、歴史的最高値を更新した難しいステージであることを、ご理解ください。

第30回 日銀金融政策決定会合

2月中旬になって、ドル/円は、122円台前半から、118円台後半程度に大きく下落している。
きっかけは、バーナンキFRB議長の「インフレ圧力が消え始めている」「ただし、インフレ抑制を確認するには時間が必要だ」とした発言だった。

今週になって、次の重要イベントは、2月21日の日銀金融政策決定会合だった。
 直前の2月20日(火)の東京市場は、翌日(2月21日)の日銀金融政策決定会合を控えて、小動き。概して、119円台ミドルから119円台後半で推移している。ロンドン市場の朝方には、[120.00]を越えて上昇した。日銀金融政策決定会合を直前に控えて、観測が錯綜した。

先月の会合同様に、「政府筋の圧力から円金利の引き上げを見送るのではないか?」といった思惑が流布した。
 また、仮に、円金利の引き上げが実施されても、[0.25%]の利上げで、対ドル、対ユーロなどの金利差は依然として大きいので、「実質的に、円金利引き上げの影響は少ない」といった思惑も広がった。

2月21日(水)の東京市場は、[120.00]アラウンドで寄り付き、午前中は、日銀金融政策決定会合の結果待ち。思惑のぶつかり合いで、120円台ミドルまで上昇する局面もあった。

東京市場の昼過ぎにテレビのニュースで、「福井日銀総裁が利上げを提案」と報道されると、[120.50-60]アラウンドから、一気に[120.00]を割り込み、[119.70-80]レベルに急落した。

東京時間14時を過ぎて、政策金利の[0.25%]引き上げ決定が発表された。
発表されると、今度は、ドル/円(USD/JPY)急騰。[119.70-80]レベルから、[120.50]アラウンドに急上昇している。思惑のぶつかり合いで、乱高下が継続している。

ドル/円より、ユーロ/円の値動きの方が、激しい印象。
2月21日(水)の東京市場は、157円台後半で寄り付き、午前中は、思惑的な「ユーロ買い円売り」で、158円台ミドル程度に上昇した。東京市場の午前中は、基本的には、日銀金融政策決定会合の結果待ち。

東京市場の昼過ぎにテレビのニュースで、「福井日銀総裁が利上げを提案」と報道されると、ユーロ/円は、[158.30-40]レベルから、一気に[158.00]を割り込み、[157.30]アラウンドに急落した。

東京時間14時を過ぎて、政策金利の[0.25%]引き上げ決定が発表されると、今度は、ユーロ/円急騰。[157.30-40]レベルから、[158.50]レベルを上に抜けて急上昇している。
 ドル/円同様に、思惑のぶつかり合いで、乱高下が継続している。

事前のマーケットの思惑通りに、円金利の引き上げは、[0.25%]の利上げで、対ドル、対ユーロなどの金利差は依然として大きい。「実質的に、円金利引き上げの影響は少ない」といった考えから、「円キャリー・トレード」がどの程度実施されるのか、が今後のポイントになるだろう。
(2007年2月21日東京時間18:00記述)

第29回 ドル・ロング派(ドル/円の買い持ち)は、一時、撤退がセオリーユーロ/円はヘッジオペレーション

2月14日(水)のニューヨーク市場で、バーナンキFRB議長の議会証言が行われています。同氏は、「インフレ圧力が消え始めている」と、楽観的な発言。ただし、「インフレ抑制を確認するには時間が必要だ」とした。
 この発言が、「ドル金利の上昇圧力が弱くなるといった思惑」を呼び、「ドル売り円買い」のきっかけとなっています。そのため2月14日のニューヨーク市場では、ドル/円は、121円台から[120.60-65]レベルまで下落。
 その後、日付の替わった2月15日(木)のシドニー市場の時間帯に、日本の実質GDPが発表されています。予想より良かったことで、円金利引き上げの思惑も広がり、さらに「ドル売り円買い」を加速。日本の実質GDPが発表前のドル/円は、 [120.70-80]程度でしたが、一気に[120.50]を下に抜けた。[120.50]を割り込むと、損切りの「ドル売り円買い」を巻き込み、120円台前半に急落。
 さらに、2月15日(木)の東京市場では、仲値決めにかけて(東京時間10:00前後に)、[120.00]も割り込み、[119.80]アラウンドの安値を付けています。その後の東京市場は、[120.00]を挟んでの小動きとなった。[120.00]には、オプション取引に伴う売買が錯綜していた様子で、神経質で、緊張感のある状況が継続。

 この時点で、下値のチャート・ポイント[120.00]をブレイクし、安値[119.80]アラウンドを付けたことから、「ドル売り」のシグナルを付けた、と考えています。ドル・ロング派(ドル/円の買い持ち)は、一時、撤退、と考えています。

 その後のロンドン市場でも上値が重く、リバウンドも[120.35-40]レベル程度。ロンドン市場は、概して、120円台前半での小動き。
 2月15日(木)のニューヨーク市場では、12月の対米証券投資が発表された。予想よりも悪かったので、「ドル売り円買い」に振れたが、この日の東京市場でも話題になったオプション取引に伴うサポートがあった様子で、東京市場で付けた安値[119.80]を下にブレイクしていない。しかし、このオプション取引は、2月15日(木)のニューヨーク時間で満期(オプションのカット時間)を迎え、その影響が無くなったので、ドル/円が急落した様子です。

  [119.80]を下に割り込むと、ストップ・ロス(損切りのドル売り円買い)を巻き込んで、[119.50]も下に抜けた。この時の安値は、[119.15-20]レベル。

 2月16日(金)のドル/円は、東京、ロンドン、ニューヨークと、終日、119円台前半程度に推移していますが、ニューヨーク市場では、一時、[119.00]を割り込み、118円台後半も見て、安値を更新しています。

 繰り返しますが、下値のチャート・ポイント---[120.00]アラウンドないし[119.80]---
を下にブレイクしたことで、その時点(119.80を下に抜けた時点)でも、再び「ドル売り」のシグナルを付けた、と考えています。
 ドル・ロング派(ドル/円の買い持ち)は、いったん、損切りをした方が良い、と考えています。

 ユーロ/円(EUR/JPY)に関しては、現時点ではトレンド(ユーロ高円安トレンド)が変わった訳ではないのですが、ドル/円が大きく下落する可能性が高い場合には、その影響から、ユーロ/円も連れて下落する可能性が高くなります。
 そういった場合は、ユーロ/円のロング(ユーロ買い円売りの持ち高)はいったんポジションを手放して、リスクを避ける、つまり、ヘッジを行うのは、当然のテクニックと考えています。

 つまり、今後の値動きで、ドル/円の下落が加速する場合に、ユーロ/円のロング(買い持ち)を無理して持つことは、無用のリスクを負うだけ。ユーロ/円のブル・トレンド(上昇傾向)は、まだ、継続しているが、ヘッジ(リスク回避)オペレーションは、重要な手法(テクニック)と考えます。

 現時点では、ユーロ円のトレンド転換を考える必要は、まだ無いのですが、この値動きが継続・発展して、ユーロ/円のブル・トレンド(上昇傾向)が転換する可能性がまったく無い訳ではないことも、頭の片隅に置いておくべきだ、と考えています。
 テクニカル分析で見れば、ユーロ/円の、下値のチャート・ポイントは、[156.00]アラウンド、[155.00]アラウンドが、弱いサポート。[153.50]アラウンドが、強いサポート。
 現状では、[153.50]アラウンドの強いサポートを割り込む場合は、トレンド転換を考慮するべき。

第28回 G7後の、ドル/円、ユーロ/円

G7後の、ドル/円、ユーロ/円のマーケット状況を振り返っておきます。

今週初め(2月12日月曜日)は東京市場が休場。この日の朝方のシドニー市場では、G7の共同声明で、円安懸念が盛り込まれなかったことから、「円売り」となり、ドル/円は、高値[122.00-10]レベルを付けています。
東京勢がいないアジア時間のドル/円は、動きらしい動きなく、121円台後半で推移。
 ロンドン市場の朝方も、目立った値動きなし。
 ニューヨーク市場になると、ユーロ/円などの、クロス円が売られた影響から、ドル/円は、121円台ミドルに値を下げた。しかし、大きな動きにはならず、121円台後半でニューヨーク・クローズ。

2月13日(火)の連休明けの東京市場では、ユーロ/円などの、クロス円が、売られた影響で、朝方からドル売り気配で始まった。仲値(東京時間10:00ころ)に向けて、121円台ミドルに下落した。
東京市場の動きは朝方だけで、その後は東京市場の夕方まで、121円台ミドルでの小動き。
 ロンドン市場の朝方に、若干ドル売りが進み、121円台前半に値を下げた。
 ニューヨーク市場は大きな動きにはならず、そのまま121円台前半でニューヨーク・クローズを迎えています。

2月14日(水)の東京市場の時点では、121円台前半での小動きが続いている。


2月12日月曜日の東京時間朝9:00前の、シドニー市場では、ユーロ統合以来の最高値であった158円台ミドルを上に抜けて、[159.00]近くまで急騰しています。高値は[158.90-00]レベル。

東京勢がいないアジア時間のユーロ/円は、158円台ミドルないし158円台後半程度での小動き。
 ロンドン市場の朝方に、急に「ユーロ売り円買い」となり、158円台後半から[158.00]割れに急落した。
 その後の、ロンドン市場、ニューヨーク市場朝方では、もう一段の「ユーロ売り」となって、157円台ミドルに下落した。安値は[157.55-60]レベル。
ニューヨーク・クローズにかけて、買戻しが出て、[158.00]アラウンドに戻した。

2月13日(火)の東京市場のユーロ/円は、157円台後半でオープンしたが、連休明けの東京市場では、朝方からクロス円が、売られた影響で、ユーロ/円も売り気配で始まった。
 東京市場の午前中に[157.50]を下に割り込み、安値[157.25-30]レベルを付けています。

その後の東京市場は小動きだったが、東京市場の夕方になって、欧州勢、ロンドン勢が参加してくる時間になると、ドイツGDP・速報値(第4四半期)が発表され、予想よりも良かったことからユーロ/ドルが急騰している。

同様に、ユーロ/円も上昇し、158円台に乗せた。その後のロンドン市場、ニューヨーク市場は、157円台後半ないし[158.00]アラウンドでの持ち合いに推移。そのままニューヨーク・クローズを迎えた。

2月14日(水)の東京市場では、[158.00]アラウンドでの持ち合いが継続している。

 前回のコメントでも述べましたが、ユーロ/円に関しては、ユーロ統合以来の最高値を更新したことで、「上昇トレンド」を再確認した、と考えています。
怖いところではありますが、---高所恐怖症ではありますが、---ユーロ/円に関しては、「ユーロ買い」から入って、「売り逃げる」といった戦術(タクティクス)が、有効と考えています。
ドル円に関しては、引き続き、現時点では、この水準から---121円台ないし122円台から---ロング(ドル買い持ち)にする気持ちになりません。
(2007年2月14日東京時間16:30記述)

第27回 G7直後の投資戦略(タクティクス)

このところのG7は、形骸化が進み、「政治ショー」の感が否めない印象です。
『だから、今回もたいした内容が出ないのだろう・・・』と、思っていました。
それで、G7後の声明に、「円安(対ドル・対ユーロ)懸念のコメントは盛り込まれないだろう」と考えていたのです。
このところのG7では、それぞれの参加者(高官)が自国に戻った際には、政治的に都合の良い材料にできるように配慮している傾向があります。
だから、参加国(日本)に対して、直接的に非難するようなコメント(声明)は出ないだろう、と考えていた訳です。
 しかし、みんなが(多くの市場参加者が)そう思って、油断していると、とんでもないことが起こったりするものです。だから、油断禁物と考えて、注目していましたが、『やっぱり、たいしたことがなかった・・・』といったところです。

しかし、円安懸念が声明文に盛り込まれなかったものの、欧州の金融筋高官の発言や、米国の対応から推測すれば、現状の円安傾向の値動きに対して、不快感を持っていることは明らかだ、と考えています。

2月12日、G7明け月曜日の、東京市場はお休みですが、アジア市場では、G7での共同声明に、円安懸念が盛り込まれなかったことから、ドル/円(USD/JPY)、ユーロ/円(EUR/JPY)では、円安傾向に推移しています。

先週末(2月9日金曜日)のニューヨーク市場、ドル/円(USD/JPY)の終値は、[121.60-70]レベルでしたが、2月12日月曜日の、シドニー市場では、[122.00]を上に抜けて、[122.00-10]レベルを付けています。

先週末(2月9日金曜日)のニューヨーク市場、ユーロ/円(EUR/JPY)の終値は、[158.15-25]レベルでしたが、2月12日月曜日の、シドニー市場では、ユーロ統合以来の最高値であった158円台ミドルを上に抜けて、[159.00]近くまで急騰しています。

ユーロ/円(EUR/JPY)に関しては、ユーロ統合以来の最高値を更新したことで、「上昇トレンド」を再確認した、と考えています。

怖いところではありますが、---高所恐怖症ではありますが、---ユーロ/円(EUR/JPY)に関しては、「ユーロ買い」から入って、「売り逃げる」といった戦術(タクティクス)が、有効と考えています。

しかし、ドル/円(USD/JPY)に関しては、この水準から買っていくのは、気が進みません。
テクニカルに見れば、---チャート分析で見れば、---[122.20-30]レベルを上に抜けていく場合は、「ドル買い」でついて行くべきところ。
 つまり、[122.20-30]レベルを上に抜けていく場合は、「ドル買い円売り」を行うことがセオリー。
 ドル・ショート派(ドル・ベア派)は、[122.20-30]レベルを上に抜けていく場合は、いったん損切りを行うべきところです。

セオリーは上記の通りですが、ドル/円(USD/JPY)が[122.20-30]レベルを上に抜けていく場合は、ショート(ドル売り持ち)にしている場合は、いったん損切りで、撤退。
そこからはドル買いでついて行かず、ポジションを取らずにスクエア・様子見、と考えています。

つまり、戦いの場を、ドル/円(USD/JPY)に求めるのではなく、ユーロ/円(EUR/JPY)の方が、やり易い(戦い易い)と感じているのです。

それは、ユーロ/ドル(EUR/USD)の帰趨が、はっきりしていないからです。
ドル/円(USD/JPY)が、さらに大きく上昇してゆく相場ならば、ユーロ/ドル(EUR/USD)が、下がっていくはずなのですが、現状のユーロ/ドル(EUR/USD)は、[1.3000]アラウンドの微妙な水準のままにあります。
「1.28台ミドル」を割り込んで下落する様相になれば、ドル/円(USD/JPY)の絶対水準にこだわらずに、「ドル買い」でついて行くべき、と考えますが、現時点では、ドル/円(USD/JPY)で、この水準から---121円台ないし122円台から---ロング(ドル買い持ち)にする気持ちになりません。
(2007年2月12日東京時間15:30記述)

第26回 このところのG7は、形骸化が進み、政治ショー化している点に注意

今週月曜日(2月5日)の東京市場のドル/円は、先週末のニューヨーク・クローズと同レベル[121.00]程度での寄り付きでした。この日の東京市場では、仲値に向けて、若干のドル売りとなり、120円台後半へ下落。上値の重い状態が続いています。欧州勢が参加してくると、再び、若干のドル売りとなり、120円台ミドル程度に下落した。
 ニューヨーク市場の昼ごろになって、[120.50]を割り込むと、目先でドルを買っていた向きの損切り(ドル売り円買い)も出て、安値[120.20-30]レベルを付けています。

 2月6日(火)のドル/円は、東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場と、120円台前半で推移。概して、[120.00-120.50]のゾーンで、上下動を繰り返した。
 ブル・ベア(強気派・弱気派)の、思惑のぶつかり合いで、値幅は、50銭程度と狭いものの、緊張感があります。
 ニューヨーク市場の朝方に、[120.00]を瞬間的に割り込んだが、安値は[119.98]程度。
 この値動きでは、チャート・ポイントを、『完璧に』割り込んだとは言えない。まだ、チャート・ポイント(サポート)が守られている状態。
 [120.00]には、大口のオプション取引にともなう、いわゆる「防戦のドル買い」も出ている様子。

 2月7日(水)の東京市場も、引き続き、120円台前半で、微妙な値動きになっています。
 ドル/円が、『完璧に』[120.00]を割り込む場合は、ドル・ロング派(ドル買い持ち派)は、いったん撤退するところ。
 それは、[120.00]が、割れると予想しているのではなく、割れたならば、そのように対応することがセオリーだ、と述べています。
 1月下旬から、状況は全く変わっていない、と考えています。
 上記は、セオリーを述べただけですが、個人的な思惑を付け加えれば、[120.00]を割り込んで行くだろう、とも考えています。

 1月31日(水)のポールソン米財務長官の発言をきっかけに、「円の買戻し」が起こっています。
 G7を控えて、日本の財務省筋は否定していますが、「G7で円安(対ドル・対ユーロ)がテーマ(議題)になるのではないか?」といった思惑も広く流布しています。

 G7後の声明に、「円安(対ドル・対ユーロ)懸念のコメントが盛り込まれるか、否か?」
と言えば、個人的には、わざわざ、それに言及することはないだろう、と考えています。
 このところのG7は、形骸化が進んでいます。政治ショー化しており、それぞれの参加者(高官)が自国に戻った際には、政治的に都合の良い材料にできるように配慮している傾向があります。だから、参加国(日本)に対して直接的に非難するようなコメント(声明)は出ないだろう、と考えているのです。
 しかし、G7で、為替に関して話さないことは、あり得ません。必ず、話(テーマ・議題)には上ります。
 G7は、"Conference of Ministers and Governors of the Group of Seven"の略称であり、先進7ヶ国蔵相・中央銀行総裁会議のことです。世界経済などに関して話し合う国際会議であり、為替に関して話さないのならば、何を話すのでしょうか!?

 ただし、このところのポールソン米財務長官の発言を踏まえると、米国の為替に関しての懸念は、対日本円(JPY)よりも、対中国元(CNY)に対しての方が大きい、と考えています。そのように推測しています。
 ただし、対中国元(CNY)に対してのドル・レートは、---すなわち、ドル/中国元(USD/CNY)レートは、---ドル/円(USD/JPY)レートに、影響を与えるから、マーケットの反応としては、同じような結論(円高圧力)を導くことになる可能性があります。

 そういった思考回路で、ヘッジ・ファンドなどの機関投資家が、「ポジション調整の円買い戻し(対ドル・対ユーロ)」を行っています。

 「G7で、円安(対ドル・対ユーロ)がテーマ(議題)になるか、否か」といったマーケットの思惑や観測はどうであれ、欧州の金融筋高官の発言や、米国の対応から推測すれば、現状の円安傾向の値動きに対して、不快感を持っていることは明らかだ、と考えています。
(2007年2月7日東京時間18:00記述)

第25回 ポールソン米財務長官発言で円高になるもG7待ち

FOMCを終え、米国雇用統計を終え、今度はG7というイベント。イベントが続き、ドル/円は高値での持ち合い。高値での小さな乱高下とも言える。
 相場を読むには、「何があったのか?」を知ること、すなわち「現状分析」が最重要。
 今回は、ドル/円に絞って、直近を振り返ります。

 1月31日(水)の東京市場のドル/円は、東京時間は、昼過ぎまで、121円台ミドルで小動き。FOMCを控えての様子見。この日は、東京市場の夕方になって、中東勢・欧州勢が参加する時間帯になって、ポンド/円で、「円買い」となったことから、ドル/円やユーロ/円でも、円高に動いた。ドル/円は、121円台ミドルから、121円台前半に下落。
 米国GDP(速報値)の発表や、FOMCを控えて、ヘッジ・ファンドなどの機関投資家が、ポジション調整を行ったという情報が流れた。
 ロンドン市場の朝方は、持ち合いに推移し、121円台ミドルへ戻しての小動き。
 ニューヨーク市場になって、米国GDP(速報値)発表された。予想よりも良かったことから、「ドル買い」となり、ドル/円は、[121.70-75]レベルへ上昇した。
 その後、ポールソン米財務長官が、上院銀行委員会で証言。日本円(JPY)については、『非常に注意深く』見ていることを強調した。また、日本の「口先介入」について否定的な見解を述べて、そういった対応を牽制した。経済的ファンダメンタルズが円の価値を導く旨の発言もあった。
 この発言から、ドル/円は急落。121円台後半程度から、[120.60]程度まで、1円以上の急落。 [120.60]前後の安値を付けてからのドル/円は、120円台後半での持ち合いとなり、そのままニューヨーク・クローズ。
 注目されていたFOMCは、政策金利[5.25%]の据え置きを全会一致で決定。予想通りであり、上述の「ポールソン米財務長官発言」にかき消された格好となった。

 2月1日(木)のドル/円は、東京市場は、120円台ミドルから120円台後半程度の持ち合い。ロンドン市場の朝方から売り気配強まり、ジリ安の展開。
 ニューヨーク市場の午前中に120円台前半にまで下落した。安値は、[120.10-15]レベル。
 ポールソン米財務長官の発言から、「円の買戻し」が起こっていたが、その一連の流れの中で、ニューヨーク市場で発表された米国経済指標(PCEデフレーターなど)が、予想よりも若干悪かったことも材料にされた。
 2月1日(木)のニューヨーク市場では、結局、[120.00]にタッチできなかったことから、ニューヨークの昼前後に、ドルを売っていた向きの買戻しが起こった。
 翌日に米国雇用統計を控えて、ドル・ショート派も、そのままドル売りポジションを持ちきる腹はない様子だった。
 ドル/円は、安値[120.10-15]レベルから、[120.70-80]レベルに急騰。[120.50-60]レベルには、目先でドルを売っていた向きの損切りも出た様子。120円台後半で、そのままニューヨーク・クローズ。

 2月2日(金)のドル/円は、東京市場は、米国雇用統計の指標発表を控えて120円台後半程度の持ち合い。ロンドン市場の朝方も同様に持ち合い。若干のドルジリ高の展開。
 ニューヨーク市場で発表された米国雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が事前予想を下回る、悪い結果だった。また、失業率も予想が[4.5%]に対し、[4.6%]と[0.1%]悪化した。(非農業部門雇用者数の12月、11月は上方修正された)

 このことから、発表直前は、[121.00]前後だったドル/円は、[120.60]程度への「ドル売り」となった。
 しかし、120円台ミドルでは、週末を控え、かつ、G7を控えて、ドルを買い戻したいと考えていた市場参加者も多かった様子。120円台ミドルで、大量のドル買いが出た。
 ドル/円は、120円台ミドル程度から、[121.30-35]レベルに急騰した。
 米国雇用統計の影響が薄れると、ドル/円は、動意を失い、121円台前半で、意味のないフラクチュエーション(小さな上下動)。ニューヨーク・クローズは、[121.00]アラウンド。

第24回 FOMC(Federal Open Market Committee:連邦公開市場委員会)

今週になってのドル/円(USD/JPY)は、高値持ち合いといったところ。
 週明け月曜(1月29日)の東京市場では、朝方からドル買いが先行し、この日の仲値にかけて、上値[121.80]を試す値動き。
 [121.80]から上には、輸出企業などのドル売りオーダーや、機関投資家勢のヘッジのドル売りオーダーが並んでいたため、マーケットは、[121.80]をなかなか上に進まなかったが、結局はストップ・ロス(損切りのドル買い)を巻き込み、一時、[122.00]も上に抜けています。高値は[122.15-20]レベル。

 しかし、需給で見ると、122円台でのドル売りが厚く、すぐに、121円台後半に戻しています。この日は、ニューヨーク市場の朝方に、再び、122円台に乗せたが、長続きせず、
また121円台後半での高値持ち合いに戻した。その後、122円台の上値が重かったことから、マーケットは売り気配に転じ、121円台ミドル程度に下落。

 1月30日(火)のドル円市場では、改めて[122.00]の上値をうかがうも、[122.00]から上には、新たな輸出企業などのドル売りオーダーや、機関投資家勢のヘッジのドル売りオーダーが並んでいた様子。
 30日(火)のニューヨーク市場の昼前後になると、122円台に乗せることができなかったことから、利益確定のドル売りが出て、再び121円台ミドルに下落しています。

 1月31日(水)の外為市場は、FOMCの発表を控えての様子見となっています。
 今回のFOMCの事前予想では、政策金利の据え置きが主流。
 このところ高まっていた利下げ観測は急に後退し、今度はインフレ懸念の声が上がっています。だから、市場参加者は、FOMC声明文に注目しています。
 FOMCが終了しても、今週は、その後の金曜日(2月2日)に米国雇用統計が控えていますから、手を出し難い相場つきになりそうです。

 FOMC(Federal Open Market Committee:連邦公開市場委員会)について、説明を加えておきます。
 米国の中央銀行に相当する制度が、連邦準備制度(Federal Reserve または、Federal Reserve System)です。この制度において、意思決定を行う機関が連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board, FRB)です。
 FRBの7人の理事と5人の地区連銀総裁の合計12人で、連邦公開市場委員会(FOMC)を形成します。
 連邦公開市場委員会(FOMC)は、米国金融政策における最高意思決定機関です。
 FOMCは年に8回定期会合を開きます。それ以外にも、必要に応じて特別会合や電話などでの会合を開いて、短期市場金利を操作します。
 FRBが公開市場操作を通じて米国国債などを購入して、お金(ドル)を金融市場に供給することによって、市場金利は低下します。逆に、FRBが公開市場操作で米国国債などを売却して、金融市場からお金(ドル)を吸収することによって、市場金利は上昇します。
 中央銀行が民間銀行に貸し出す際の金利が公定歩合(ディスカウント・レート、Discount Rate)ですが、最近の米国では、金利の自由化が進み、FRBが決める公定歩合よりも、連邦公開市場委員会(FOMC)が決める短期市場金利(フェデラル・ファンド・レート:Federal Fund Rate)の誘導目標の方が重要視されています。
 FRBはこのほかに、民間銀行の法定準備金の操作(フェデラル・リザーブ・システム、Federal Reserve System)によって、金融政策を行なうこともありますが、最近のところは、FOMCの公開市場操作が主な金融政策の手段となっています。
(1月31日東京時間15:30記述)



 >   >  2007年02月