第14回 来年の外国為替のテーマとしては、円金利が挙げられます

クリスマスを終えて、外国為替市場も年末の雰囲気が漂っています。
 年末年始は、突発的なニュースがなければ、市場参加者も極端に少ないまま、動意も薄い状態が続きそうです。

 来年の外国為替のテーマとしては、円金利が話題に上がることが多くなりそうだ、と考えています。
 このところの福井日銀総裁のコメントは、早く円金利を引き上げたい、といった内容でした。つまり、「近いうちに日米金利差が縮まるのではないか」といった思惑(観測)がマーケットに定着していました。
 ところが日本 銀行は12月19日の金融政策決定会合では、当面の金融政策について全員一致で「現状維持」を決定しています。
 「現状維持」を決めた原因は、12月になって、発表された「日銀短観」が、思ったよりも良い結果ではなかったことが挙げられます。

 今回、日銀が12月15日(金)に発表した12月の短観では、企業の景況感を示す業況判断指数は大企業・製造業で前回(9月)調査比1ポイント上昇の25と、小幅改善。改善は3四半期連続。
 原油高が一服したことや円安の恩恵を背景に企業の景況感の強さが維持されています。
 ただ、大企業・非製造業では小売りなどの消費関連業種の景況感が悪化しています。

 直前の経済指標に表れた消費の弱さが確認された形で、この時点で、日銀が12月18、19日に開く政策委員会・金融政策決定会合で年内の追加利上げを見送る見通しが強くなりました。円金利引き上げは、来年に持ち越された格好です。

 「日銀短観」について、説明を加えておきましょう。
 「日銀短観」とは、日銀が年に4回行う「主要(全国)企業短期経済観測調査」のこと。
 日本銀行という金融政策当局自身が調査し、直接、各企業の経営者に業況感を問うアンケート調査をまとめた経済観測のこと。
 企業に対するアンケート調査を行い、その集計結果や分析結果を日銀短観として4月、7月、10月、12月に発表します。
 調査は全国の大手企業と中小企業、製造業と非製造業などに分けて、業績や状況、設備投資の状況、雇用などについて実績と今後の見通しを聞くもので、良いとする企業の比率から悪いとする企業の比率を引くという形で示されます。
 日銀短観は、景気動向を占う上で重要な経済指標と言われ、株式市場など金融市場に対しても影響力が強く、注目されます。特に、大企業製造業の業況判断DIの注目度は高いものです。

 みなさん、良い年末年始をお迎えください。

第13回 メリー・クリスマス!

今年はクリスマス・イブ(12月24日)が日曜日なので、12月22日金曜日が、クリスマス直前のマーケット(外国為替市場)になります。
 クリスマス直前のマーケット(外国為替市場)のニューヨーク市場は、事実上、午前中で終了します。本当に、ニューヨークの市場参加者たち(インターバンク・ディーラー)は、午前中で、帰宅します。
 もちろん、売買のシステムは、機械ですから動いているでしょう。そして、ごくわずかの、帰宅できないお当番にあたった担当者だけが、終了時間が来るのを待っているのですが。

 大きな水槽の中に、通常は、金魚がたくさん泳いでいるのですが、クリスマス直前のニューヨーク市場は、そのほとんどの金魚たちは、別のところに行ってしまい、ガランとした水槽に、ほんの数匹の金魚が泳いでいる状態になります。

 そして、12月25日のクリスマス当日に、外国為替市場がオープンしているのは、東京市場だけです。
 外国為替市場では、欧米の慣行が優先されます。市場参加者の数では、東京市場(アジア市場)よりも、ロンドン市場、ニューヨーク市場の方が多いので、それも仕方がないことかなぁ...と思っています。

 12月26日のロンドン市場がお休みのように、クリスマスから年末にかけて、欧米の市場参加者は休暇を取りますから、市場は薄いままです。
 ただし、お正月は、1月2日から始まります。

 日本の慣行では、お正月に休暇を取る人が多いですが、世界では、お正月は1年のスタートです。外国為替市場に参加する場合は、そういった世界の慣行に従わざるを得ません。
 外国為替取引に参加するということは、こういった情報・知識も大切です。


 先週の値動きの中から、ポイントを挙げておきます。
 12月21日(木)の東京市場の夕方に、欧州市場の参加者が参入してユーロ/円(EUR/JPY)の上値をトライ。「ユーロ買い円売り」で、[156.35-45]レベルを付けています。
 12月20日(水)に付けた歴史的最高値と比較すると、2〜3銭程度高いので、厳密に言えば、最高値を更新したことになります。

 しかし、外国為替レートは、通常、ビッド(買値:Bid)とオファー(売値:Offer)で、表示するので、10ポイントの開き(スプレッド:Spread)で表示すると、どちらも[156.35-45]で、同じになります。
 最近は、スプレッドを5銭で表示する場合も多いのですが、従来は、10銭開きで表示することが慣行です。
 そう考えると、ユーロ/円(EUR/JPY)の最高値は、[156.40]でも[156.43]でも、どちらでも良いのです。(たいした問題ではない)

 もともと、ユーロ/円(EUR/JPY)は、ぶれのある通貨ペアですから、この時点では、ユーロ/円(EUR/JPY)のユーロ(EUR)統合以降の最高値は、156円台ミドル程度(ただし、[156.50]にタッチしていない)、と、覚えておけば十分なのです。

 いずれにせよ、12月21日(木)のロンドン市場の朝方では、[156.50]にタッチできなかったことから、「ユーロ買い円売り」を仕掛けた向きが、損切る羽目になり、反対売買の「ユーロ売り円買い」を行っています。そのために、その後のロンドン市場で、[155.65-70]レベルまで急落。「ユーロ買い円売り」を仕掛けた向きの損切りが終わると、売買をする人たちが極端に少なくなって、155円台後半での持ち合い(動かない相場)となっています。

 誰かが大量に売ったり買ったりすれば、もちろん、相場が動きます。理由などなくても、大量に仕掛ければ、マーケットは動くものなのです。
 しかし、相場を動かしたからといって、必ずしも利益に結びつくものでもありません。
 ユーロ(EUR)統合以降の最高値を更新すれば、追随の「ユーロ買い円売り」が出るだろう、と考えて、12月21日(木)の欧州勢は「ユーロ買い円売り」を仕掛けたのでしょうが、この時点では、[156.50]のレジスタンスに跳ね返されて、仕掛けた側が損をした格好になっています。

第12回 ユーロ/円(EUR/JPY)は、さらに、最高値を更新

今週になって、ユーロ/円(EUR/JPY)は、さらに、最高値を更新。156円台に上昇しています。
 このところ、何度も、『値ごろ感での、安易な「ユーロ売り」は止めた方が良い』と述べました。
 『「ユーロ売り」は止めた方が良い』ということは、具体的には、『スクエア(ポジションの無い状態)』もしくは、『ユーロを買っている状態(ユーロ・ロング=ユーロの買い持ち)』ならば良い、と言っていることに他ならない。
 つまり、『スクエア』か『ユーロ・ロング』の二つの状態が残されています。

 ここで、個人的な主張ですが、毎年12月は、積極的にポジションを取らなくても良い、場合によっては、取らない方が良い、と考えています。

---念のため、書いておきますが、私は、取らない方が良いと考えていますが、マーケットが薄くなって、リクイディティ(Liquidity)・リスクが高い、乱高下をし易いことをわきまえた上で、それでもあえて取る、取りたい、と考えるのは、自由です。毎年12月は乱高下し易くなります。---

---現在のマーケット(外為市場)の状況をみて、ユーロ/ドル(EUR/USD)、ユーロ/円(EUR/JPY)の妙な値動きは、毎年12月に起こる、クリスマス特有の原因で、「ユーロ・スクイズ」(ユーロを売っていた向きの買戻し)が起こった、と考えています。---

 つまり、12月の「クリスマス相場」なので、積極的にポジションを取らない方が良い、という意味を含んで、『「ユーロ売り」は止めた方が良い』と述べたわけです。

 『ユーロを買ったほうが良い』と言うと、『スクエア(ポジションの無い状態)』が含まれておらず、ただ単に、『ユーロ・ロング(ユーロの買い持ち)』のみを勧めていることになりますから、ちょっとニュアンスが異なります。

先週のコメント(第11回 2006年 12月 18日)では、以下のように述べています。
 ユーロ/円(EUR/JPY)が荒れた場合は、[156.50-157.50]のゾーンに急騰しても、全く不自然ではありません。逆に、下落方向で、ユーロ/円(EUR/JPY)が荒れる場合は、[150.50-151.50]のゾーンまで急落しても、これもまた、全く不自然ではありません。
 『荒れると言っているのでは無いこと』に、留意してください。微動だにしない、静かなマーケットが、待っているのかも知れないのですから。そういったリスクがあることを、指摘しているだけです。

第11回 ユーロ/円(EUR/JPY)は、クロス円取引の代表です

ユーロ/円(EUR/JPY)は、最高値を順次更新しています。『最高値=ユーロ(EUR)の統合後の歴史的高値』ということ。高値を更新するたびに、その周辺にあるストップ・ロス(損切りのユーロ買い円売り)を巻き込んで、さらに、ジリジリと値を上げる、といった値動きを繰り返しています。
 状況が変わっていないので、『値ごろ感での、安易な「ユーロ売り」は止めた方が良い』と考えています。
 ただし、外国為替市場も、年内の取引は、事実上、終了。(取引は可能です)
 12月18日の週は、クリスマス・バケーションの一週間。通常は、外国為替市場が開店休業状態になります。
 クリスマス当日(12月25日)は、今年は月曜日に当たる。12月25日(月)に、世界中の外国為替市場で、やっているのは東京市場だけ。ということは、早めに、年内の取引も終了しておいた方が無難です。
 年末年始の、薄い中で、値を飛ばすような激しい乱高下があるかも知れません。あるいは、全く、出会いすら無く(売買が成立することも無く)、微動だにしない、静かなマーケット(外国為替市場)になるかも知れません。
 そういった乱高下があるのか、全く動かないのかは、事前には、誰にもわかりません。つまり、そういった「リクイディティ・リスク(流動性リスク)」があることだけを、断定できる状態になります。

 『値ごろ感での、安易な「ユーロ売り」は止めた方が良い』と考えていますから、ユーロ/円(EUR/JPY)のショート(売り持ち)でつかまっている場合は、レベルを気にしないで、『損切りは、切り遅れたら、【今すぐに切る】こと』と思いますが、ユーロ/円(EUR/JPY)のロング(買い持ち)で、利益が充分に出ている場合でも、手仕舞いの売りをして利益を保存する方が良い、と考えています。

 ユーロ/円(EUR/JPY)が荒れた場合は、[156.50-157.50]のゾーンに急騰しても、全く不自然ではありません。逆に、下落方向で、ユーロ/円(EUR/JPY)が荒れる場合は、[150.50-151.50]のゾーンまで急落しても、これもまた、全く不自然ではありません。
 『荒れると言っているのでは無いこと』に、留意してください。微動だにしない、静かなマーケットが、待っているのかも知れないのですから。そういったリスクがあることを、指摘しているだけです。

 上記のことは、ユーロ/円(EUR/JPY)に関して述べていますが、ユーロ/円(EUR/JPY)は、クロス円取引の代表です。基本的に、ほぼ全てのクロス円レートは、ユーロ/円(EUR/JPY)と同じように動きます。
 それは、ポンド/円(GBP/JPY)でも、スイス/円(CHF/JPY)でも、オージー/円(AUD/JPY)でも、キウィ/円(NZD/JPY)でも、当てはまります。
 時として、ポンド/円(GBP/JPY)が相場をリードして、ポンド/円(GBP/JPY)の乱高下の方が、ユーロ/円(EUR/JPY)よりも目立つこともありますが、基本的には、ユーロ/円(EUR/JPY)を、しっかり見ていれば、大方のクロス円取引は、対応可能です。

 だから、換言すれば、上記のコメントは、引き直せば、それぞれのクロス円レートに対応していることになります。
 どのように引き直すのか、ひとつだけ、ポンド/円(GBP/JPY)で具体例を挙げておきます。
 現在(12月15日金曜日東京時間16:00ころ)の、ユーロ/ポンド(EUR/GBP)=[0.6700-10]レベルです。
 ユーロ/円(EUR/JPY)の[156.50-157.50]に相当するレートは、以下の計算式です。
 [156.5÷0.6700=233.58]
 [157.5÷0.6700=235.07]

 ユーロ/円(EUR/JPY)の[150.50-151.50]に相当するレートは、以下の計算式です。
 [150.50÷0.6700=224.63]
 [151.50÷0.6700=226.12]

 ですから、上述の文章をポンド/円(GBP/JPY)に書き直すと、以下のようになります。

 ポンド/円(GBP/JPY)が荒れた場合は、[233.50-235.00]のゾーンに急騰しても、全く不自然ではありません。逆に、下落方向で、ポンド/円(GBP/JPY)が荒れる場合は、[224.50-226.00]のゾーンまで急落しても、これもまた、全く不自然ではありません。
 『荒れると言っているのでは無いこと』に、留意してください。微動だにしない、静かなマーケットが、待っているのかも知れないのですから。そういったリスクがあることを、指摘しているだけです。

〜♪♪〜 I wish you a Merry Christmas and a Happy New Year. 〜♪♪〜
(2006年12月15日東京時間16:00に記す)

第10回 値ごろ感での、安易な「ユーロ売り」は止めた方が良い

今週は、米国貿易収支と、FOMC(連邦公開市場委員会)が12月12日(火)にありました。しかし、どちらも、マーケット(外国為替市場)では、特段の材料にはなっていません。
 米国貿易収支は、事前予想よりも良かったのですが、要するに『赤字は赤字』。米国貿易赤字は、巨額の赤字ですし、解釈の仕様によっては、どうとでも「ドル売りの材料」に出来ます。
 FOMCに関しては、予想通りにドル金利据え置き。これは「織り込み済み」といって良いでしょう。

 先週末の金曜日(12月8日)のニューヨーク市場で、大きく乱高下をし、高値引けをしたドル/円(USD/JPY)ですが、今週になっての値動きは比較的に穏やかです。
 概して、116円台後半から、117円台前半での小動きになっています。

 それに対して、ユーロ/円(EUR/JPY)が、ジリジリと上昇を続けています。
 今週初め(12月11日月曜日)のユーロ/円(EUR/JPY)は、153円台前半程度で始まりました。
 週明けの東京市場からジリジリと値を上げて、12月12日(火)の東京市場昼過ぎに、[155.00]を付けています。([115.00-05]レベルを示現)

 しかし、この時点では、追随の「ユーロ買い円売り」は出ず。追随の「ユーロ買い」が無かったので、東京市場の夕方には、いったん反落し、154円台ミドルに落ちています。
 ただし、大きな目で見れば、それも154円台ミドル・アッパーでの「高値持ち合い」。
 最高値を順次更新しているのですから、40〜50銭くらいの『ディップ(dip)』は、有って当然。無い方が変でしょう。
 結局、[154.50]にタッチできなかったユーロ/円(EUR/JPY)は、ロンドン市場の朝方から、『ディップ(dip)』の後の「ユーロ買い円売り」で、改めてジリジリと上昇。
 ニューヨーク市場で、再び[155.00]をトライし、[155.25-30]レベルまで上昇。今度は、しっかりと155円台に乗せています。

 ユーロ/円(EUR/JPY)は、このところの高値を更新しています。『このところの高値=ユーロ(EUR)の統合後の歴史的高値』ということです。
 高値を更新するたびに、その周辺にあるストップ・ロス(損切りのユーロ買い円売り)を巻き込んで、さらに、ジリジリと値を上げる、といった値動きを繰り返しています。
 12月13日(水)の東京市場では、[155.50]に迫る場面も見ています。

 11月下旬のコメントにも書きましたが、値ごろ感での、安易な「ユーロ売り」は止めた方が良い、と考えています。
 今のところ、ユーロ/円(EUR/JPY)は、高値更新を継続しており、「上値のめど」は見当たらない状態です。

 ユーロ/円(EUR/JPY)上昇の影響から、ドル/円(USD/JPY)が底堅い値動き(ドル堅調)になっていますが、ユーロ/ドル(EUR/USD)が、1.33台ミドルを越えて、[1.3400]を窺うような値動きになれば、ドル/円(USD/JPY)にも、「ドル売りプレッシャー」がかかりますから、そういった状況になる場合は要注意です。
 また、「クリスマス相場」で、市場参加者が減っています。薄いマーケット(市場)で、値が飛び易くなっていることにも留意してください。

第9回 クリスマス相場で、市場参加者が薄い中を乱高下

先週末(12月8日金曜日)の東京市場は、この日に発表される米国失業率(雇用統計)を控えての様子見。東京市場のドル/円(USD/JPY)は、115円台前半での小動きに終始しています。概して、そのレンジは、[115.15-35]程度で動かず。
 この日のロンドン市場の朝方に、東京市場の高値[115.35-40]レベルを超えると、目先でドルを売っていた市場参加者のストップ・ロス(損切りのドル買い円売り)を付けています。「12月のクリスマス相場」で、市場参加者が薄くなっていることもあって、まず第一段階のショート・スクイズ(損切りのドル買戻し)が起きたようです。ニューヨーク市場で発表される米国失業率(雇用統計)の直前には、[115.60-70]レベルまで上昇しています。

 注目の米国11月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が+13万人。事前予想が+10万人前後だったので、予想より良かったことからドル買いに反応し、[115.90]レベルまで上昇しています。
 ところが、ドルの長期金利は低下気味に推移したことや、ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が悪かったことなどを材料に、ドルは反転し、[114.90]レベルまで約1円の急落を見ています。
[115.00]割れを見ると、今度は大量のドル買いが出た様子で、反転急上昇。下落幅よりも大きい上昇となっています。約1円50銭の急騰で、高値は[116.40-45]レベルを付けています。

 ところで、今年のクリスマスは、12月25日が月曜日。クリスマス・イブは日曜日。毎年のことですが、クリスマスの週の外国為替市場は、極端に市場参加者が少なくなります。
今年は、12月18日(月)〜22日(金)の週が、そういった週に相当します。そう考えると、今年も、残すところ、来週いっぱいまで、ということになります。

 もちろん、12月は初旬からクリスマス・シーズンですから、先週末の米国失業率(雇用統計)を見て、今年の取引を終了して休暇を取ろうと考えていた市場参加者は多かったことでしょう。
 そういった人たちは、年内の取引を終えるのですから、ポジションを縮める動きが中心になります。
 そして、ポジションを縮めた後は、来年まで参入して来ません。そうなると、通常のマーケットとは異なり、値が飛び易くなります。
 先週末のニューヨーク市場は、すでに、そういった状態になっていた---つまり、値が飛び易い状態になっていた---ということです。それで、ニューヨーク市場では、薄いマーケットの中を本格的なショート・スクイズ(ドル買戻し)が起こり、結果的に114円台後半から、116円台ミドルまでの急騰を見た、ということです。
 今週辺りから、市場参加者は徐々に減少していきます。来週はもっと薄くなります。潜在的には、ますます、値が飛び易いマーケットになっていきます。
 こういった極端に市場参加者が少ない場合は、全く動かないケースもあります。取引が行われないから動かない、といったケースです。12月のマーケットは、そういったことを解した上で臨むべきと考えています。

第8回 【ドル/円が急落していますが・・・】

先週末、12月1日(金)の東京市場のドル/円(USD/JPY)は、115円台ミドル程度でした。この日の東京市場の朝方は、ドル売りが先行し、東京市場午前中に、[115.50]をトライするも、下に抜けきれず。結果として[115.50]がサポートされています。
 東京市場の午後になって、[115.50]がサポートされたことから、ドルの買戻しが起こり、[115.80]を上に抜けると、目先でドルを売っていた向きの損切りが出て、[116.00-05]レベルに、軽く吹き上がっています。
 12月1日(金)のロンドン市場では、東京市場で、ドルを売った向きのストップ・ロス・ハンティング---損切りを狙ったドル買い---で、[116.30-40]レベルまで、担ぎ上げた。
 12月1日(金)のニューヨーク市場の昼前後に、[116.00]および[115.80]を割り込むと、今度は、一転して、反転急落し、一気に[115.00]割れまで1円以上の大幅な下落。安値は、[114.95-00]レベル。
 東京勢(アジアの市場参加者)の、損切りを狙って、目先でドルを買い上げた向きが、下落のスピードに追いつかず、ドル投げ売りに転じています。
 ドル/円急落の「きっかけ」は、米国経済指標(ISM製造業景気指数)だったのですが、あくまでも「きっかけ」に過ぎず、マーケットに偏在するポジションの動きが原因と見ています。

 今週になってのドル/円は、115円台をキープしていたのですが、12月5日(火)の、東京市場の夕方になって、---ロンドン勢が参入する時間帯になって、---ドル/円(USD/JPY)とユーロ/円(EUR/JPY)が、急落しています。
 東京市場の夕方に、欧州勢が参入して、ドル売りを仕掛けた様子。
 ドル/円は、[115.00]を割り込むと、[114.80-90]レベルにストンと下落。先週末(12月1日)のニューヨーク市場で付けた安値が、[114.95-00]レベルだったことから、その水準を下回った[114.90]には、ストップ・ロス・オーダー(損切りのドル売り円買い注文)があった様子です。ロンドン市場では、ジリジリとした下落が続き、ニューヨーク市場の朝方に、[114.50]も割れています。今のところ、安値は[114.40-50]レベル。

 大きな目で、振り返ってマーケットを見ると、このところの、ドル/円の高値は、10月中旬の[120.00]アラウンドです。---結局、[120.00]を上に抜けることが出来ませんでした。---

 ドル/円は、上値が[120.00]で抑えられたので、下値も抑えられる状態(上値が限定されたので、下値も限定される状態)と見ています。
 ですから、「115円程度から120円程度」での、「持ち合い相場」を形成しているのではないか、と考えていましたが、[115.00]は、既に、突き抜けています。
 次のチャート・ポイントは、[114.00]アラウンドですので、現状は114円台から119円台程度での「持ち合い相場」と見ています。

 ただし、[114.00]アラウンドのチャート・ポイントを、『完璧に』割り込む場合は、ドル/円のロング(ドル買い円売りのポジション)は、損切りを敢行するべき、と考えています。

 12月になって、市場参加者が、徐々に少なくなっている印象が残ります。
 通常ならば、下がったところで一定の「買い」があるのですが、市場参加者が薄くて、そういった"Buyer(買い手)"も徐々にいなくなっている、ということです。
 だから、ドルが下がったところに置いてあるストップ・ロス・オーダー(損切りのドル売り注文)を、マーケットが薄いために、吸収できなくなってきているように感じます。

【2006年12月6日(水)東京時間16:30記述】
 この原稿を書いた時点では、ドル円の安値は[114.40-50]レベルです。12月6日(水)のロンドン市場、ニューヨーク市場で、[114.00]アラウンドのチャート・ポイントを、『完璧に』割り込む場合は、ドル/円のロング(ドル買い円売りのポジション)は、損切りを敢行するべき、と考えているのは、上述の通りです。

第7回 【損切りは、切り遅れたら、今すぐに切る】

【INV@ST くりっく365】 には、ユーロ/ドル(EUR/USD)取引の通貨ペアが無いのですが、それでも、ユーロ/ドル(EUR/USD)取引を行いたい、と思うのなら、こういった方法があります。

●「ユーロ買いドル売り」をする場合
「ユーロ/円を買う」&「ドル/円を売る」を同時に行う

●「ユーロ売りドル買い」をする場合
「ユーロ/円を売る」&「ドル/円を買う」を同時に行う

 取引金額の調整を行えば、事実上、ユーロ/ドル(EUR/USD)取引を行うのと同じことが出来ます。

 このところのマーケット(外国為替取引で)で、1.27台、1.28台、1.29台での「ユーロ/ドル(EUR/USD)売り持ち(ユーロ・ショート)」を抱えている場合は、さっさと損切って、新たな気持ちで、現在のマーケット(相場)に臨んだ方が良い、あるいは、次のチャンスに備えるように対応した方が良い、と考えています。

 前回に、安易な「ユーロ売り円買い」は止めた方が良い、とコメントしましたが、もう少し突っ込んで、書いておきましょう。

 140円台でのユーロ/円(EUR/JPY)のショート(売り持ち)は、致命傷になる前に、損切りを敢行した方が良いと考えています。

 そう言うと、
 「どこで切ればよいの?」
といった質問を受けます。

 損切りは、切り遅れたら、【今すぐに切る】ことです。

 『もう少しは、「ディップ」があるはずだ』
とか、
 『「綾(あや)」があるはずだ』
といった声も聞こえてきます。

 その気持ちは、充分に、理解できます。

 でも、レベルを気にしないで、『損切りは、切り遅れたら、【今すぐに切る】こと』です。

 相場にうまく対応していて、「綾(あや)」を狙うのなら、それは、『趣味』『嗜好』『好み』といったことで、それもまた良いでしょう。

 しかし、相場に失敗して、『綾』を待っているのは、対応として間違い。
 素直に、負けを認めて、やり直す、謙虚な気持ちが大切だと考えています。



 >   >  2006年12月